中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

休日の本棚 コア・コンピタンス経営

おはようございます。
今日も過去に紹介した本のブログを貼り付けます。

今日は、G・ハメル&C・K・プラハラード著「コア・コンピタンス経営 大競争時代を勝ち抜く戦略」(日本経済新聞社を紹介します。原書は、「Competing for the Future」(未来のための競争)です。なお、「コア・コンピタンス経営 未来への競争戦略」として文庫化もされています。

この本が出版されたのは1995年で、日本企業が圧倒的に強さを発揮し、アメリカ企業は長い低迷期から脱しようやく成長に転じようとしていた時代です。この本には、ソニー、ホンダ、シャープ、東芝などの日本企業が成功例として紹介されていますが、現在これらの企業は低迷に苦しんでいます。一方、アメリカ企業は復活を遂げています。 

競争が激化し、企業の持つ経営資源が相対的に希少化してくると、企業はその戦略として、投資の効果や効率を最大化しようとします。

経営資源を投下する際、競争市場のどこに、どのように自らの存立基盤を築くのかが「ドメイン(市場内生存領域)」の問題です。ドメインを策定するには、市場のニーズを反映し、競争上の差別優位性を発揮できる分野に特定化することです。そのために、①顧客のどのようなニーズに対応するのか(What)②ターゲットとなる顧客層は誰か(Who)③どのような独自技術やノウハウを用いてどのように提供するか(How)の3つが重要になります。そのHowの部分がコア・コンピタンスです。

コア・コンピタンスとは「自社の中核的な技術やノウハウ、自社の最大の強み」「顧客に対して他社にはまねできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な能力」のことです。この本の例でいえば、ソニーの製品を小さくまとめる技術やホンダのエンジン及び駆動系技術、シャープの液晶技術などがそれに当たります。

かつて、ソニーは電子技術とメカニカルな機械技術の組み合わせによって、製品の小型化に成功し、この小型化技術を「コア技術」として、顧客に「携帯性」という価値を提供する、携帯ラジオ、ウォークマン、ハンディカムなどの製品を作りました。

また、ホンダは、徹底的に究めたエンジン技術を「コア技術」としてCVCCというエンジン技術により省エネや排ガス規制に対応した初代シビックを作りました。

シャープは、液晶技術を「コア技術」として。製品の小型化・省エネ化が可能となり、小型電卓、電子手帳ザウルス、液晶テレビなどを作りました。

このように「コアとなる技術」と「顧客の利益」が結びつくことによって競争に打ち勝つ強い製品が生まれています。

しかし、コア技術も、それで成功した企業があると当然それを真似しようとする企業が出てきます。今のコア技術が10年後20年後もコア技術として企業の強みになるとは限らないのです。コア技術の上に胡坐をかくのではなく、時間をかけて常に磨き続けなければなりませんし、常に新しいコア・コンピタンスを見つけ育てていかなければなりません。

かつて勝ち企業であったシャープは、液晶テレビが大きな売り上げを占めると、商品技術である液晶テレビに重点投資し、コア技術への投資を怠り、液晶テレビが衰退しはじめると、次の目玉商品を生み出せず、今では台湾企業の傘下にあります。

 コア・コンピタンス経営は、企業が中核的な能力を徹底的に磨き上げることで、新しい市場を創造し、持続的な成長企業を実現するという競争戦略です。

 コトラーによれば、企業の競争地位は、「リーダー」「チャレンジャー」「フォロアー」「ニッチャー」の4類型に分かれます。

 「リーダー」は、当該市場における最大シェアを保持している業界最大手の企業であり、最大シェアを確保・維持するためにドメインを広く抽象的にするオーソドック戦略をとることになります。「チャレンジャー」は、リーダーの地位を狙って挑戦する企業で、リーダーと同質化戦略をとっても勝ち目はないので、顧客機能や独自能力によってリーダーと徹底的な差別化を図ろうとします。こうしたチャレンジャーにはコア・コンピタンス経営が適していると言えます。「フォロアー」は、リーダーとチャレンジャーが熾烈な争いをしている市場を避け、その他の市場で模倣戦略を取ります。「ニッチャー」は市場内のニッチな部分で、ドメインの範囲を限定し、そこに合うニーズと独自技術・ノウハウを使って差別化を図ります。ニッチャーもコア・コンピタンス経営が適していると言えそうです。

コア・コンピタンス経営には次の3点が重要です。

1 企業が追及すべき顧客の便益を明らかにする

 多くの企業が顧客ニーズを把握することの重要性は理解していますが、十分に顧客ニーズを把握しているとは言えません。漠然と顧客ニーズを把握しているだけでは適切な競争戦略を打ち立てることはできません。顧客ニーズを把握し、それを細分化して、自社が提供すべき便益と細分化された顧客ニーズを明確に結びつけることで、迅速な対応が可能となるのです。

.顧客の便益を提供するのに必要な自社の技術・能力を高める

 自社が保有する経営資源には限りがあります。「選択と集中」の観点から限られた経営資源をどこに投下するのかを決めなければなりません。自社のコア・コンピタンスをどこに設定するのか、ドメインをいかに絞り込んでいくのかという戦略的な意思決定は経営者の重要な役割・任務です。

 常に、顧客のニーズに合った便益を提供し続けるためには、自社の技術や能力に常に磨きをかけ高めていかなければなりません。

3.企業と顧客との接点を重視する。

 自社の持つ技術と顧客ニーズが上手く結びつくと、消費者の支持を受ける製品やサービスが生まれます。しかし、時間の経過とともに、自社のコア技術と顧客ニーズの間にずれが生じるようになります。それは、消費者(顧客)は一旦便益が得られると、それに満足せずより高い便益を求めるようになるからです。企業は、常に市場の動向を把握し、顧客の声を拾い上げデータベース化し、社員全員が共有できるようにして、開発改善に取り組んでいかなければならないのです。

コア・コンピタンス経営は「市場の発見・創出につながら未来の戦略だ」というのは良く分かります。文庫化で「未来への競争戦略」と副題がつけられているのも納得できます。これまでの価格競争を重視した戦略とは一線を画するものです。

かつて日本企業が自社の強みを活かして欧米に打ち勝ってきたコア・コンピタンス経営は、長期的な視野を持って、コア・コンピタンスの発見と保持、その発展に努力するとともに、それを製品やサービスに巧みに生かしていく方法を見つけなければ、日本企業が低迷したようにやがて終焉を迎えることになります。多くの日本企業が低迷しているのは、コア・コンピタンスを発展させることができなかったからです。

企業の力としてのコア・コンピタンスは、最終的には個々の社員のスキルや、ノウハウにまで分解されます。組織内に分散している個々の暗黙知的なスキル、ノウハウを全体で共有し知を創造し、それを企業の力に転換していくことが大切なのです。嘗ての日本企業にはこうした強みがありました。組織の末端のレベルまで巻き込んで独自の企業力を育てなければなりません。その点を忘れて効率化を重視した経営に走った結果、日本企業は衰退していったと言えそうです。

