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小泉環境相 育休取得へ

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おはようございます。

今日は、小泉環境相育児休暇取得を表明したという記事を取り上げます。

小泉進次郎環境相の育児休暇(育児休業)取得宣言には、これを機に民間でも育休取得がとりやすくなると歓迎する意見がある一方で、単なるパフォーマンスだ、人気取りだなどとの批判も相次いでいます。今必要なのは、大臣自身が育休を取得するというより、民間において育休が取得しやすくなる体制・環境をいかに作っていくかということが政治家に求められることではないでしょうか。多くの女性問題・不倫騒動、そのホテル代等を政治資金で支払ったのではないかという政治資金規制法違反などのスキャンダルを隠ぺいするための戦略と思われても仕方ありません。むしろ、小泉環境相に必要なのは、こうした疑惑に答え説明責任を果たすことです。説明責任を果たさず逃げ回るというのでは総理、幹事長、河井夫妻などの自民党政治家と全く同じ穴のムジナだということになります。将来の総理候補と期待されていますが、所詮はこの程度の人間だったということでしょうか。

こういう政治の話をするブログではないので、ここからは中小企業にとって男性の育児休業をどうすべきかという点について考えてみます。

国は、育休義務化を推進しています。しかし、現状では男性が育休を取得するのは難しいのです。これには、①育休を取得する職場環境ではない②業務が忙しく育休をとれない③昇進・給与などに影響する④育休期間給与が減少する、といった理由などが挙げられます。小泉環境相とは違うのです。国会議員は育休を取得しても全額歳費が支給されます。民間企業で育休を取得した場合、最初の半年は取得前の給与の約67%、半年以降1歳の誕生日前日までは約50%の育児休業給付金を受け取れるだけなのです。

現在は育休取得自体義務化されていませんが、条件を満たした男性従業員(1年以上雇用され、1年以内に雇用関係が終了しない労働者)が申し出た場合は企業は拒否することができません。拒否した場合には罰則規定があります。また、育休取得による不利益取り扱い(解雇・降格・減給など)を禁止しています。さらに、育休取得に基づく「マタハラ」「パタハラ」などのハラスメント防止措置を講ずるように義務付けています。中小企業においても、男性の育休取得が時代の気運だと考えて、そのための対応をとる必要があるように思います。

まずは、就業規則を改定して育休制度を導入することです。そして、育休制度の内容や男女を問わず育休取得を奨励していることを従業員に周知徹底させることです。会社が積極的に取り組むことで、職場の意識改革により育休の取りにくさが軽減するとともにハラスメント防止にもつながります。

国は育休取得の義務化を図ろうとしており、企業に対して多くの助成金制度を用意しています。助成金は返済義務はありませんし、大企業よりも中小企業が優遇されている場合もあります。ここでは厚生労働省助成金を見てみます。厚生労働省とは別に各都道府県による助成金もあります。

まず、育児に関する助成金です。育児休暇を取りたい男性社員がいる場合の両立支援等助成金(出生時両立支援コース)では、初めて男性社員に育休を取らせた場合たった5日間だけの育休でも最大72万円(大企業の場合36万円)が支給されます。また出産を控えた従業員がいる中小企業向け(中小企業だけが支援対象です)の両立支援等助成金(育児休暇等支援コース)では、「育休取得時」最大36万円、「職場復帰時」最大36万円、「代替要員確保時」最大60万円、「職場復帰後支援」制度導入で最大36万円の助成金が支給されます。また、妊娠・出産・育児を理由に退職した元従業員の復職にも両立支援等助成金(再雇用評価処遇コース)が用意され、最大36万円の助成金が支給されます。

このように中小企業向けに多くの助成金が存在しますので、これを利用して育休制度の導入を考えてみてはいかがでしょうか。育休制度の導入により企業イメージがよくなり従業員の退職も減少し人手不足といった事態を避けることができ、昨日の人手不足倒産を回避することができるのではないでしょうか。