中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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大倒産時代を回避するために

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おはようございます。

新型コロナウイルスの昨日の新規感染者数は東京で2日連続で二けたとなり、全国で40人を超えました。北九州市も8人となっています。徐々に第2波が始まっているのか心配です。いったん収束を見せた韓国でもクラスターが発生し、昨日は79人の感染者が確認されています。明らかに第2波が到来しています。われわれも気を緩めることなく新しい生活様式を守っていかなければなりません。

今のニュースによれば、東京都小金井市の病院で3人が感染、18人が発熱というクラスターが発生した模様です。院内感染は発生源がはっきりしているので、抑え込むことは可能でしょう。抑え込みに成功して他に広がらないことを願います。

昨日第2次補正予算閣議決定されました。しかし、第1次補正予算で決定した1人10万円の給付金もまだ届いていません。アベノマスクも全世帯の2割しか配布できていないようです。それなのに、2度目の配布がなされた誤配もかなりあるようです。マスクの汚れ・異物混入による回収に続き何をしているんでしょうか。困ったものです。

第2次補正予算は内容的にかなり充実したものになっているようですが、問題はスピードです。今日明日の資金繰りが覚束ないという中小零細企業や店舗は多くあります。こうした企業や人たちへの支援は最優先で行わなければなりません。政府・安倍政権を見ていると、それが分かっている人がいるとは思えません。

さて、ネットニュースで「五輪特需一転 コロナ禍で大打撃の観光、警備業界 廃業・解雇相次ぐ」という記事がありました。新型コロナウイルスの影響で旅行客がほぼゼロとなり、観光バス会社の中には廃業に追い込まれたところもあります。本来、今年は東京オリンピックパラリンピックで特需を見込んでいたところが、新型コロナと五輪延期のダブルパンチで暗転しました。慢性的な人材不足が続いていた警備業界でも五輪を見込んで人材の積極採用を行っていましたが、逆に警備需要が減って警備員を絞っているという状況のようです。廃業や人選により、解雇・失業が増加するのは必定です。

また飲食・居酒屋大手のワタミが2020年3月期の決算で29億円の赤字となり、全国65店舗を閉鎖するとのことです。緊急事態宣言の解除を受け、休業していた店舗を順次再開していますが、「今後の客足は戻って7割」と厳しい判断をしています。今後は、持ち帰りを中心とした「から揚げの天才」の出店や弁当を配達する宅配業に力を入れるということです。

週刊朝日」の記事では、「破綻の本格化は夏 コロナ大倒産・失業時代が来る」としています。今後倒産ペースが上がるというのです。今までに倒産した企業は、昨年10月の消費増税の影響を受けてもともと経営が悪化していたところにコロナが追い打ちをかけた、コロナだけが倒産の原因ではなかったのです。しかし、今後は借り入れや財産の切り売りで負債が膨らんだり資本が痛んだりした「バランスシート劣化型」の倒産が中心になると言っています。中小企業の場合、内部留保が厚いところはほとんどなく、経営環境の変化への対応が厳しいところが多いのです。業種も、消費や観光関連から、自動車産業の3次、4次下請けなどに広がっていく可能性があるとしています。

今回の新型コロナウイルスが経済に与えた影響は、リーマンショック時と比較になりません。リーマンショック時の倒産件数は、15、646件ですが、このまま手をこまねいているとこの倒産件数を大幅に超えてしまいそうです。以前にも書きましたが、リーマンショックは大企業から始まる中小企業へと、「上から下へ」影響を与え、政府は必死になって大企業を支えました。ところが今回の新型コロナウイルスの影響は中小企業から大企業へ、「下から上へ」影響を及ぼしています。そのためもあって、政府の動きが鈍いのです。しかし、日本の約90%以上は中小企業、零細企業です。日本経済を立ち直らせるには、中小企業・零細企業に対する迅速な支援が要求されます。第2次補正予算を早急に成立させて、それを迅速に実行することが、中小企業支援になります。期待しましょう。