中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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GoToキャンペーン東京除外

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おはようございます。

昨日の新規感染者数は、東京286人、全国で622人とピーク時に迫る勢いを見せています。宮城県で過去最多となる14人の感染者が確認され、大阪66人、埼玉49人、神奈川47人、千葉32人、愛知21人、兵庫17人、京都13人、香川10人など緊急事態宣言解除後最多となっています。明らかに東京から地方へ、市中感染が広がっています。東京都では、20代、30代が約7割を占める一方、40代~60代の中高年の感染者も増えています。感染経路不明者が約半数います。

官房長官は、「緊急事態宣言に該当しないと聞いている」と発言しています。

しかし、昨日の参院予算委員会参考人として出席した東京大学先端科学研究センター名誉教授の児玉龍彦氏は、「極めて深刻な事態になっている。東京にエピセンター(感染集積地)が発生しており、今食い止めないとニューヨークのような事態になる」「総力で対策を打たないと来週は大変なことになる。来月は目を覆うようなことになる」と涙ながらに訴え「遺伝子工学や計測科学を使った制圧が重要。致死率は時間とともに上昇する」と指摘し、「責任者を明確にしてトップダウンで前向きの対応が重要。今する対応は来週する対応の数百倍の価値がある」と提言しました。

政府はGoToキャンペーンについて、色々な批判を受け、東京除外という案を出してきました。多くの批判・反対意見がある中、是が非でもGoToキャンペーンを強行したいようです。専門家も中途半端だと言っています。東京除外だけでは意味がありません。ディズニーランドに来て千葉のホテルに泊まり、夜は東京に行って飲食するというのはGoToの対象になるのでしょう。少なくとも首都圏、近畿圏、大規模なクラスターが発生している北海道、沖縄も除外対象にしなければなりません。しかしこれではGoToキャンペーンの効果はほとんどなくなるでしょう。今は、延期しかないと思います。

旅行業界も、第2波の懸念があるなかでのGoToキャンペーンに困惑しています。万が一、自社の旅行客に感染者が出た場合責任を問われるのではないかという懸念があるからです。

「『GoToトラベル』とアベノマスクのどちらが愚策か考えてみた」と言う記事がありました。4月1日、安倍首相が「すべての住所に布2枚のマスクを配布します」と言ったときに多くの国民は、この発想に「碌な支援策も出さずマスク2枚だけか」と腰を抜かし「アベノマスク」と揶揄しました。このアベノマスクが私の手元に届いたのは、マスク不足が解消された6月中旬でした。

この記事では、「アベノマスクを超える愚策は、生きている間には出会えないだろうと思っていたら、どうやらそうでもなさそうだ」と言っています。

GoToキャンペーンは「感染収束後に実施する」と言っていたのに、新たに感染が拡大し始めているさなかに、当初の予定を前倒しして実施するのですから愚策以外の何ものでもありません。菅官房長官や西村担当大臣は苦しい表情で「問題ない」と言っています、環境業界を救う必要があるのはよく分かりますし、必要です。しかし、実施したらどうなるか? この記事では、間違いなく、観光客に暴言を吐いたり石を投げたりとと言った対応をする「トラベル警察」が出現しトラブルが発生すると言っています。自粛期間中に「自粛警察」が出現したように、観光客や他県ナンバーの車に対し「他ラベル警察」が出てくる可能性は高いでしょう。

また、もし観光客がコロナを持ち込んだという事例が出たら、その観光地が大きなダメージを受けるばかりか、全国的に観光客は来るなという機運が高まります。そうなると「旅行に行ってもろくなことはない。面白くない」というイメージが広がり、旅行離れが進んで観光業界は長期的に深刻なダメージを受けます。

GoToキャンペーン自体はいいとして、なぜ今のタイミングなのか、このまま実施されたらアベノマスクを凌駕する「天下の愚策」になると言っています。

そして、この記事では両者の5番勝負で勝敗をつけています。記者の独断と偏見によるものですが、面白いです。

  • 勝負1 どちらが無駄遣いか・・・アベノマスクの予算は466億円とも90億円とも言われています。「GoTo」の予算は1.7兆円で事務委託量が3000億円とも言われています。マスクの製造業者など一部の人だけが潤うアベノマスクと違い「GoTo」は全国の観光業に恩恵をもたらします。この勝負はアベノマスクの勝ち。
  • 勝負2 どっちがグレーか・・・アベノ真楠の製造業者の選定や配布を担当する会社の決め方は怪しさてんこ盛り。「GoTo」も同じ。全国旅行業協会幹事長は自民党二階俊博かんじちょうで、事務委託費が噂の電通パソナに流れるともいわれています。どちらもどっちですがスケールの大きさや顔なじみや手口のお馴染み感で「GoTo」の勝ち。
  • 勝負3 どっちが建前優先か・・・アベノマスクでは「布マスクではウイルスを防げない」と言われていましたが、政府はどや顔で布マスクの配布を決定しました。「GoTo」では「事業者に感染対策をとらせるから大丈夫」と言っています。しかし、どんな対策をとっても完全に防ぎきれないことは言っている側も分かっています。この勝負は、より苦しい主張の「GoTo」の勝ち。
  • 勝負4 どっちが国民感情を逆なでしているか・・・アベノマスクは国民を呆れさせました。安倍首相は、今も毎日アベノマスクをつけて国民感情を逆なでしています。一方、「GoTo」は修学旅行が中止になったり帰省を控えたりしている人が多い中、「どんどん移動しろ」と言われても、戸惑うばかりです。ここは阿部首相の顔を立てて、アベノマスクの勝ち。
  • 勝負5 どっちが日本のダメさを体現しているか・・・アベノマスクも「GoTo」も、それぞれに忖度や利権がチラチラ見え隠れし、日本のダメさを感じさせてくれます。このまま「GoTo」が実施されたら、ダメさの体現と言う点ではアベノマスクに引けを取らず、両者引き分け。

この記事では、お互い2勝2敗1分で引き分けとなっています。

しかし、アベノマスクによって感染が拡大し、国民の命を犠牲にさらすということはありませんが、「GoTo」はそれを実施することによって感染が拡大する可能性を持っており国民の命を犠牲にする危険性があります。このことを考えると「GoTo」の方が愚策であると言えそうです。