中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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休日の本棚 チーズはどこへ消えた?

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おはようございます。

新型コロナウイルスの経済対策としての現金給付案ができたようです。新型コロナの影響で大幅な収入減の世帯に自己申告制で1世帯30万円支給ということですが、不公平感が半端ありません。世帯単位と言っても1人世帯もあれば、5,6人世帯もあります。大幅な収入減と言っても年収2000万円の世帯が半減するのと年収300万円の世帯が200万円になるのとどちらを救済すべきでしょうか。自己申告制と言っても書類をそろえたり役所に行ったりしなければそこでクラスターができて感染が広がればどうするのでしょうか。自己申告で審査となれば時間がかかり迅速性が損なわれます。何度も言うようですが一律給付でしょう。野党も一律給付と言い、ネットでも一律給付の声が大半ですがこうした国民の声は政府に届かないのでしょうか。

スピードという点からすれば、全員に一律給付し、富裕層からは所得税・住民税の調整で後から回収すればいいのです。

新型コロナのニュース・話題でストレスが溜まります。多くの方が新型コロナのためにストレスを感じています。気分転換が必要です。

今日は新型コロナウイルスの話題はこれくらいにします。本の紹介です。

スペンサー・ジョンソン著「チーズはどこへ消えた?」(扶桑社)を紹介します。全米のみならず世界の各国でベストセラーになった名著です。著者のスペンサー氏は医学博士で心理学者です。総数94頁という短い物語に登場するのは、2匹のネズミと2人の小人です。この2匹と2人は「迷路」の中に住み「チーズ」を探します。ごくシンプルな内容ですが、「絶え間なく起こる変化にどのように対応すればよいのか」人間関係・恋愛・結婚・仕事・友人・家族というあらゆる変化に対処するヒントを与えてくれ、人生を豊かなものにしてくれる本です。

「スニッフ」と「スカリー」という2匹のネズミ、「ヘム」と「ホー」という2人の小人が「迷路」の中で「チーズ」を探します。この2匹と2人は、私たちの中にある単純さと複雑さを表しています。スニッフのように、いち早くチャンスをかぎつけることもあるし、スカリーのようにすぐに行動に移すこともあるし、ヘムのようにさらにまずいことにならないかと怯えて変化を求めず逆に変化に逆らうこともあるし、ホーのようにもっと良いことがあるに違いないとうまく変化に乗ろうとすることもあります。私たちがどのような行動をとろうとも、迷路の中で自分の道を見つけ、時代の変化の中で、望みを達成しなければならないのです。「チーズ」とは「私たちが人生で求めるもの=仕事、家族、財産、健康、精神的安定などの象徴」で、「迷路」とは「チーズを求める場所=会社、地域社会、家庭などの象徴」です。

2匹のネズミと2人の小人は、毎日駆け回り大量のチーズが保管されているチーズステイションCを発見します。2匹のネズミは頭を使う能力がなく、毎朝早く家を出てチーズステーションCにチーズを取りに来ます。2人の小人は頭を使いチーズステーションCの近くに引っ越し、朝起きはせず昼過ぎに起きてチーズを取りに向かいます。ある日、チーズステーションCのチーズがなくなります。これは、2匹のネズミと2人の小人が毎日食べていたのでなくなってしまったのです。これからが2匹のネズミと2人の小人の行動が違ってきます。

2匹のネズミは、元の生活に戻ったかのようにチーズを探し迷路を駆け回ります。そして新しいチーズの保管場所であるチーズステーションNを発見します。

一方、2人の小人はというと「チーズはどこへ消えた?」「こんなことがあっていいわけはない」と叫び、チーズが戻ってくるのではないかと毎日チーズステーションCに確認に行くようになります。チーズが手に入らない中で、ホーは悩み抜いたうえでようやく新しいチーズを探すべくチーズステーションCを離れる決意をします。「人生は進んでいく。ぼくらも進まなくてはならない」「いよいよ迷路への出発だ!」とヘムに言い残して迷路へと駆け出していきます。ヘムはチーズステーションCから離れられなくなっていたのです。

ホーは、チーズステーションCを飛び出した当初は、不安や恐怖をかんじます。しかしこの恐怖が役立つこともあります。「このままでいたら事態はますます悪化するという恐怖に駆られたら、いやでも行動を起こすだろう。だが一方、恐怖のあまり何もできなくなることもある」のです。ホーは恐怖のために行動を起こし、ヘムは恐怖のために行動に移せず衰弱してしまったのです。ホーはヘムへのメッセージを残しながら新しいチーズ探しを続けます。

  • 新しい方向に進めば新しいチーズが見つかる。
  • 恐怖を乗り切れば楽な気持ちになる。
  • まだ新しいチーズが見つかっていなくてもそのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する。
  • 古いチーズに見切りを付ければそれだけ早く新しいチーズが見つかる。
  • チーズがないままでいるより迷路に出て探したほうが安全だ。
  • 従来通りの考えをしていたのでは新しいチーズは見つからない。
  • 新しいチーズを見つけることができそれを楽しむことができると分かれば人は進路を変える。
  • 早い時期に小さな変化に気づけばやがて訪れる大きな変化にうまく適応できる。

そして、過去を捨て去り現在に適応しながら力強く迷路を前進し続けたホーはチーズステーションNに辿り着きます。ホーは、最後に要点をまとめて壁に書きます。

  • 変化は起きるーチーズは常に持っていかれ消える
  • 変化を予期せよーチーズが消えることに備えよ
  • 変化を探知せよ‐常にチーズの匂いを嗅いでいれば古くなったのに気づく
  • 変化に素早く適応せよー古いチーズを早くあきらめればそれだけ早く新しいチーズを楽しむことができる
  • 変わろうーチーズと一緒に前進しよう
  • 変化を楽しもうー冒険を十分に味わい、新しいチーズの味を楽しもう
  • 進んで素早く変わり再びそれを楽しもうーチーズは常にもっていかれる
  • チーズと一緒に前進しそれを楽しもう!

この本の最後にディスカッションが載っています。ここではこの物語をビジネス、家庭などにどのように生かせるかが議論されています。

1時間もかからずに読める本ですが、深い内容が込められているすばらしい本です。一読といわず何度も読んでもらいたい本なのでお勧めします。

こういう時代だからこそ、未来に希望をもって、変化に立ち向かっていかなければなりません。

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