中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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休日の本棚 なまけもの

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おはようございます。

GW真っ最中ですが、今年はゴールデンウィークではなく、我慢ウィークです(「がまんのウイーク」と言ったのは黒岩神奈川県知事ですが)。繁華街や行楽地の人出は大幅に減っていますが、相変わらず、ホームセンターやスーパー、近所の公園などは混んで三密状態です。また休業要請に応じないパチンコ店も開店前から長蛇の列をなしています。休業要請やその上の休業指示にも罰則規定はありません。パチンコ店では1日に数千万円というお金が動きます。数十万円といった休業協力金では経営は立ち行かずいずれ潰れてしまいます。いずれ潰れるなら先延ばしにして営業を続け、その間、金を稼ごうといった状況でしょう。また、経営を続ける要因としてギャンブル依存症の人たちがいます。彼らは自分の地域(都府県)で店が休業しているなら営業している店を探し遠出してまで並びます。ギャンブル依存症というのは、医学的には「ギャンブル障害」という病気です。ギャンブル障害は「持続し反復する問題賭博行為によって臨床的に意味のある機能障害や苦痛が生じている状態」で、気質要因、遺伝要因、脳関連要因、心理的要因、環境要因などがあるとされていて、これは病気なのです。治療については認知行動療法が用いられますが、精神薬理学的治療として投薬が効果を上げる場合もあります。今回のような新型コロナ感染拡大で自粛が叫ばれている中でもパチンコ店に並ぶ「ギャンブル依存症」者は社会問題です。大阪市はLR、すなわち統合型リゾート施設でカジノを建設しようとしていますが、「ギャンブル依存症」は避けて通れない問題のように思います。

さて、今日は、本田直之著「なまけもののあなたがうまくいく57の法則」(だいわ文庫)を取り上げます。何かをやろうとしたとき、①始められない ②続けられない ③だらだらしてしまう と言った壁にぶつかります。私もそうです。そして、結局何もせずに終わってしまうということが往々にしてあります。この外出自粛で家にいる間に何かに取り組もうとしても結局日がな一日だらだらと無為に過ごしている、こういうことは避けたいものです。

この本では、「面倒くさがりとなまけものは違う」と言っています。面倒くさがりのツケが短期間で雪だるま式に膨らんでいくのに対し、なまけもののツケは長期的に少しずつ膨らむため自覚しにくいのだそうです。なまけものが「始められない」最大の理由は動機付け、それも内部からの動機付けです。また、なまけものが「続けられない」理由は強制力だと言っています。「やらざるを得ない仕組み」を自分の外側に作ればいいのです。つまり、始めるための「動機付け」を内側から、続けるための「強制力」を外側から持ってきて、両者を組み合わせるということです。

著者は、働き者であることが必ずしも利点ではないと言っています。無能ななまけものは論外ですが、元来なまけものは、どうすれば怠けられるかを考え工夫する人です。「堕落型」のなまけものではなく、「前進型」のなまけものを目指せばよいということです。では、この本に挙げられている57の方法を簡単に見ていきましょう。

