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休日の本棚 宇宙の誕生と終焉

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おはようございます。

先日来、生命の誕生、進化論についての本の紹介をしてきました。

2月10日(日本時間)に欧州宇宙機関(ESA)と米航空宇宙局(NASA)による太陽探査機「ソーラー・オービター」が打ち上げられ、太陽系の成り立ちを解き明かす手がかりが得られると期待されています。そこで、今回は宇宙の誕生と終焉に関する本を紹介します。

まずは、松原隆彦著「宇宙の誕生と終焉」(SBクリエイティヴ)です。この本は副題として「最新理論で解き明かす!138億年の宇宙の歴史とその未来」とあるように、「宇宙の始まりはどうだったのか?」から、「地球や太陽系、はては宇宙自体はどのように終わりを迎えるのか?」まで、宇宙の誕生型終焉までをストーリー仕立てにしてわかりやすく解説してくれている本です。

宇宙は今から約138億年前に量子的な(10の‐29乗メートル)ミクロの泡のような状態で生まれました。この初期の宇宙は高温高密度の火の玉宇宙で、宇宙の初期段階(宇宙誕生から10の‐36乗秒後)にインフレーションと呼ばれる爆発的な膨張の段階を経て、指数関数的に膨張します。インフレーションが終わると(宇宙誕生から1秒にも満たない)、ビッグバーン理論で考えられていた緩やかな膨張が始まります。宇宙は現在も膨張し続けています。

初期の宇宙は高温高密度で、ほぼ一様でした。粒子は相互作用し、出現しては消滅しましたが、粒子の密度と振る舞いは同じでした。宇宙が膨張すると宇宙は徐々に冷えていきます。宇宙が膨張するにつれ放射と物質はともに希薄となり、それぞれのエネルギー密度も薄まります。物質が宇宙のエネルギー密度の大半を占めるようになると物質の収縮が始まります。かたや重力が物質を引き寄せ、かたや放射が物質を押しやるということになり、重力で結び合わされた天体が生まれるのです。こうして、恒星、銀河、銀河団が出現します。 

今から約46億年前、宇宙年齢が92億年頃に、天の川銀座のはずれに太陽系ができます。太陽系が誕生する前からあった星々から水素、ヘリウム、その他多様な元素が放出され、宇宙空間を漂う星間物質は原子や分子でできたガス、細かなチリ状の粒子で成り立っています。近くで超新星爆発が起きて衝撃波がやってくると星間物質が集められ星間雲と呼ばれる構造になります。星間雲は重力の作用で集まり、中心部に最も多くの物質が集まり、それが太陽になります。太陽の中心部で水素をヘリウムにする核融合反応が始まり、太陽が輝きだすのです。物質の99.8%は太陽に取り込まれますが、残されたわずかな物質が太陽の周りに円盤状に広がって回転し、この原始惑星系円盤は回転しながらもお互いの重力で引き合いいくつもの小さな塊となり、この塊が衝突を繰り返し大きな塊となって8つの惑星となったのです。その一つが地球です。地球の岩石ができたのは今から約40億年前になります。

約35億年前に地球上に細菌のような生命が誕生します。先日もダーウィン自然淘汰と突然変異だけでは進化を説明できないという話に触れましたが、自己複製する生命体が環境に適応しながら進化してきたのです。地球が温暖化すると、生命の進化が加速的に進み、約5億5000万年前にカンブリア爆発という大進化があり生物の種が爆発的に増加します。約2億3000万年前に恐竜が誕生しますが、約6600万年前にメキシコユカタン半島へ巨大隕石(彗星)が衝突し、恐竜を含めた生物の約7割近くが絶滅します。この後、生き残ったネズミなどの小型哺乳類の爆発的進化が始まり、哺乳類が恐竜にとって代わることになります。約500万年前にアフリカで類人猿から分化して猿人が生まれ、約250万年前に原人が現れ、約23万年前にネアンデルタール人が現れ、約20万年前に現代人の祖先であるホモ・サピエンスが誕生するのです。

では、地球はいつ終わりを迎えるのでしょうか。太陽は永遠の存在ではありません。太陽は中心部で起きている核融合反応によって輝いています。この太陽がこの先どのような運命をたどるかは物理学によって比較的正確に予測できると言います。それによれば、太陽の核融合反応の燃料である水素の量が徐々に減っています。水素が減ってヘリウムが増えると太陽の中心部が徐々に収縮して明るくなります。太陽は生まれてから少しずつ明るくなり続けています。10万年規模でみると地球は温暖化と寒冷化を繰り返していますが、10億年規模でみると地球は温暖化に向かっていて約10億年後には地球の気温は摂氏100度以上となります。そうなると液体の水は存在せず、生命が生きていくのは困難となります。また、今から55億年後には太陽の中心部の水素が燃え尽き、太陽は大きく膨らみ赤色巨星という種類の星になります。これによって地球は太陽に飲み込まれる可能性が出てきます。いずれにせよこの時には地球上に生命体は存在しないでしょう。

また、人類の滅亡について考えた場合、ゴットの推論法というもので測定すれば、人類の文明が終わりを告げるのは、77年後から12万年後までの範囲に95%の確度で入っているというのです。77年後に人類の文明が終わるとすれば、それは破滅的な終わり方、人類が地球環境を破滅させたことによるのでしょう。

人類はこれから反映するのか、それとも滅亡するのか、人口爆発の危機、核戦争へのシナリオ、増大し続けるテロの恐怖、AIの脅威、気候変動リスクなど、ディベート方式で書かれた本がスティーブン・ピンカー、マルコム・グラッドウェル、マット・リドレー他著「人類は絶滅を逃れられるのか」(ダイヤモンド社)です。人類の未来を悲観的にみるか楽観的にみるかは人それぞれですが、気候温暖化という現状をみると早急に手を打たないと取り返しがつかないように思います。

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