コア・コンピタンスの視点がないまま効率重視でリストラやダウンサイジングによる省力化や効率化を推し進めるならば、社員のモチベーションやエンゲージメントを低下させ、コア・コンピタンスを支える人材までも失い、ついにはコア・コンピタンスまでも失う危険性があるのです。

コア・コンピタンス経営」も競争戦略の一つにしかすぎません。

絶対的に正しい戦略というものはありません。どのような戦略にもメリットとデメリットがあります。この点を頭に入れたうえで、自社の競争地位を考慮し「自社の強み」を活かしていく「コア・コンピタンス経営」を今一度見直してもいいのではないかと思います。

部下の隠された意図をつかむ

おはようございます。

昨日は「リーダーは立ち位置」ということを書きました。今日は、それとも関連しますが、「部下の隠された意図をつかむ」ということについて、過去のブログを貼り付けます。
昨日の話では、上司が部下の相談に乗っていいのは、①「部下の権限では決められないこと」を決めるとき ②「部下が自分で決めていい範囲かどうか」迷っているときの2つだけということです。部下が自分の権限で決めることができる内容については「突き放す」ということが基本だという話でした。もっとも、思い悩んだ末に自分では決めかねて、部下が上司に相談しているのなら、何に悩んでいるのかを聞き出し、結論への道筋をアドバイスするのは許されると思います。
今日の話もその続きで、部下に安易に解決策を与えたり、仕事自体を引き取ってしまうといつまでたっても、部下は自分で考えて行動するようにはならないということです。
上司は、部下から「教えてください」と素直に頭を下げられると弱いもので、ついつい甘くなって教えてしまいます。それでは部下の成長はありません。
部下から「教えてください」と言われたときには復唱と合いの手を貫くのがいいのです。つまり部下が「教えてください」と言ってきたとき、上司は「教えてほしいんだね」と復唱し、「それで?」と合いの手を入れて部下の反応を待つのです。
「教えてください」という言葉に素直に乗らないことで、部下の感じていることや考えていることへの理解を深めることができるのです。部下が何に悩んでいるのか、どのような解決策で悩んでいるのかが分かるかもしれません。また、上司が「それで?」と問いかけることで、部下自らそのことを考える中で、自らの悩みへの解決策を見出すかもしれません。
また、部下が上司に怒られるかもしれないリスクを冒してまで「教えてください」と言ってくるのは、同僚や先輩に相談しても解決できなかったからかもしれません。そうであるならば、「何かあるな」とアンテナを張って、部下の「教えてください」という言葉の裏に「隠された意図」を探さなければなりません。部下の「教えてください」という言葉の裏には、「別の相談したいこと」や「伝えたい何か」が隠されているのかも入れないのです。
部下の「隠された意図」をつかむための具体的な対話のスキルとして、次の4つがあります。
ステップ1:復唱する・・・単純な復唱のコツは、キャッチボールをイメージすること。具体的には相手が投げてきたボール(言葉)を受け取り、それをそのまま相手に投げ返すイメージです。
ステップ2:真意を引き出す・・・部下が本当に話したかったことを引き出す。キャッチボールをしながら、会話の中から部下から言いにくい真意を引き出すこと。何気ない相談の裏に深い「真意」が隠れているかもしれません。
ステップ3:テーマを設定する・・・部下の真意をつかんだら、それを基にテーマ設定すること。相手の言葉を復唱して伝え確認を取ることで、上司と部下はこれから同じ話題について話していくのだというプロセスへの理解が深まります。
ステップ4:合意形成する・・・テーマ設定が完了すれば、上司と部下が同じ話題について話すということについての合意を取り付けること。
ただ、「教えてください」という言葉の中には単に「聞いてほしい」だけということもあります。こういう場合にも無碍に突っぱねてはいけません。
これからのリーダーシップには、相手の感情を理解して働きかけるコミュニケーション力が必要です。
以前にも書きましたが、現代の職場では様々な価値観を持つ人がいて多様化しています。報酬や昇進といった外的要因ではなくどのような感情を抱くかという内的要因がモチベーション向上に役立つようになっています。こうした機会は部下との信頼関係を構築するためのチャンスであり、これによって部下のモチベーションを高めることにもなるのです。 

リーダーの立ち位置

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けておきます。

識学代表取締役の安藤広大氏は「リーダーは自分が立っている『位置』について考える必要がある」と言い、多くの企業が取り入れている「『1on1ミーティング』は駄目なマネジメント法だ」と断言しています。

1.リーダーは「お願い」をするな

 組織においてリーダーは部下を評価する立場にあり、正しい評価のために「平等に見ること」が求められます。しかし、「平等」とは、対等という意味ではありません。「位置を明確にしたコミュニケーション」を部下たち全員にできているかということです。部下に仕事を任せるときに、「時間があるときでいいから、資料をまとめておいてくれ」「やりたくなければ断ってもいいが、この仕事やってくれるかな」などというのは。典型的な「位置」を間違えた言い方です。これでは「指示」ではなく「お願い」です。対等な関係や場合によってはお願いされた方が上の立場になるような言い方は絶対やってはいけません。このような「位置」を間違えたコミュニケーションは徹底的になくさなければなりません。

2.「正しいほうれんそう」とは?

 「位置」の概念は知らないうちに忘れがちになります。そうならないために、日常的に上司と部下の「位置」を部下に確認させる方法が必要になります。これが「ほうれんそう」、つまり、報告・連絡・相談による管理です。

 安藤氏は、昨今はやりの「部下が自主的に行動すること」というマネジメント方法は間違っていると言います。これでは「成長する人はどんどん成長し、ダメな人はずっとダメなままになる」と警鐘を鳴らしています。

そして、「ほうれんそうによる管理」は「実行すれば、全員が成長できる」と言っています。なかなか結果が出ない部下には「ほうれんそうによる管理」の回数を増やし、結果が出てくれば回数を減らせばいいのです。部下から見るとほうれんそうは億劫になりますが、それは「できていないと怒られるんじゃないか」「間違っていたら図師湯」などと感情が絡んだ「見えないハードル」があるからです。スムーズに「ほうれんそう」をさせるには、その場で褒めたり叱ったりせず、「機械的に事実を聞く」という態度がリーダーには必要だと安藤氏は言います。ほうれんそうで感情的な評価をしてしまうと誰でも、報告も連絡もしたくなくなるからです。

3.1on1ミーティングが「ダメな方法」と言えるワケ

 今。1on1(ワンオンワン)ミーテイングという手法がもてはやされています。部下に対して「最近の調子はどう?」「何か困っていることはないか」と個別にカウンセラーのようにヒアリングをし、モチベーションを向上させようとするマネジメント方法で、リモートワークの導入で活発に採用されています。有効に機能している面もありますが、安藤氏は「1on1ミーティング」は「位置を間違えたダメな方法だ」と断言します。「1on1」というのは「部下に寄り添うこと」を前提としています。部下に寄り添うことが、マネジャーやリーダーの役割だというのは大いなる勘違いだというのです。しかもこれはマネジャーやリーダーに悪気がないので厄介な勘違いです。部下は上司に寄り添ってほしいなどと思っていません。部下が話を聞いてくれるリーd-を求めているのは、できなかったときの言い訳を聞いてほしいからです。これでは、寄り添っているつもりのリーダーが部下の成長を止め、あるいは部下の成長が止まった状態を正当化してしまうことになります。

