中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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命をとるか経済をとるか

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おはようございます。

昨日の新型コロナウイルス感染者数は全国で292人、前日の791人に比べれば大幅減のようにみえますが、これは週末でPCR検査が行われた数が少なかったためで、まだまだ予断を許しません。緊急事態宣言から1週間が経ち、各都道府県の知事も休業要請を行うなどして自粛ムードは高まっているように思えますが、人との接触8割減というのはなかなか難しいものです。一人一人が自覚を持ち取り組まなければなりません。週刊朝日に「官僚丸投げの安倍総理とメンケル首相の差」という記事を見つけました。昨日、「不安な時につぶやきたいメンケル語録ベスト5」を紹介しましたので、ついでに取り上げます。この記事は元経済産業省の官僚でテレビにコメンテイターとしても出ている古賀茂明氏が書かれているものです。

この記事を要約すれば、次のようになります。

  • 安倍総理の関心は、外交安全保障・憲法改正そしてお友達関連案件だけは「官邸主導」で、そのほかは官僚丸投げ。
  • 官僚は、過去の前例主義で独創的な対策を思い浮かばず、その結果誰がどのように困るのかを想定することができずに一番肝心の弱者救済が不十分な欠陥政策が出来上がった。
  • お坊ちゃまの安倍総理は下々の苦境など具体的に想像することができず、後手に回り時間切れで官僚の案に乗るしかなかった。
  • ドイツでは日本人ミュージシャンやダンス教室運営者にも簡単なネット申請から2日で60万円の給付金が出たが、その違いはメンケル首相と安倍総理という2人の指導者の能力の差による。
  • このまま安倍総理に任せておけば、多くの非正規やフリーランスで働く人々、中小零細企業者が路頭に迷い、その結果自殺者が激増する可能性も排除できない。
  • 多くの人の命に係わる緊急事態だからこそ、国民が安心して任せられるリーダーを選び直すことが必要ではないだろうか

昨日も書きましたが、メンケル氏は自ら国民に寄り添い国民の生活や安心を守るために適切な対策を行い国民もメンケル首相を信頼しメンケル氏の言葉を守りました。その結果メンケル氏の支持率は72%にまで跳ね上がりました。欧米その他の国では今回の新型コロナ対策でほとんどの首脳の支持率は大きく上がっています。安倍内閣の支持率は42%で前回より8%下落し、不支持率47%で不支持が支持を上回りました(読売世論調査)。なお、支持率39%という世論調査(産経・FNN)もあります。(もっと低くていいはずなのに、何故こんなに支持率があるのか、どんな調査をしているのかと疑いたくなりますが)

次に、ベストタイムズの「国民の命と国家財政と、どっちが大事なのでしょうか」を取り上げます。これは評論家の中野剛志氏の「新型コロナ緊急事態宣言下の日本の指針を語る」、現在の日本の危機をとらえ、日本のあるべき今を語るシリーズの一つです。その内容を要約すれば次の通りです。

  • 最近、「命をとるか経済をとるか」で議論されているが、問題は命をとるか経済をとるかではない。経済への打撃は休業補償や給付金でかなり緩和できる。経済への打撃が小さくなれば、その分感染症対策も強化でき命も守れる。赤字財政を拡大すれば、命も経済も守ることができる。
  • 財政赤字を拡大するとインフレになるという批判があるが、休業補償や給付金をもらっても自粛の中でそれほど消費が増えるはずもなくインフレは起きない。
  • 日米などの自国通貨建て国債のデフォルト(債務不履行)は考えられない。だから赤字国債を発行して休業補償や直接給付をどんどんやっていい。
  • デフォルトの可能性がある(ユーロ加盟国で自国通貨を発行していない)ドイツですら赤字国債を発行し財政支出を拡大している。これは国民の命を守る方が財政均衡よりも大事だという当たり前の判断による。
  • 東京都は、国が休業補償をしないので業を煮やして休業事業者に協力金を交付しようとしている。東京都は他の府県と比べ財政的に裕福だが国と違って通貨を発行できずデフォルトのリスクはある。それにもかかわらず、財政支出を拡大しようとしている。国民の命を守る方が財政均衡より大事だからだ。
  • 日本は財政危機にはない。自国通貨を発行する日本政府はデフォルトのリスクはゼロ。政府が府県に資金を交付すれば、他府県でも東京と同じように休業補償はできる。

まさにこの論調の通りです。大事なのはいうまでもなく人の命です。ドイツのメンケル首相も財政均衡よりも国民の命が大事だという発想のもとでデフォルトの可能性があるにもかかわらず赤字国債を発行し早急に給付金(ドイツに在住する外国人も含め)を支給し中小企業支援策を行っています。日本ができないはずはありません。このまま何もしなければ、古賀氏が言われるように、多くの非正規・フリーランスの人たち、中小零細企業の人たちが路頭に迷い、その結果自殺者が激増するという事態になりかねません。

日本に休業補償や給付金を支給する資金がないわけではありません。「108兆円」といわれるコロナ対策費のうち「真水」は「15兆円程度」しかありません。残りは「膨らし粉」で膨らせたもの、まやかしにすぎません。赤字国債を発行し、どんどん休業補償や給付金に使えばいいのです。人の命さえ守れば、経済は後でどうにでもなります。と言っても今の政府・安倍政権は当てにできません。困ったものです。古賀氏が言われるように国民が安心して任せられるリーダーを選びなおすことが必要ですが、ここしばらく国政選挙もありません。新型コロナが収束すれば解散総選挙もありそうなので、その時には国民一人一人が今回の政府や各党の行動・政策をしっかりと見極め投票する必要がありそうです。