いよいよ緊急事態宣言発令か
おはようございます。
東京都の感染者は昨日143名で2日連続で100人を越えました。こうした中、医師会は医療危機的状況宣言を出し、東京都の小池知事も政府に緊急事態宣言を要望しました。安倍首相も緊急事態宣言に踏み切る意向を示したようです。専門家の意見を聞いたうえで早ければ明日にも出される見通しです。緊急事態宣言の対象は東京だけでなく、大阪、兵庫、埼玉、北海道など感染拡大が続いている地域になるようです。現代ビジネスには「遅すぎる『緊急事態宣言』 コロナより、安倍政権の鈍さの方が恐ろしい」と言う記事がありますが、安倍首相もようやく緊急事態宣言を出すようです。緊急事態宣言の手続き・内容は次の通りです。
まず、安倍首相が都道府県を単位とする地域や実施期間を示し緊急事態宣言が出すことになります。そして、指定された地域の都道府県知事が感染拡大などで必要と判断すれば、住民への不要不急の外出自粛要請や、施設の使用禁止、イベントの開催制限の要請・指示などの措置をとることができます。特措法「緊急事態宣言」で可能な主な措置は次の通りです。
- 住民への外出自粛要請
- 学校、保育所、老人福祉施設などの使用停止の要請・指示
- 音楽・スポーツイベントなどの開催制限の要請・指示
- 臨時医療施設のための土地、建物の使用(同意不要)
- 鉄道・運送会社など運送事業者に緊急物資の輸送指示
- 衣料品・食料などの売り渡しの要請・収用も可、保管命令
緊急事態宣言が出されても、海外でみられるような都市封鎖(ロック・ダウン)とは全く異なります。海外の場合は、外出禁止令というべきで違反者には罰則規定が設けられているところがほとんどです。しかし、日本の場合は、これまでの自粛要請とほとんど変わりなく単なる自粛要請にすぎず違反者への罰則規定もありません。緊急事態宣言を出すことでより危機感を持って国民が外出を控えるだろうと国民の自主性に委ねられています。佐々木国土交通政務官(自民党)が、「感染拡大を国のせいにしないでください」とツイートし炎上しましたが、まさに国民に責任を押しつけているのです。やはり、外出を禁止し違反者には罰則を科すなど強制力を持たせるべく改正すべきだったのです。また、このように強制的に外出を禁じることはできず、鉄道やバスなどの交通機関の運行を止めることもできません。店舗にしても強制的に閉店させることはできません。緊急事態宣言が出てもこれまでとあまり変わらないでしょう。少しは自粛効果を高めることができると思いますが、これまでの自粛要請で外出を控えていない人若者たちが緊急事態宣言の自粛要請で外出を控えるとも思えません。緊急事態宣言が出ても補償がなければ企業活動を止めるわけにもいきませんし、店も営業をやめるわけにもいかないでしょう。緊急事態宣言が出て一時的には自粛ムードは高まりますが、これまでと変わらない生活が可能なら自粛ムードもしばらくすれば緩んできます。一人一人が自覚をもって感染しないようにまた人に感染させないように注意するしかありません。
感染推計が専門の北海道大学西浦博教授は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため厳格な外出制限が必要だとする一方、緊急事態宣言が出てもパニックにならないよう早急に準備するように求めました。事業者に対しては「従業員を出社させず事業を続ける方法を考える必要がある」とし、個人には「買いだめのためにスーパーに集まれば感染リスクは高まる。物流が維持されれば品物はなくならない」「対象地域になったとしても、自宅中心に生活する方がリスクは下がる。多数の住民が対象地域から逃避をすると感染を広げるリスクが高まる」と主張しています。
緊急事態宣言が出ても、これまでとほとんど変わらないのでパニックにならず、テレワークで仕事ができるならテレワークを利用し、日常品・食品購入でスーパーに行く以外は極力外出を控えましょう。