 上司が部下に確認するのは、あくまでも「情報を吸い上げる」という行為だけです。

4.上司が部下の相談に乗っていいのは「2つ」だけ

 部下の相談に乗ってばかりいると部下の成長は止まります。安藤氏は、上司が部下の相談に乗っていいのは次の2つだけだと言います。

  1. 「部下の権限では決められないこと」を決めるとき
  2. 「部下が自分で決めていい範囲かどうか」を迷ったとき

 相談に乗ってはいけないのは、明らかに部下の権限で決めることができる内容です。これについて、上司が部下の相談に乗り「こうすればいいんじゃない」と言えば部下の責任は「上司の言うとおりに提案すること」に切り替わります。必要以上に相談に乗ることは部下の責任範囲を狭くし、言い訳できる環境を作ります。確かにこの通りですが、部下が自分の責任範囲にある問題を相談に来た時に「突き放す」というのもいかがなものかと思います。部下も自分責任範囲にあることは分かっています。それにもかかわらず、上司に相談するというのは思い悩んだ末に決めかねているからです。部下が何に悩んでいるかを聞き、その解決の糸口は何か、アドバイスすることは上司の役割だと思います。上司が結論を出すのではありません。結論を出すのはあくまでも部下ですがそれへの道筋をアドバイスするのは許されるはずです。

安藤氏が言うように「リーダーは自分が立っている『位置』を考える必要がある」というのも事実ですが、これにあまりにもこだわりすぎると、硬直的になり、かえつて上司と部下との人間関係、組織やチームの関係性にヒビを入れることにもなりかねません。

安藤氏の考えも一つの考え方・方法論と思い、部下とのより良い人間関係を築き上げるために自分の立ち位置を生かしていくというのがよいでしょう。

 

VUCAの時代 ミッションに回帰せよ

おはようございます。

新型コロナの新規感染者が増加傾向にあり第8波の入り口にさしかかっています。政府は一定の基準を示しましたが、経済を優先するため行動制限は行なわないようで、各人が節度を持って、うつらないよう・うつさないように気をつけるしかありません。

さて、今日も、過去のブログを貼り付けます。

ビジネス+ITの「今こそ企業も個人も『ミッション』へ回帰せよ」という記事についてのブログです。この記事は、元スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄氏が、「不確実な時代におけるミッションの重要性」について、自身の経験をもとに語ったものです。

1.ミッションとは何か

 企業経営において「ミッション」という言葉がよく使われますが、「ミッション」とは何でしょうか?また、「ビジョン」との違いは何でしょうか?

 「ミッション」には「目的、使命、存在意義、役割」といった意味がありますが、企業経営においては「その組織や個人が果たすべき使命や役割」を意味します。

 企業理念を掲げるためのポイントとして、①ミッション ②ビジョン ③バリューの3つの構成要素があります。そのうちミッションは組織の方向性を決めるうえで極めて重要なものです。

  1. ミッション 「組織が果たすべき使命」「社会に対してどのように貢献するか」
  2. ビジョン 「実現を目指す」「理想とする姿の追求」
  3. バリュー 「組織が共通してもつ価値観」 

 「ビジョン」が企業が目指すべき目的地であり、「バリュー」が目的達成のための手段であり、「ビジョン」は「何故、企業がその目的を掲げその達成を目指すのか」という使命・存在意義を表します。

2.今、求心力としてのミッションが重要に

 今は「VUCA(ヴーカ)の時代」と言われます。VUCAとは、Volatility (変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉です。もともとは冷戦後の国際情勢のを示す言葉でしたが、2010年頃からビジネスシーンでも使われるようになりました。

  • Volatility(変動性)・・・これからどのような変化が起こっていくか」が予測不可能な、変動が激しい状態
  • Uncertainty(不確実性)・・・不確実なことが多く、「この先、我々を取り巻く環境がどう変化するか」分からない状態
  • Complexity(複雑性)・・・様々な要素・要因が複雑に絡みあい、単純な解決策を見出すのが困難な状態
  • Ambiguity(曖昧性)・・・「どうしたら問題を解決できるのか」「本当にこの方法で解決できるのか」絶対的な解決方法が見つからない曖昧な状態

 コロナ禍でのリモートワークもVUCAを象徴する変化の一つです。岩田氏はこれを「遠心力が働いている」と表現しています。VUCAの時代こそ、一層求心力が必要になり、組織にとっての求心力がミッションであるというのです。

3.企業の目的は利益の最大化ではない

 私は、企業の目的が利益の追求であることは否定しません。企業が利益を上げることができなければ、成長どころか存続すら危ぶまれます。利益を上げるということは企業が存続していくために重要な目的の一つです。

 岩田氏は「会社は何のために存在するのか」という問いに「企業というのは、事業を通じて世の中をよくするためにある」と言います。社会に貢献するというのも、立派な企業の目的の一つです。利益を上げられなければ、社会に貢献できませんし、逆に社会に貢献できなければ利益を上げることはできません。利益と社会への貢献は両方とも企業にとって重要なものです。

 岩田氏も「それぞれの企業にはミッションがあり、ミッションを遂行するために企業は存在します。そのための手段として必要になるのが利益です」と言っています。

 稲森和夫氏も「人間中心の経営」を掲げながらも「稲森経営12箇条」で「売上を最大化し経費を最小化する創意工夫が高利益を生み出す」としています。

4.ビジョン、バリューよりもミッションが特別な理由

 先ほども書きましたが、経営にとって必要な3つのもの、ミッション・ビジョン・バリューの中で、ミッションが組織の方向性を決めるうえで最も重要なものです。繰り返しになりますが、ビジョンは「目指すべき目的地」であり、バリューは「企業な価値観、行動の判断基準」です。それに対し、ミッションは「企業の使命や存在意義。何故その目的を達成したいのか」です。ビジョンがWhat、バリューがHowであれば、ミッションはWhyです。

 岩田氏は、登山を例に説明しています。登山家のミッションは山に登ることです。山に登るのを止めれば登山家でなくなります。ビジョンとはどうなりたいかをイメージすること、「五年後にエベレストに登頂する」というようなものです。バリューは山の登り方です。どのように登頂するのか行動指針・計画を作ることです。

 岩田氏は、「事業環境が劇的に変化する時代だからこそ、原理原則としてのミッションが重要で、色々な価値観を持った社員が同じゴールに向かうためにもミッションという共通のゴールが必要だ」と言います。ミッションという旗を掲げていれば、そのミッションに共鳴した人が集まりやすく、ミッションによって社員のモラルを上げる効果があるのです。

 先日の「スターバックスの組織開発」でも書きましたが、スターバックスでは、経理理念(ミッション)や企業文化に社員一人ひとりが共感し、「自分ごと化」して自律的に行動するようになります。スターバックスのミッションを理解し、これを実現したいと思っているから、社員も辞めないのです。辞めないから教育投資ができる、教育投資をするから辞めない、という好循環が回るのです。