  1. なまけものであることを認める…なまけものという自覚から工夫が生まれる
  2. あえて他人に流される…他人の力を借りて新しい自分を発見する
  3. 努力と工夫を間違えない…努力できない自分がやるのが工夫
  4. 「やればできる」はウソ…「やればできる」(過度な自信)から工夫は生まれない。加点思考で工夫の癖を身に着ける(工夫⇒結果⇒嬉しい)
  5. 優先順位出なく思いついた順にやる…ノルマが嫌いななまけものは思いついた順にやる。思いついた順⇒無意識化⇒ストレスなく片付く
  6. 「最初の10日」に力を入れる…10日やれば脳が効果を体感⇒継続可能
  7. 無能な働き者にならない…無能な働き者は量に目を奪われる、「質」を考える
  8. 苦にならない理由を分析する…①好きである②やっていて楽しい③気持ちがいい④得をする⑤競争の要素がある⑥やらないと大変なことになる
  9. 人を巻き込む…外部からの強制力として人を巻き込む⇒無理なく継続
  10. 疲れたら積極的に休む…日中は軽い運動、夜は早めに就寝
  11. ラクなパターンに刺激を与える…慣れすぎたパターンを見直す⇒新しい習慣を創る
  12. 「こうなったら楽しい」を想像する…まずは身近な目標を目指そう
  13. ゲーム感覚を取り入れる…ゲーム感覚で楽しみ外部からの強制力
  14. 自分に厳しくしない…自己否定は思考停止につながる
  15. 「続けること」に努力しない…習慣にすること 習慣までの期間=10日
  16. 潜在能力を引き出す…能力に気づくだけでポイントアップ
  17. 寝つきをよくすれば悩みはなくなる…眠れないから余計なことを考える
  18. 変えられないものは比べない…変えられるものについては競争、変えられないものについては比較も競争もしない
  19. 自分のやり方を信じる…自分を信じて続ければ必ず結果は出る
  20. 部屋の汚れをバロメーターにする…家が散らかっているのはストレスが溜まっている証拠で怠け癖が顕在化している証拠 小さな汚れが重大な結果を招く
  21. 常習性のある消費に手を出さない…「時間の浪費につながる常習性」の趣味には手を出さない 「常習性」がキーワード
  22. 雨が降ったら休む…休むルールを作る ルールに従って休む場合は純粋な意味での休息
  23. 3週間先まで予定を入れる…「だらだらしてしまう」のは「やるべきことがない」状態 予定はなるべく「人」と一緒にやるものがいい=人を絡めて「予定」を「約束」にする
  24. 曜日で作業を決めておく…強制力をうまく使いながら自己コントロール
  25. 自分の得意エリアをつくる…特定エリアのスペシャリストに 
  26. テレビを止めてラジオにする…テレビなら「だらだら見てしまう」、ラジオならほかのことをしながらでも聞ける
  27. 同じ服をたくさんそろえる…着るときに迷いがない
  28. 「いつか使うもの」を処分する…「いつか使うかもしれないもの」を段ボールに入れ、1年間未開封なら捨てる→価値あるものだけが残る
  29. 自分の身体に投資する…「インフラとしての身体」を意識しながら日々を過ごす→適度な運動、食生活、生活改善
  30. 本で気分を盛り上げる…自己投資としての読書術=読むのは朝、ノンフィクション系の本(情報収集・モチベーションアップ)
  31. 旅行先で日常を振り返る…旅行に出ると帰った後の自分が変わる 来てよかった=家でだらだらしなくてよかった
  32. 「気持ちのいいこと」を組み合わせる…ご褒美を用意する。この場合行動とご褒美が結びつく組み合わせにする
  33. 家で勉強しない…誘惑を遠ざける パソコンと資料だけ(本とノートだけ)をもって外のカフェで
  34. 悪い習慣は2ステップでやめる…①自分にとって切実なデメリットを書きだす②誘惑のない環境に自分を追い込む
  35. 音楽で気分を盛り上げる…音楽を聴くと仕事がはかどる。習慣化すれば脳のスイッチが仕事モードや集中モードに切り替わる
  36. 朝食を抜くデメリットを考える…朝食を食べるとパワーも出て能力も最大限発揮
  37. 他人を家に呼ぶ…自動的に掃除や片づけをするようになる
  38. 自分の「持ち時間」を把握する…自分の持ち時間を正確に把握し時刻配分表を作る。今、ここでしかできないことを組み込む
  39. メールは夜にチェックしない…夜には「締切」がないからだらだらとなる
  40. 上司を利用する…上司を管理ツールとする。上司に対し積極的に報告→外部からの強制力となって、やらざるを得ない状況が出来る
  41. 人に教える…人に教えることで本物の知識になる
  42. 人に教えてもらう…教えてもらう3か条①ある程度自分で調べる②素直になる③聞き上手になる
  43. 挨拶でスイッチを切り替える…挨拶で仕事モードのオンオフ
  44.  通信教育に頼らない…強制力がないので怠ける
  45. 怠けた結果どうなるかを想像する…この生活を続けていたら10年後どうなるか
  46. 会社の外で仲間を見つける…会社の同僚=愚痴仲間 外部の人々=前向きな仲間
  47. お酒を奢らず、「言葉」を奢る…直接指導せず、本で読んだ言葉や逸話を引用する
  48. 時間の強制力を利用する…締切は心の火にガソリンを注ぐ。「よし、あそこまで頑張ろう」という気になる
  49. 手帳には「結果」を記録する…予定ではなく結果を書くことで、自分がどれだけ怠けているかもわかるし、自分の成長も分かる
  50. ネット環境のないところに行く…集中できる。アイデアを練るなら紙とペンがあれば十分
  51. ワークショップに参加する…なまけものは体験型ワークショップでないと示達的に動かない
  52. 強制力のある組織に身を置く…一人でコツコツやろうとせず、組織の力を借りよう
  53. 得した気分をつくろう…工夫して時間をつくる 昼食と打ち合わせを組み合わせたり、ジムで運動しながら英会話のテープを聞いたり、新幹線の中で報告書をまとめたり、通勤時間に本を読んだり。得をすることはなまけものの必須要件
  54. 好きを仕事にせず、仕事を好きになる…今の仕事を好きになること 外部からの動機付けを内部からの動機付けに変えていく
  55. 感化される仲間を作る…感化力で成長を促す。怠けものは仲間がいないと継続もできないし成長もできない。どんな仲間を選ぶかはどんな人生を選ぶかにつながる
  56. 自分にペナルティを設けない…なまけものは自分で決めたペナルティを守れない
  57. とことん怠ける日をつくる…「怠けるのも仕事」というくらいの気持ちで思い切り怠ける日を作る

怠け者も悪くない、前向きな怠け者を目指そうという思いにしてくれる本です。

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