中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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コロナ禍に勝つ企業の条件

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おはようございます。

日本における新型コロナウイルスの新規感染者は東京で35人、大阪で3人、全国で56人と小康状態を保っています。東京は新宿歌舞伎町のホストクラブ、大阪はミナミのバーと「夜の街」関連で一種のクラスターで感染経路は把握できます。ただ無症状者がかなりいるようなので拡大が心配です。都道府県をまたいだ移動が解除された週末、外出に抵抗がある人が約7割いるようですが、各観光地の人出を見るとかなり気が緩んでいるように見えます。

WHOは新型コロナウイルスの感染者が、アメリカを中心に再び増加し、世界で1日15万人(過去最多)が感染し、「世界は新たに危険な状態に突入した」と発表しました。アメリカだけでなく中南米、南アジア、中東でも急激な感染拡大が見られます。日本だけが気を緩めるととてつもない事態が訪れます。一人ひとりが気を付けなければなりません。

今日は、ダイヤモンド・オンラインの「コロナ禍に勝つ企業『たった一つの条件』」を取り上げます。この記事は、ボストン・コンサルティング・ファームの杉田浩章氏と早稲田大学ビジネススクールの入山章栄氏の対談です。

新型コロナウイルス感染拡大が一段落し、緊急事態宣言が解除され経済活動が再開されましたが、消費も生産もコロナ前とは程遠い状況にあります。こうした中、多くの経営者は、「経営の時間軸をどのようにマネージするか」を考えています。時間軸には、2種類あります。1つは1~2年という短期のもので、ここでは厳しい状況が1,2年続いたとしても利益を出せる体質にするということです。それには相当短期間で抜本的に事業や組織を変革しなければなりません。もう1つが長期の時間軸です。社会と環境の長期的な変化の中で、成長領域をどこに見出し、どのように投資し、自社の事業ポートフォリオをどう変えるかということです。

この2つの時間軸の中で、「やめる」「変える」「加速する」の3つを考えることが必要ですが、これまでと違ってコロナ後ははるかに短期間でやらなければなりません。

これまで、日本の企業では中期的な計画が重視されてきた感がありますが、経営にとって重要なのは、長期と短期です。長期に進むべき方向を見据えつつ、足元の1年をガンガンやりきることです。

コロナによって経営者の意識も変わってきたと言います。これからはいい経営・優れた経営者とそうではない企業や経営者の差が顕著に出ると言っています。いい経営というのは、平時からキャッシュがあるので危機時の耐性もあり、リモートワークのような変革もすぐに起こせる企業です。次にそこまで備えはないがコロナを気に変わろうという企業。最後に未だにぼんやりしている企業の3つに分かれます。

杉田氏は、リーマン後に何をしたかで企業の明暗が分かれたと言っています。いい企業は「リーマン後にやるべきことをしっかりやってきた企業」というわけです。「いつかこういうショックがいつかまた起こったら、うちの会社はどうなってしまうのか」を考え抜き、弱い事業をいったん整理して、事業ポートフォリオを変えていたので、コロナに直面しても持ちこたえられたのです。

経営の不確実性には「何が起きるか分からない」と「いつ起きるか分からない」の2種類あります。「何が」は平時からある程度想像できますが、「いつ」は全く分からないので問題です。今回のコロナショックは「いつ起こるかもしれない」という経営上の難局をもたらし、「いずれ」何とかしなければならなかった経営課題を経営者に突きつけました。

リーマンショックでやるべきことをやった「いい企業」は、今回のコロナショックで、「自社はどこまでやれたのか」「何が出来なかったか」を振り返り、次なる危機に備えています。いずれやるべきことに手を付けないままの企業は、経営破綻します。

例えば、日立製作所は、コロナ後の様々な企業の行動の中で目立っています。リモートワーク導入と言う変革もあっと言う間に決めました。これは、リーマンショック時に様々な変革を断行して以来、継続的に変革が進み、社員も変化になれたことが大きいと言えます。「変化が常態」である企業は、今回のコロナショックのような外部環境が激変する局面を自社変革の大チャンスにできるのです。

杉田氏は、最後に、⑴環境に対する適応力 ⑵適応する俊敏性 ⑶アセットライト(資産保有を必要最小限にすること)の3つが企業構造や社員のマインドに根付いているかどうかが重要だと言っています。

新型コロナは予想もできず突然全世界を襲いました。こうした事態を予想していた企業はないでしょう。コロナ禍に打ち勝つためには、環境変化に対する適応力と俊敏さです。特に変化が常態化している企業は、変化に対する適応力と俊敏さを発揮できます。でも、なかなか難しそうです。長期的か計画を立てつつ、短期的な計画も視野に入れ、環境変化が起こればそれに合わせて変えていくロ-リングプランの策定やコンティンジェンシー・プラン(不足事象対応計画)をあらかじめ決めておくことです。