5.個人も「生かされていること」を自覚せよ

 個人も自分のミッションを持つべきです。

 岩田氏は「何が起こるかわからない今の世の中で、人は生きているというより生かされています。生かされている理由こそがミッション。自分にとって、好きで、得意で、人のためになることは何なのか、これを意識して考え続けることが大切です」と言います。「情熱をもって取り組めること」が「好きなこと」で、「世界一になれること」が「得意なこと」で、「経済的原動力になるもの」が「何か人のためになること」です。

 これは「ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則」に出ているものです。飛躍した企業は、自社が世界一になれる部分経済的原動力になるもの情熱を持って取り組めるものという3つの円が重なり合う部分に関する深い理解に基づき、この深い理解を単純で明快な概念にまとめ、この概念をすべての活動の指針とし、目標と戦略を設定しているのです。これは企業だけでなく、個人においても同じということです。

企業経営においては、重要なことは、WhatやHowではなくWhyです。常に、「何故?」と問い続けなければなりません。その「Why」の最たるものがミッションです。

トヨタ5W1Hは「Why?Why?Why?Why?Why?How?」です。ひたすら社員に問い続けることで「Why?なぜ?」を集めるのです。それらを検討することで、真の解決方法(How)が見つかるのです。

休日の本棚 猿の部長

おはようございます。

今日は昨日の「戦略課長」に続いて、竹内謙礼・青木寿幸著「猿の部長」(PHP文庫)を紹介します。昨日も書きましたが、この「猿の部長」は営業戦略ノベル、マーケティング戦略を主題とするビジネス小説です。

アメリカでMBAを取得した滝川は、中堅商社への入社直前、猿ヶ島での祭礼中に気を失ってしまいます。目覚めると、そこは経済の中枢を猿が牛耳るパラレルワールド、まるで「猿の惑星」の世界です。部長以上は全員が猿、猿が部下の人間をこき使う世界です。滝川は、ライフ商事の5つの事業部で、猿の部長たちにマーケティング戦略を提案し、年間利益10億円を目指します。果たして目標は達成できるのでしょうか? さらに滝川は元の世界に戻ることができるのでしょうか? 最後まで目が離せない笑いと恐怖の営業戦略ノベルです。面白く読みながらマーケティングの基本を学べます。

小説なので、ネタバレにならない範囲で紹介します。

まずは、各章は次のような構成になっています。

第1章 一戸建てを「即完売」させることが、なぜいけないのか?

     ー儲かる市場規模を探し、そこで儲かるポジショニングを取る

第2章 商品が売れない理由は、お客との付き合い方に問題がある

     ー「自分で考える」強い組織に作り変える

第3章 競合も多く、価格競争も激しい業界で生き残る方法

     ー商品点数を絞り、スピードを上げて、売れる機会を逃さない

第4章 新しい市場を自分たちで作る

     ー競争のない次の市場を探し、意図的に拡大させる

第5章 マーケティングを実行するときに必要となるもの

     ー「売れ筋」を予測し、成功するまで戦略を修正する

各章から、いくつか役に立つポイントを列挙します。

  • 値下げせずに一戸建てをどうやって売ればいい?値上げして売れなければ意味がない。だから、儲かる市場規模を見つけて、そこで儲かるポジショニングを取ることが大事なんだ。儲かる市場を探すときにやるべきことは、まずは市場をセグメンテーションすることが必要なんだ。理解して営業しているのと、やみくもに営業するのとでは意味が違う。マーケティングの戦略が失敗した場合、最初にセグメンテーションしておかなければ、次にどこを攻めればよいかが分からなくなってしまう。世の中、失敗することの方が多いから、その理由を知ることは、次の成功するマーケティングの戦略を作るうえで、絶対に必要なことなんだ。
  • 儲かる市場規模を探すところまででは、マーケティングの戦略は半分までしか完成していない、次にマイケル・ポーター教授の競争戦略を使って考えることで初めて「価格を下げない戦略」は完成する。会社というのは「コストリーダー」「差別化」「集中化」の、どれかを選択しなくては競合会社に勝てない。大手企業と価格競争をしても勝てない。安売り競争が激化すれば、体力のある大手企業だけがコストリーダーとして生き残り、他はすべて潰される。「コストリーダー」ではなく「差別化」で売る戦略をとるのがいい。しかし、そんなに簡単に「差別化」のコンテンツが思いつけば誰も苦労はしない。考え抜くしかない。そしてその苦労を乗り越えて、本当の意味での差別化のポジショニングを探し出すことができた会社は成功する。
  • 競合会社の戦略は常に監視しておく必要がある。3C分析は一度やればよいわけではない。売れなければ、競合会社も常にマーケティングの戦略を変えてくるはずだ。気が付いたら、自分たちの差別化が強みを失っていることも十分に考えられる。そうならないためにも、競合会社に攻め込まれないように、常に自分たちが差別化のポジショニングを探し続ける必要がある。
  • 希少性とか模倣困難性というのは、珍しいとか、他にないという意味ではない。お客にとって希少価値があるかどうかが大切であって、自分たちで決めるものではない。そもそもⅤRIO分析(会社が持つ経営資源を、value=経済価値、Rereness=希少性、Inimitability=模倣困難性、Organization=組織 の4つのポイントから分析し、会社の競争優位性を判断する)は分析というだけなので、それによって新しい戦略が発見できるものではない。
  • 事業には、水平展開しやすいものと垂直展開しやすいものがある。水平展開しやすい事業では「店舗を増やす」という戦略は間違っていない。フランチャイズという組織なビジネスモデルとしては最適だが、競合会社にとっても簡単なビジネスモデルということになる。フランチャイズではオーナーに任せる部分が大きくマーケティング戦略を考えてもオーナーがそれを取り入れるとは限らない。直営店で強い組織を作ることが大事だ。
  • 強い組織を作るための5つの条件 ①今までの考えを捨てる ②一緒に働く社員同士がオープンになって情報を交換する ③会社だけでなく、自分たちの社会的な役割も理解する ④事業部と店で働くすべての社員が納得できる目標を作る ⑤その目標を達成するために、社員で協力し合う心を持つ。
  • 現状を分析することは大切だが、それを起点に考えてしまうと、現在の手法を改善することしか思いつかなくなる。SWOT分析TOWS分析ではでは改善点は列挙されるが、マーケティングの戦略を大転換するような、常識をぶち壊す画期的なアイデアは生まれない。
  • 工場との連携という組織力が内部の「違い」で、ポジショニングというのはお客から見た違いで外部の「違い」ということだ。外部の違いと内部の違いのどちらが重要かと言えば、業種やその会社の市場でのシェアによっても変わってくる。ポジショニングは外から見えるのでマネされやすいが、次のアイデアがあればすぐに方向転換できて修正しやすい。一方組織力は外から見えないのでマネしにくいが、作るまで時間も労力もかかり、変更も困難である。
  • 新しいことをやっても失敗しそうだから何もしないというのでは一歩も前に進まない。新しいことをやって成功させてやるんだという前抜きな気持ちが大事である。しかし、ビジネスには失敗はつきものだ。その時には、もう一度マーケティングの戦略を見直し、ポジショニングも組織も作り変えるという勇気をもって前に進むことが大切である。
  • PLC理論の成長期から成熟期に競合会社より早く駆け上がるという考え方・戦略は間違っていない。成長期の最後の方から、商品の価格が安くなることで、お客の数が一気に増えて、一方でシェアが高い会社名は市場で知れ渡るようになり、港北費もかからなくなる。しかも、新規の競合会社が参入してくることもなく、その時こそ、急激に儲かる。本来は、ここで儲かったお金を、差別化戦略のために新商品を開発するか、新しい事業を始めるか何かに投資すべきである。競合会社がいない、新しい市場を作り出す戦略、ブルーオーシャン戦略では、新しい市場を見つけるができれば、競争そのものが亡くなり、儲かる市場規模になるように拡大させることに専念すればいい。
  • これまでBtoCであったものをBtoBにすることで新しい市場を作り出すことができる。BtoB成功の秘訣は ①お客の目的を達成するお手伝いをして、利益を増やしてあげる ②お客の知識は豊富なので、ノウハウの提案を惜しまない ③意思決定に時間がかかるのでタイミングを外さない。
  • お客は、突然現れた新しい商品で、なおかつシンプルなビジネスモデルの方に心を奪われていまう。まして、同じ商品に比べて価格も安く、サービスも充実していれば、お客の心を取り戻すことっ不可能に近い。予想もしないところから競合他社が突然現れても、目の前のお客への対応に追われている会社ほどその参入に気づかないものだ。だから、どんな会社でもイノベーションのジレンマを回避することはできない。
  • 最初から完璧な商品を作ろうとしないことだ。そこに時間とコストをかけてはいけない。しかも完璧な商品を作ってしまうとそれにかけた時間とコストを回収しようとして、その商品を売ることに固執してしまう。先ずは完璧じゃない商品でもよいので売ってみること、それで売れなければすぐに捨てて、次の新しい商品を開発することだ。新商品を作るときには、過去のデータから何が売れ筋化を予測し、さらに新商品の売れ行きから、その予測を修正していく。

