中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

5G時代でどう変わる?

f:id:business-doctor-28:20200121085752j:plain

おはようございます。

今日は最近話題の「5G」を取り上げます。昨年末の2020年税制改正大綱で5G移動通信システムの普及を後押しするための法人税減税が主要な柱として挙げられました。2020年が5G時代の幕開けとなるように国を挙げて取り組む姿勢を示したものでこの点は良いことです。しかし、昨日のニュースで、総務省光ファイバー回線維持のために負担金制度の設置を検討しているというのです。日本では5G商業化はまだ始まっていませんが、アメリカでは2018年に、中国・ヨーロッパでは2019年にすでに5G商業化が開始され、中東・オセアニア・東南アジア・アフリカでも5Gの実証や導入が公表されています。こうした中、日本は本当に遅れています。国際競争力を培い遅れを取り戻すために国が全面的にバックアップして官民一体として取り組まなければならない課題なのです。それなのに、金をむしり取ることしか考えない政治家や官僚の愚かしさにはあきれるばかりです。このままでは日本は国際社会の流れに取り残されて、近い将来「後進国」になってしまいます。このことを憂いています。加谷珪一著「日本はもはや『後進国』」という本もありますが。

「5G」とは、第5世代(5th Generation)移動通信システムのことです。現在のスマートフォンが第4世代に位置付けられ、5Gはその先にあるものです。①高速・大容量②超低遅延③同時・多接続を実現し、社会のスマート化をけん引していくインフラ技術として期待されています。「高速・大容量」によって、4K,8Kという高解像度の動画配信が可能となりますし、人物の特定や認証の精度も格段にアップし、大量に蓄積した画像をAIを用い解析することで不審者の動きを察知し防犯にも役立つと言われています。「超低遅延」によって、使用者がタイムラグを意識せず遠隔地から自動車、機械やロボットなどを運転、制御できるようになります。「同時・多接続」では、PCやスマートフォンだけでなく身の回りのあらゆるものがネット接続できるようになります。今後は、世界中で、IoT(モノのインターネット)化が進み、家電や交通機関、自動運転、VR(仮想現実)に至るまで、われわれを取り巻くほとんどのものがインターネットと接続される状況になります。われわれの生活は大きく変わります。5Gが普及するとまるでSFのような生活が訪れます。すべての電子機器がインターネットに接続され自動運転車が街を走り渋滞もなければ事故もない。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)によって家にいながらライブ感覚でスポーツ観戦や舞台鑑賞ができ、料理はプロがインターネットで指導、子供は学校に行かなくても授業が受けられ、防犯センサーが不審者を素早く検知し警察に通報する、病院に行かなくても遠隔操作で受診できる。IoTと接続されるインターネットを使ったサービス(XaaS) だけでなく、介護ロボットを使ったサービス(RaaS)も生まれます。変化するのはわれわれの生活だけではありません。

総務省は5Gの経済効果を試算し46.8兆円と予測しています。これまでの1G~4Gまではその範囲が通信分野にとどまったためにそれ程大きな経済効果はありませんでしたが、5Gは通信のみならずあらゆる分野に波及するため、とてつもなく大きな経済効果が期待できるのです。大企業だけでなく中小企業にも多くの経済効果がもたらされます。

通信だけでなく、マーケティングや広告、エンターテインメント、教育、医療、観光、交通機関などあらゆる分野でイノベーションを引き起こします。5Gを活用したスマートハウス、スマートファクトリー、スマートシティなどで多くのビジネスチャンスが生まれると言われています。5Gの活用によって、①交通・物流②医療・介護③セキュリティ④製造業⑤建築・土木⑥農業⑦流通⑧観光⑨金融、あらゆる分野で未来は変わります。いくつか例を挙げますと、5Gの導入でAIが活躍するスマートファクトリーでは遠隔操作により工場の少人数化が図られ人件費の削減や人員不足の解消に役立ちますし、5Gの導入でドローンからの映像をもとに大型重機などを遠隔操作することによって人が入り込めないような場所での工事・建設・土木が可能になります。

自社の事業の中に5Gを使った新たなビジネスの芽があるはずです。それを見つけてそれをビジネスチャンスとすべき時代なのかもしれません。

しかし5Gは明るく輝かしい未来ばかりではありません。あらゆる電子機器のIot化が進むことで、昨日お話ししたサイバー攻撃の危険が増大します。サイバー攻撃の被害も甚大なものになります。5G導入に当たっては今まで以上にセキュリティ対策を強固にしなければなりません。また、4G時代以上に高精度の画像やインターネットから吸い上げられる個人情報は大量になり、情報漏洩の危険はさらに高まります。企業も個人情報の漏洩にも気を付けなければならないことは言うまでもありません。