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ユニゾHD 従業員が買収へ

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おはようございます。

今日は、「ユニゾホールディングは従業員による買収を行うと発表した」というニュースを取り上げます。EBOが行われるというのは本当に珍しく、上場企業では初めてということです。

ここで、あらためてM&Aについて取り上げます。以前「ヤマダ電機と大塚家具」のところで、友好的M&Aと敵対的M&Aについて触れましたが、株式公開買付(TOB Take Over Bid )について考えてみます。

TOBとはある会社の支配権の取得・強化を目指して、株式市場の外でターゲット企業の不特定多数の株主を直接相手に、一定期間内に一定数量以上の株主を一定価格(時価を超える価格)で買い付けることを新聞等に発表して株式を大量に取得する方法です。

TOBにはいろいろな形態があります。

  1. LBO(Leveraged Buy-Out)・・・TOBに必要な資金をターゲット企業の資産や将来のキャッシュを担保に借り入れたり社債を発行したりして資金調達する方法
  2. MBO(Management Buy-Out )・・・経営陣が個人で自社の株を買収して経営権を取得する方法
  3. EBO(Employee Buy-Out)・・・経営陣ではなく従業員だけによって株式を取得して経営権を取得する方法
  4. MBI(management Buy-In)・・・中小企業の事業承継の手段として社外の第三者に自社を買い取らせて経営者として入ってきてもらう方法

今回のユニゾHDは、その中のEBOを採用しました。M&Aとしては一般的に経営陣が株式を買い取って経営権を取得するMBOが行われることが多いのですが、ユニゾHDでは経営陣の責任追及という観点からその方法をとらず従業員が株式を買い取るEBOが採用されたようです。

日本で珍しいEBOの行く末を見守りたいと思います。

しかし、従業員が自社株式を買い取り経営権をするというのは困難で、ユニゾHDにおいても米投資ファンドのローン・スターグループの支援を得て実施するということで、今後投資ファンドのローン・スター側が経営にどのようにタッチするかによってこのM&Aが成功か失敗かが明らかになるように思います。