マーケティング戦略にとって重要なことは、3C分析の3つのC、市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)をバランスよくとらえなおしたうえで、「私たちの商品やサービスを本当に喜んでくれるお客様は誰か?」「商品やサービスの特徴をどのように表現すれば、お客様に響くのか?」「そのためには、どんな方法をとるのがいいのか?」について考えを深めていくことです。こうしたことが、この本を読めばおもしろおかしく笑いながら身につくように思います。

休日の本棚 戦略課長

おはようございます。

今日も過去に紹介した本のブログを貼り付けます。

今日は、竹内謙礼・青木寿幸著「戦略課長」(PHP文庫)を紹介します。これはベストセラー「会計天国」「猿の部長」の著者による投資戦略ノベルです。「会計天国」は会計ノベル、「猿野部長」は営業戦略ノベルで、いずれも笑いと涙の中で、経営戦略や会計の基本が学べます。

この小説の舞台は、事なかれ主義で経営が悪化した上場企業ホリディ産業、経営悪化を立て直すためにメインバンクから取締役として送り込まれてきたのはロボットです。

予算5000万円の新規事業を任された新米課長・道明美穂は、ロボット取締役から作ったばかりの事業計画書の作り直しを命ぜられます。道明はこの事業を成功させ、ホリディ産業の業績を上げることができるのか、さらに恋人・吾郎との恋の行方は? 経営戦略の立て方から株や不動産投資まで、道明がロボット取締役から教えを乞う形で分かりやすく書かれている投資戦略ノベルです。面白く読みながら基本的な知識を身につけることができます。

