中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

テレハラ・リモハラ

f:id:business-doctor-28:20200511085343j:plain

おはようございます。

昨日の東京の新規感染者数は47人となりました。そのうち32人が夜の街関連、18人が新宿歌舞伎町の同じホストクラブの従業員で18人全員が無症状ということです。東京アラート解除、ステップ3への移行に伴って感染者数が増加しているのが気になります。小池都知事は、「無症状の人も呼び込んで積極的に検査した結果で従来とは違う」という発言をしていますが、これでは、従来は積極的に検査していなかったのか、従来の数字自体信用できないということになってしまいます。西村担当大臣は、19日に予定通り、休業要請が続いている夜の接待を伴う飲食店などの休業要請の緩和を行うと発言しています。また、政府は出入国の制限の緩和も行うとしています。

中国北京の市場で感染者が見つかり、中国では第2波に対して「非常時に入った」と宣言し、警戒を強めています。またアメリカNY州でも経済再開後に再開ルールを守らない店が多く、クオモ知事は「ルールを守らなければ経済再開を見直し再び制限措置を講ずる」と警告し、第2波への警戒感をあらわにしています。国民だけでなく政府までもが気を緩め緊張感が欠けている日本とは大違いです。第2波、第3波は必ず来ます。もう第2波の足音は聞こえています。日本人は自粛と言われれば素直にそれに従う国民ですが、逆に政府や地方公共団体、ほかの人が気を緩めると「気を緩めていいんだ」と判断し自らも気を緩めてしまう国民でもあります。経済活動も大切ですが、経済活動と感染防止のバランスを測りながら、政府・地方公共団体が率先して気を緩めるのではなく、気を引き締めて緊張感や警戒感をしっかりと示してもらいたいものです。

今日は、ヤフーニュースから「『テレハラ』対策」という記事を取り上げます。

またまたテレワークがらみですが、ウイズコロナの働き改革のメインはテレワーク・リモートワークです。そこで問題となるのが、働いている姿が見えないことから起こるパワハラパワーハラスメント)です。「テレハラ(テレワークハラスメント)」「リモハラ(リモートハラスメント)」という新語が生まれています。

テレワーク中の社員からは「いつも見張られている気がする」「以前より頻繁に報告が求められるようになった」「常に回線を接続しておかなければならなくなった」という不満や意見が聞かれます。

一方、管理職からは、「部下が仕事をしているか、サボっていないか気になる」という意見が多く、最近はテレワーク中のパソコンの中を覗いてどれだけ仕事をしているかチェックするシステムまで出てきています。これではまるでストーカーです。しかし、こうした管理職の行動自体に問題があるわけではありません。誰かがサボればほかの人にしわ寄せが行きます。こうしたことを防止するのも管理職の仕事です。また一人がサボれば「真面目にやるのは馬鹿馬鹿しい」と他の者までサボり出します。管理職はそうならないように目を光らせてチェック、管理しなければなりません。

「テレハラ」「リモハラ」の根本原因は、管理職の意識や姿勢にあるのではなく、組織と仕事の仕組みにあるのです。従来の組織や仕事の仕組みはテレワーク・リモートワークに適していないのです。

この記事では、「『テレハラ』防止に有効な解決策は、社員がサボってもよい仕組みを作ることだ」と言っています。サボってよい仕組みとは、仕事へのインプット、すなわち働きぶりは問わない代わり、アウトプット、すなわち仕事の成果を厳しく問う制度です。成果を上げている限り「サボる自由」があるということです。ただ、成果を上げているか、役割を果たしているかどうかを評価するためには、一人ひとり仕事の分担が明確になっていることが重要です。

もちろん、すべての仕事をアウトプットで評価することは難しいものですし、一人ひとりに仕事を分担させることが困難な場合もあります。このような場合でも、監視をしないで済む工夫や仕組みはあると言います。その一つが、「成果につながるプロセス」を見ることです。開発がどこまで進んでいるのか、取引先との契約がどこまでまとまりかけているのか、というように成果に近いところでプロセスを評価するのです。次に、態度よりも貢献を見るのです。例えば、突発的な仕事を誰がしたのか、企画案の作成や意思決定にどれだけ貢献したか、だれがどのプロジェクトに参加してどんな役割を果たしたか、などを日報に記録し、メンバーが見られるようにすればいいのです。子のように客観的な貢献度に注目することで仕事ぶりを監視する必要が減り、評価の透明性も高まります。

その人に求められている仕事の成果や果たすべき役割に近いところで評価すれば、そこから離れた仕事に対する態度や姿勢は本人の裁量にゆだねられるので、サボっているかどうかを監視する必要はないと言っています。

そして、努力や頑張りに価値があるわけではなく、成果を上げて役割を果たすことこそ大事だという原点に立ち返ることが「テレハラ」「リモハラ」の防止につながると締めくくっています。

確かにこの記事の通りかもしれませんが、ドライに成果主義をとることには躊躇を覚える人も多いでしょう。かつて流行した成果主義では、厳しいノルマを押し付けられたり、成果を達成するように煽られたりして、別の「ハラスメント」が生まれました。

日本においてはドライに割り切って仕事の成果や役割だけを評価基準にすることは困難なように思います。そうなるためには、仕事の仕組みや組織の在り方を一から見直すことから始めなければなりませんが、アメリカの企業や外資系企業と違い、家族的な人間関係を重視する日本の企業、特に中小零細企業では難しいでしょう。

日本人は真面目な国民性を有しています。テレワーク・リモートワークになってもほとんどの人はサボることなくまじめに仕事をしています。こうした性善説に立って、監視の必要性はないとの前提でいいのではないでしょうか、テレワークを行っている者を信頼し1日2回(始業時・終業時)程度の報告でよいのではないかと思います。