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手緩い緊急事態宣言 休業要請先送り

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おはようございます。

昨日緊急事態宣言が発出され、本日午前0時に発効しました。それを受け対象地域となった7都府県知事が、改めて外出自粛を要請しました。ところが、休業要請・施設制限については東京都の小池知事は国と調整中であると「先送り」し、他の府県知事は「休業要請は当面行わない」ということになりました。緊急事態宣言発出に先立ち、安倍首相が「休業補償を行わない」との方針を表明したためです。何度も言うように休業要請と補償はセットでなければ意味がありません。百貨店・大きな商業施設なら休業補償がなくてもこの危機を乗り切れますが、中小・小規模店舗の場合、生活がかかっているので休業補償がなければ倒産するしかありません。倒産を回避するには営業を続けるしかないのです。結局は、緊急事態宣言を発令しても、従前の外出自粛要請とほとんど変わらないようになってしまいました。一時的に自粛ムードは高まりますが、その後は自粛ムードも緩んでいくでしょう。今回の緊急事態宣言は効果が少ないように思います。

ヤフーニュースから、在米ジャーナリスト飯塚真紀子氏の「緊急事態宣言『安倍氏は楽観的』『日本は例外主義』米紙 米・外出禁止令違反に罰金2万5千ドルや禁固刑も」を取り上げます。

海外メディアは、日本の緊急事態宣言に対し「発令が遅すぎる」「厳格な措置ではない」と批判的です。ワシントン・ポストは「日本は緊急事態宣言を発令をしたが、ロックダウンせず、経済から目を離さず」というタイトルで、経済を重視するためにロックダウンしなかったことを問題視しています。また、緊急事態宣言を順守するかどうかは国民の自主性に委ねられており、国民が遵守しなかったとしても罰することができないことも指摘しています。海外においては、日本の緊急事態宣言は、名ばかりで罰則が科せられない手ぬるいものとみられています。アメリカでは、外出禁止令違反を軽犯罪とみなし、多くの州で、最大2万5千ドルの罰金または禁錮刑、あるいはその両方としているようです。

ワシントン・ポストは、「安倍首相がなぜ遅すぎる緊急事態宣言を出したか」について分析し、①自民党と経済界の結びつきが強いという点 ②広範なウイルス検査も行わず、クラスターを発見して隔離することで早期に新型コロナを封じ込めに成功したという間違った安全意識 ③マスク着用、高い衛生水準、人との接触を避けることによって封じ込めをしており、ロックダウンを避けることができているという例外主義 を挙げています。

また、同紙は、透明性に欠く日本の新型コロナ対策を問題視しています。「検査不足は透明性の欠如という問題を生み出し、同時に、新型コロナ政策は支離滅裂で方向性に欠けている。政府は企業セクターを救うことに、よりフォーカスしている」「政府専門家会議は多様な人材に欠けており、早期に警鐘を鳴らしたであろう、忖度せずに物申す学者たちを排除した。それどころか、政府専門家会議は、政府と企業セクターのアジェンダに都合のいい一連の政策に歩調を合わせてきた」と否定的です。

まさにこの通りでしょう。海外メディアの方が日本の現状を冷静かつ的確に分析しているように思います。

飯塚氏は「世界の批判を浴びる”手緩い緊急事態宣言”が、果たして、感染拡大封じ込めにどこまで奏功するのか」と言って締めくくっています。世界は日本の緊急事態宣言の効果を興味津々観ているのです。

国民一人一人が真剣にこの危機に向き合わなければ、緊急事態宣言は失敗します。もはや政府に期待できない以上、国民一人一人が自覚をもって、3蜜を避け不要不急の外出を自粛し、この危機を乗り切るように対処しなければなりません。

また、7都府県知事は、休業要請を出し渋っていますが、休業要請について国と調整する必要はありません。緊急事態宣言によって各対象地域の知事に権限が委譲されています。国や政府に忖度する必要なく知事自らの判断で行えるのです。国・政府が補償しないというなら地方公共団体で一部補償を検討すべきです。地方公共団体が休業要請した店舗に一部補償するということになったなら補償をしない政府に批判が集中し国も補償せざるを得なくなるのではないかと思います。この時期、地方から国を動かすことも必要かもしれません。

取り敢えず、一人一人が注意し、感染しない、人に移さないという意識を持って取り組めば新型コロナウイルスはいずれ終息します。その時まで、頑張ってこの危機を乗り切りましょう。(精神論ですみません)