小説なので、ネタバレにならない範囲で、紹介します。

各章は次のような構成です。

序章 「新しい上司の名前はロボット」

第1章 自分の夢をビジネスで実現しようとするなー新規事業を成功させる3つの戦略

第2章 寝ていても儲かる、株の投資話ーポートフォリオを使えば、事業リスクは減らせる

第3章 ハイリスクでもハイリターンとは限らないー事業を拡大するお金を上手に調達する方法

第4章 売上が上がらないものには、価値がないー賃料を上げて不動産投資を成功させる方法

第5章 運に任せた人生は、努力の効率が悪いー戦略を理解できれば、人生の勝者に慣れる

各章から、いくつか役立つポイントを列挙します。

  • 現実の成果が、事業計画書通りに進むことの方が珍しい。でも、その事業計画書をよく練って作り、途中で修正しているのに、ことごとく事業が失敗している場合には、何かしら「事業計画書の作り方」に大きな問題があると考えるべきだろう。そのような事業計画書は根本的に間違っているから、新しく作り直すしかない。
  • 複数の新規事業を比べるための事業計画書では、過去に投資したことで発生している、本社と工場の固定費を配分する必要はない。過去に投資した、本社と工場の固定費が、将来のキャッシュフローを生み出すわけではないから、「営業利益」を比較して、新規事業への投資の判断をするということはそもそも間違いだ。
  • まず、経営戦略を作って、それを数字に落とし込んでいくのが、事業計画書の正しい作り方だ。経営戦略とは、他社に勝つための競争戦略から、マーケティング戦略、財務戦略、IT戦略、人事戦略まで、すべてを総称する言葉になる。ただ、決められた予算の中で事業計画を作ることだけに絞れば競争戦略だけ分かればいい。競争戦略には、コストリーダーシップ戦略差別化戦略集中戦略の3つの方法がある。2つ以上の戦略をやろうとすると、絶対に中途半端に終わる。ビジネスでは「選択と集中」によって「やることを決める」のではなく、「やらないことを決める」のが重要だ。すべての企業が競合会社に勝つために、この戦略のうち、どれを選択すべきかを真剣に日々考えている。もし、戦略を間違えれば、競合会社に勝てないし、一度始めた戦略をすぐに変えるのも失敗の原因になる。
  • 事業計画書は目の前の目標だけでなく、遠い将来の目標を達成するための道のりも考えなくてはいけない。1店舗のとき、5店舗のとき、20店舗のとき、100店舗のときの経営戦略は変わっていくはずだ。それを今から決めておけば、行き当たりばったりの運に任せた経営になったり、何をやるべきか迷ったりすることがなくなる。もちろん、現実は計画とは違ってくるから、随時、修正していくことにはなる。
  • 必ず儲かる株なんてない。プロが薦める儲かる株の話は、参考にするのはいいが鵜呑みにしてはいけない。ポートフォリオを使って分散投資すれば、リターンは変わらず、リスクだけを減らすことができる。
  • どの株が儲かるかではなく、投資の理論を学ぶことは悪いことではない。ただ、その理論に全面的に従うのではなく、自分だけの投資術を編み出さなければならない。ビジネスでも、プロの経営コンサルタントの話を聞いて自分なりに工夫しなければ儲からない。その工夫が、さらに競争を激しくして、すぐには儲からないぐらい市場が効率的になっているからこそ、お客にとっては便利なものになる。それで、さらに新しいお客を取り込むことができれば、市場が拡がる。競争することで新しいチャンスが生まれ、みんなの生活も良くなる。
  • 戦略なき投資は失敗する。株式投資のポイントは、①個別の株であっても同じ動きをしない業種を選んで分散投資する。②証券会社の手数料など無駄なコストはできるだけ小さくする。③株価の短期的な動きに反応せず、会社の実力が反映される長期間で予想する。
  • どんなに思い入れがる商品でも、それと距離を置いて、客観的に売れない理由を考えなくてはいけない。その結果、商品のデザインや機能を大幅に作り変える必要があるかもしれない。情熱をもって仕事をすることと、熱くなってしまうことは違う。これは部下との関係でも同じだ。上司としての経験が少ないと、部下の態度に向かっとして、すぐに感情的に怒ってしまうことがある。ただ、大きな声を出しても部下はロボットじゃないから、思い通りに動くはずがない。それよりも、自分が変わらなくてはいけない部分もあるのではと、上司は冷静に反省すべきなんだ。
  • いつでも、自分が取っているリスクは「リターンに結びついているのか」ということを考えなくてはいけない。リターンに反映するリスクであれば、怖がらずにとることが、新しいチャンスを生むことになる。
  • 不動産投資のポイントは、①不動産の投資では税金を無視することはできない。②不動産のリスクは、それ自体だけではなく、仕組みにもある。③不動産には、リターンに見合わない固有のリスクがある。
  • 経済成長しない今の日本では、過去の考え方に囚われない企画力で、新しい商品とサービスを作って、お客に自分が欲しいものを気づかせてあげる能力が必要なのだ。お客の心を揺らす企画によって、新しい需要を生み出すことができる。しかし、いきなり新しい企画が湧いてくるはずはない。過去の知識と経験の積み重ねから生まれる。しかし、経験が豊富なプロは冷静な判断をすることができる反面、自信過剰になり人の意見を聞き入れない態度や新しい情報を受け付けなくなる。過去の成功経験が邪魔をすることもある。経験がどれほど豊富でも謙虚さは必要だ。
  • 経済がずっと成長している時代であれば、会社の売上も伸び続けるので、年功序列の給与制度でもよかったが、今の時代に年功序列の給与制度は合わない。企画力は年齢とは関係ないからだ。もちろん、完全な成果主義がよいというわけではない。会社は組織であり、分業体制であるから、社員一人ですべての仕事を完結させて成果を上げることはできない。みんなと協力して、自分の役割を果たすことが利益につながっている。どこの企業も、両方をうまく融合させて、基本の給料は低額で、賞与だけを成果主義にしたり、社内ベンチャー制度を作ったり、子会社化したりして、試行錯誤しながら、給与制度を決めている。
  • 人間は、①一部の意見を代表的な考え方だと勘違いしてしまう。②自分の意見と同じものは過大評価して正しいと判断してしまう。③最初に聞いた意見が強い影響力を持ち、他の意見を素直に聞けない。という3つに引っ張られて、結論を急いでしまう傾向にある。そして、急いだことが原因で不合理な結論を導いてしまうことがある。いつでも自分の頭で考える癖をつけることが重要である。いつでも突っ込んで考えることで、本当に必要な情報を絞り込み、時間がかかってもそれを収集し、自分で実践してみて一番良いと思う方法を選ばなければならない。
  • ほとんど使わないものに経営資源を投入してはいけない。例えば、新しい機能をつけて売れたとする。その機能を付けたことで売れた印象が強いと、その先も削る必要がないと自動的に思い込んでしまう。しかし、新たな機能をつけるときにお客にとって価値が小さくなった古い機能は削るべきだ。それによって製造コストを下げたり、代わりに新しいサービスを増やしたりする方がいい。いつでも、今まで取ってきた戦略が正しかったかを見直さなければならない。戦略がうまくいっている時こそ、やるべきだ。戦略を見直す戦略も必要ということだ。

この小説のエピローグの次のような言葉が載っています。

 ビジネスでも、出世争いでも、株や不動産でも、恋愛でも、投資を成功させるためには、自分の頭で考えて作った戦略が必要となる。ロボットは最後に、いつでも、その戦略を見直さなければならないことを教えてくれた。「戦略を見直す」とは、過去にとらわれずに、環境の変化に合わせて、「自分の考え方を変えろ」ということなのだ。それにはリスクがあるし、絶対に成功するとは限らない。それでも自分が変わらなければ、お客だって、上司だって、部下だって、恋人だって、変わってくれないのだ。

マルチタスク管理手法とスケジューリング

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けます。

コロナ禍で仕事が多忙になっている人は多いと思います。「業務量が多いから仕方がない」「残業してやるしかない」と思っている人も多いでしょう。

どれだけ業務量が多くても、業務が進捗するようになり、業務効率が上がり生産性が高まる方法がある」として、「誰でもが10分程度で実施できる業務効率を上げる方法」が紹介されています。

1.マルチタスク管理手法

  • マルチタスク管理手法では、まず自分自身が手足を動かして実施しなければならない業務を書き出す。
  • 業務を書き出したら、その日に実施しなくてもよい業務を除ける。
  • 残った業務の中で、ほかの人に依頼できる業務があればそれを選ぶ。
  • その日に実施しなくてもよい業務と、ほかの人に依頼できる業務を除いた残りが、今日やらなくてはならない業務ということになる。

 その日に実施しなくてもよい業務を選ぶということは、何もその業務を永遠にやらないということではありません。実施すべき時に適切に処理するということです。

 その日に実施すべき業務を明確にするということが業務効率を上げることに役立つということは明らかです。

2.アクションプランニング手法

 マルチタスク管理手法で残った業務が、その日に自分の手足を動かして実施しなければならない業務ですが、その業務を手当たり次第思いつくままにやればいいということではありません。その日にやらなければならない業務の優先順位付けをすることから始めます。

  • 残った業務について、その重要度に応じて、大・中・小を記入する。
  • 次に、緊急度に応じて、大・中・小を記入する。
  • 重要度が大で緊急度も大の業務から始める。

 重要度と緊急度は異なるので、その両方から判断することで、あいまいさを排除できることになります。

 大事なことは「優先順位をつける」と考えることではなく、「その日にやらなくてもよい業務を除ける」「他の人に依頼できる業務を選ぶ」「重要度の大・中・小を見極める」「緊急度の大・中・小を見極める」と分解した行動をとることです。

3.業務効率が上がるスケジューリングを

 仕事のモチベーションファクターに合わせて、自分の意識を切り替えたり、相手のモチベーションを踏まえて指示の仕方を変えたりしていけば、モチベーションが上がり、パフォーマンスが向上します。

 業務効率の高い人は、業務のスケジューリングをするにあたり、さまざまな工夫をしています。

 この記事では、業務のスケジューリングの工夫例として、次のようなものが挙げられています。

  • 類似業務や関連業務は、同じ時間帯や連続する時間帯で実施する
  • 移動しながら処理する、面談時に合わせて確認するなど、できることは同時に実施する
  • 社外相手、社内相手の仕事、序文でする仕事の順に優先順位をつける
  • 重要度、緊急度、貢献度の観点から業務の優先順位をつける
  • メールはタイトルを見て、重要度の高そうな順から本文を読む
  • 締切を後ろ倒しにできるか検討したり、交渉したりする
  • 他のメンバーや部下に依頼できることは依頼する
  • 上司に依頼できることは依頼する
  • 当該期間に実施しなくてよいことは、実施しないという判断をする

単に漠然と優先順位を考えるというのではなく、まずは当日にやるべきことを選び出して、その業務に重要度・救急度・貢献度で順位をつけて、やるべきことを決めて実施していくという方法は有益だと思います。漠然と考えるのではなく、細かく行動を起こすことです。参考にしてください。 

仕事は早く、生産性を上げる

おはようございます。

コロナ感染者が増えてきています。第8波の先駆けのように言われていますが、感染拡大しやすい冬や年末に向け、各人が気をつけるしかありません。

今日も過去のブログを貼り付けておきます。

2019年の日本の時間当たり労働生産性は47.9ドルで、主要7か国(米・独・仏・英・伊・加・日)で1970年以降最下位の状態が続いています。生産性向上は日本企業にとって最大の課題です。日本の生産性の低さを中小企業に求めるデヴィッド・アトキンソンやそれに追随する政治家の主張は間違いで、大企業の側に問題があることは、これまで何度も指摘してきました。今日は、そうしたこととは関係なく、「生産性を上げる」「仕事を早める」ためにはどうすればいいのかについて、考えます。

1.仕事をする目的意識の欠如が生産性を下げる

 前述のように、世界的に見て日本企業の「生産性の低さ」が問題視されていますが、その要因について、次の2つが挙げられます。

  1. 無駄が多い・・・例えば長時間の会議、始まるまでに余計な話をして時間がかかるうえ、会議そのものも長い。
  2. 「何のために仕事をしているのか」という意識が欠けている・・・出世を意識して上司の機嫌を取ることばかり考えている人など

 出世を意識するなら、上司の機嫌を取ることではなく「上司を追い抜くにはどうすべきか」を考えた方がいいのです。「上司以上の成果を上げて、上司を追い抜いてやる」という風に意識すれば、必然的に仕事へのモチベーションも上がり、できる限り無駄を排除して最大の成果を上げる、つまり生産性が向上します。

 問題は、部下がこのような意識を持つようにするにはどうすべきかということです。上司の機嫌を取る必要がなく、自ら積極的に仕事に取り組める社内環境、仕組みを構築することが必要ですし、それこそ、マネジメントでありマネージャーの仕事です。

2.自動化できることは限界まで自動化する

 部下は、上司から任された仕事をこなすことが求められます。上司を追い抜くにはそれだけでは足りず、限られた時間の中でより多くの成果を上げなければなりませんし、そのために「やるべき仕事、やりたい仕事のプロセスに自動化できるものはないか」という意識が必要です。

 もちろん、業種や職種によって自動化できる仕事には限界がありますが、自動化できるところはその限界まで自動化することを考えることが大切です。そのために「仕事を早めて自動化できる最新のツールは何でも試してみること」です。今や、仕事を早めてくれるツールはどんどん生まれています。少々お金がかかっても、そのツールを使って仕事が自動化できて生産性が高められるなら、そのコストはすぐにペイできるはずです。

3.メールの即返信し、睡眠を中心にスケジュールを立てる

 この記事では「メールがきたら即返信」と言っています。しかし、人それぞれ、職種や業務によっても異なると思います。集中力を必要とする作業ならばメールを読み返信する度に集中力が殺がれてしまいます。休憩時間を決め「メール作業は〇時間ごと」という風にした方がよいと思います。営業など顧客や取引先とやり取りが中心となる仕事の場合には、「即返信スタイル」が妥当です。1日の数十通、100通を超えるメールが届くビジネスパーソンなら「あとでまとめて返信しよう」というのでは時間が無くなりますし、返信忘れも出てきます。この場合にはメールが届いたら即返信することで「勢い」が生まれます。

 しかし、「勢い」に任せて睡眠時間を削ってはいけません。若いうちは徹夜で仕事ができるかもしれませんが、年を取ると長時間仕事をすることは困難になります。長時間労働はかえって生産性を低下させます。生産性を高めるにはベストコンディションを保つことが重要なのです。仕事や遊びを優先して残った時間に寝るのではなく、「睡眠時間を確保してスケジュールを立てる習慣」を身につけることが大切です。

4.ゴールを知ることなしに、仕事はできない

 仕事そのものの無駄を省いてスピードを上げるために重要となるのは、まず「ゴール」を知ることです。「何をつくるのかというゴールが決まっていなければ料理ができない」のと同じです。何をつくるのかというゴールが決まれば、必要な材料、道具、やるべき作業は見えてきます。そうなれば、「無駄な作業工程はないか」とさらなる時短のための方策を考えることができます。

 料理の場合、何をつくるかというゴールを決めないで料理に取り掛かる人はいないでしょうが、仕事となるとゴールを決めないまま作業をスタートさせる人が意外に多いのです。ゴールが分からないまま始めた仕事が評価されることはありません。

 一方で、「最初から完璧を目指そう」とする人も意外といます。そうした人ほど、本人だけが完璧と思っているのです。上司に相談することなく自分だけが完璧だと思った企画書を準備する、しかし内容は全く見当違いのものになっているというケースです。誰もカレーを食べたいと思っていないのにカレーを作っているようなものです。

 2割、3割出来た段階で上司に相談すればいいのです。その時「面白そうだ」と言われればそのまま進めればいいですが、「ちょっと違う」と言われれば修正するか別の企画を考える必要があります。仕事というのは、どのようなものであれ個人プレーではありません。チームプレーです。会社や上司が求めるものを把握しないまま進めても評価されませんし、ムダな仕事に無駄な労力を注ぐことになってしまいます。上司に相談し軌道修正を行いながら進めることで、無駄な時間や労力を避けることができます。しっかりとゴールを把握したうえで、途中で評価や意見をもらいながらゴールを目指す方がスピードもクオリティも上がります。

5.リモートワークにおいて生産性を上げるには

 リモートワークでも、チャットなどでどんどん相談すればいいのです。逐一相談したり報告したりする部下に嫌悪感を抱く上司はほとんどいません。むしろ、何の相談もなく見当違いの仕事をされる方が迷惑です。

 この記事は、「生産性を上げるために環境を整えることはそれほど重要ではない」と言います。テレワーク、在宅勤務になり、デスクや椅子を自宅に買いそろえそうと考え、実際購入した人も多いでしょう。今は決まった環境で仕事をする時代ではありません。オフィス・自宅・コワーキングスペースサテライトオフィス・喫茶店など、さまざまな場所で仕事をしなければならない時代です。そのたびに「仕事がやりにくい」などと思っていては、仕事がはかどらず、生産性が上がるはずもありません。どのような場所や環境でも、バリバリと仕事ができる人が求められているのです。

即断即決、即実行!

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けます。

いまは、企業や社会を取り巻く環境が大きく変化し、何が正解か先行きが見通せないVUCAの時代と言われています。こうした時代だからこそ、今まで以上に素早い決断と行動が求められます。「何が正解かわからないので、何から手を付けていいかわからない」「失敗したらどうしよう」と悩んで手をこまねくのもわかります。しかし、行動するしかありません。行動を起こさない限り、何も始まりません。

この記事は、誰でも「即断即決、即実行」できるようになる効果的なコツをまとめた赤羽雄二著「ゼロ秒思考[行動編]」をベースに書かれています。

1.「即断即決、則実行」できない理由

 この記事では、「即断即決、即実行」を「意思決定をぐずぐず先延ばしせず、その場で決めて、即座に行動に移すこと」と定義しています。

 多くの人は、この「即断即決、即実行」ができないのです。その理由には

  • どうしていいかわからない
  • 本当はわかっているが直視したくない

の2つがあります。

 「どうしていいかわからない」というのは、何が大事か、何を見てどう決めていいのかもわからないので方向性を決められないということです。しかし、分からなければ人に聞いて議論をすれば、ある程度方向性はつかめるはずです。この記事では、多くの場合、わかるのが怖いからわかろうとする努力に踏み切れないだけではないか、と言っています。

 「本当はわかっているのに直視したくない」というのは、「何もしない方が楽だから目をつぶっている」ということです。直視したくないからと言って、目をそらせ何もしなければ、ずるずると遅れ、後は後悔だけが残ります。

 どちらの場合も、何もしなければ、事態はさらに悪化するだけです。

2.ためらいや迷いは時間の無駄

 「どうしていいかわからない」は「即断即決」に、「本当は分かっているが直視したくない」は「即実行」に関わります。

 この記事では、「本当の武器を持って戦う戦場では、いくつ命があっても足りない」と言っています。ビジネスの舞台も戦場です。確かにリアルの戦場とは違い、その場で即命が取られることはあまりありませんが、徐々にダメージが積み重なり、気が付いたときには手遅れという状況になってしまいます。

 検討して時間がかかることと、いつまでも決定を引き延ばすことは、全く違います。ためらい、迷い、躊躇、逡巡はほとんど価値はなく、時間の無駄です。

 即断即決、即実行によって検討を深め、スピードを落とさずに前進していくことこそが大事です。

3.優秀な人は「即断即決、即実行」が習慣になっている

 優れたリーダーは、「即断即決、即実行」に長けています。ほとんど躊躇することはありません。明確なビジョンを持ち、全体を常に見渡し、状況が変わっても「即断即決、即実行」ができます。そして、間違っていることに気づけば、即軌道修正できるのです。

4.先手を打つことで好循環が生まれる

 例えばある案件が持ち込まれたとします。何か月もかけて検討していたのでは、いい案件は他の会社に横取りされてしまいます。時間の猶予があればいいのですが、経営というものは時間の余裕はありません。トップは早く決断しなければならないことがほとんどです。

 即断即決、即実行した会社や経営者には、多くの場合、先手を打ったことによる好循環が生まれます。早く動いたことで早く良い情報が集まり、その結果良い判断ができ、強力なパートナーを得て、好条件で事業を進めることができます。事業展開も加速します。良いサイクルができれば、後はそれが自然と回っていくのです。

5.「即断即決」と「猪突猛進」は別物

 「即断即決」と「猪突猛進」は違います。「猪突猛進」は「周囲の人や状況のことを考えずに、1つのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと」で、前しか見ないし、落とし穴にも気付かないといった状態です。全体観も柔軟性もありません。

 今どのような状況にあるのか、全体像はどうなっているのか、どういう選択肢があるのか、その選択肢のメリット・デメリットを比較するとどうなるのか、こうしたことを全部把握したうえで最も良いものを即時に選択するのが、「即断即決」です。

 もちろん、前へ進むと決めたら、迷わずに全力で目の前の壁を乗り越えることに集中すべきです。しかし、全力で走りながらも周囲に注意を払い続けることが必要です。がむしゃらに前へ突き進む「猪突猛進」とは違うのです。 即断即決、即実行で、この混迷の時代を生き残りましょう。

部下の正しい叱り方

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けます。

部下を育てるためには「認めて、任せて、褒める」ということが重要ですが、何でも褒めればいいわけではなく、大きなミスをしでかした時には叱ることも必要ですし、時には突き放すことも大切です。しかし、間違った叱り方をしたのでは、部下のやる気をそぎ、上司に対する不満を爆発させます。またひどい場合はパワハラモラハラになってしまいます。

人を叱るときや注意するときにどうすればいいのでしょうか

1.相手の存在を尊重する・・・意識的に敬意を伝えること。

 叱責や指摘はどうしても「上から目下に物申す」になりがちです。高圧的な物言いや力ずくで相手の心を動かすことはできません。部下にしろ後輩であっても子供であっても、敬意をこめて接してこそ、本当の意味で一人前に育ち、自由に羽ばたいていけるようになります。

 叱るということは相手の間違いを指摘することなので、どうしても感情的になりがちで、そこに敬意を込めるのは一見難しいと思われます。

しかし、叱るにはコツがあります。そのコツを掴めば難しくありません。

2.叱る際に絶対言ってはいけないNGワード

  • 「君はダメだ」・・・相手の人格を否定しています。
  • 「君のやっていることは意味がない」・・・相手から行動の「意味」を奪っています。  

 人はどんなことであれ、自分が見出した「意味」に従って行動するものです。相手の人格を否定したり、相手の自己肯定感をずたずたにするような言動は絶対やってはいけません。

3.あなたの「叱る」に「労い」はあるか?

 この記事の言う「叱るときに敬意を込める」ポイントは、①頑張って物事に取り組んでいた相手を労うこと ②相手の意図を理解することです。

 「望ましくない事態になったけれど、君の頑張り意図は、私には通じている」ということを示すことと「自分が相手に対してどれだけ敬意と期待を抱いているか」という視点を盛り込むことです。

 叱ることが苦手な人「叱り下手」の人が増えています。また逆に叱られると直ぐにめげてしまう「叱られ下手」の人も増えています。子供の頃に甘やかされ、親や教師に叱られた経験がないということが原因かもしれません。昔化、悪いことをすると、親や教師だけでなく近所のおじさん・おばさんにこっぴどく叱られ、ときには殴られたりということもありました。別に体罰を容認するわけではありませんが、最近は叱られる機会がなくなり、よい意味での「叱られる」という経験をしない子供らが増えてきています。

 しかし、「叱る」ということと「怒る」ということとは別物です。「叱る」というのは相手のことを大事に思うからの行動であり、「怒る」は腹を立てた自分の感情を相手に向けることです。「叱る」は相手のための行動であり「怒る」は自分のための行動なのです。このように考えると、正しい叱り方が見えてきます。この記事と重なるところもありますが、私は次のように考えます。

  • 相手を自分だと思って叱る
  • ネガティブな言葉をポジティブな言葉に変えて叱る
  • すぐに、短く、一対一の対面で叱る

最近では「パワハラ」「モラハラ」というコンプライアンス意識が普及し、部下をどう叱ればよいのか悩む上司も多いのですが、いつどんな時代でも相手の将来を考え敬意をこめた叱り方ができる人が優れたリーダーであり、そうした正しい叱り方で部下は成長していくものです。