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コロナ第2波から社員を守れ!

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1334人、そのうち東京292人、大阪194人です。東京では、昼カラ、会食、キャンプでの感染も増え、家族全員が感染したというケースも増えています。大阪では194人のうち141人が感染経路不明者で(約72%)、陽性率も12.5%と高い数字になっています。また、愛知160人、福岡145人、埼玉74人、神奈川72人、沖縄64人、兵庫60人、千葉51人となり、宮崎(30人)、長崎(23人)、三重(12人)で過去最多となっています。

地方公共団体の知事は、独自の緊急事態宣言を発動したり、感染防止対策に奔走されています。菅官房長官は、昨日のNHKのテレビ番組に出演し、「特措法の改正(目的は、罰則を伴う休業要請や補償)はコロナ収束後、GoToトラベルについては中止する意向はない」と発言しました。直ちに国会を召集し法改正を行う必要性は、先日、東京都医師会会長が強く訴えていたことです。また、西村担当相は、お盆休みの帰省自粛を要請することを検討しているようですが、「旅行しろ」と反対を押し切り強硬に実施したGoToトラベルと矛盾しないのでしょうか? 先日も書きましたが、先が読めないコロナ禍でのリーダーに必要なのは、素早い行動と失敗を認め修正する臨機応変さです。早急に国会を開き法改正を行うべきですし、GoToトラベルは一時的に停止すべきです。新型コロナウイルスに夏休みはありません。国民があくせく働いているのに、議員先生(与党だけでなく野党も)だけのほほんと夏休みを過ごしていていい時期ではありません。国民の税金で高い歳費とボーナスをもらっているのですから、こういう国難の時こそ真面目に仕事をしてもらいたいものです。

今日は、ダイヤモンド・オンラインの「コロナ第2波から社員を守れ!感染拡大防止は『6つのフェーズ』で考える」を取り上げます。

新型コロナウイルスの収束が見えてこない状況で、企業は今後も続くと考えられる第2波、第3波をどのように乗り切り、従業員をも守ればよいのでしょうか? これには、ある程度の長期間を覚悟して、収束に至るまで危機管理・BCP対策のオン・オフを繰り返すしかないのです。BCPとは「事業継続計画」(Business Continuity Plan)のことで、「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行う企業行動や緊急時における事業継続のための方法手段などを予め取り決めておく計画のこと」(中小企業庁 中小企業BCP策定運用指針)です。

まず、この記事が提言しているのは、「フェーズごとの管理で感染拡大防止、高リスク者の感染予防へ」です。これは、各自治体がいくつかの指標に基づき、黄、赤、緑など警戒レベルを設定しているのと同じように、企業も受けるリスクの影響度に対応したフェーズごとの管理を行うということです。

「従業員誰一人として感染者を出さない」というのは理想ですが、こうしたことは「現実には100%不可能」と考えて、防止対策をとることが重要です。つまり、社内の感染者数に応じて、都度対策強化によって収束を図っていくこと、それが従業員を守る感染拡大防止の危機管理であり、企業の社会的責任となります。そのうえでのポイントは①感染を拡大させない仕組みと➁高リスク者(高齢者・基礎疾患保有者)を感染させにくい仕組みをつくるということです。

まずフェーズの設定ですが、この記事は6つのフェーズを設定することを求めています。しかし、6つのフェーズというのは厳密過ぎて中々難しいように思います。企業の状況に応じて3~5段階のフェーズでよいのではないでしょうか?

取り敢えず、ここで挙げられている6つのフェーズは次の通りです。これを参考に自社に合ったフェーズを設定してください。

⑴ フェーズ1 色別:緑 感染者が発生していない状況

⑵ フェーズ2 色別:黄 感染者1~4人(感染者+追跡可能な濃厚接触者)

⑶ フェーズ3 色別:赤 クラスター発生(経路不明者・濃厚接触者 5人以上)

⑷ フェーズ4 色別:紫 欠勤率20%以上(オフィスフロア全体の比率)

⑸ フェーズ5 色別:黄緑 回復期(新規感染者4人以下)

⑹ フェーズ6 色別:青 収束期(WHOが終息宣言した状態)

このようにフェーズごとに色分けすることは、従業員が見てわかりやすく教育周知の際に認識しやすくなるので重要です。但し、社内限定であることを忘れずに!

1から6のフェーズ(自社に合ったフェーズ)を設定したら、それぞれの局面での事業への影響度を想定し、それに応じた行動計画基本方針を策定します。

例えば、

フェーズ2の場合

事業影響度分析・・・発生タイミングが地域内の他企業より早い場合、公表したタイミングで風評被害が発生する可能性と営業訪問キャンセル等が発生する可能性がある

行動基本方針・・・当社オフィスフロアに対して「集団感染防止策」発動

 a  感染者管理及び及び濃厚接触者管理の開始

 b 三密回避レイアウト変更

 c 感染発生部門及び高リスク者のテレワーク移行

 d それ以外の出勤社員に対して朝夕の体温測定

 e    定期的な(午前午後)オフィスフロア内消毒

フェーズ3の場合

事業影響度分析・・・公表した時点で風評被害が発生し、営業および取引の影響が出る

行動基本方針・・・当該オフィスフロアに対して「集団感染抑止策」発動

 a 対策本部を設置し、各種感染抑止策の指示の徹底及びBCP発動タイミング監視

 b 感染者管理及び濃厚接触者管理を継続

 c クラスター発生部門の従業員のテレワーク移行と部門閉鎖

 d それ以外のフロアの出勤社員に対して朝夕の体温測定

 e 定期的な(3時間おき)オフィス内消毒

フェーズ4の場合

事業影響度分析・・・オフィスが閉鎖されると、事業活動としての影響が甚大 事業継続にも影響

行動基本方針・・・BCP発動+当該オフィスフロア閉鎖

 a 当該オフィスフロアの完全消毒(専門業者に委託)

 b 感染者管理継続 濃厚接触者は状況に応じ判断

 c 対策本部は、全従業員に対して毎朝夕の健康状態報告を義務化

   データベース管理を実行

 d   全事業の状況把握と事業継続活動

フェーズ5の場合

行動基本方針・・・BCP解除し、集団感染防止策へ移行(フェーズ2へ移行)

この記事の内容はあくまでも参考で、自社に合ったフェーズ設定と行動基本方針を策定してください。しかし、フェーズに合った行動基本方針を直ちに実行することです。素早い対応が感染封じ込めに役立ちます。BCPが発動されるような事態(上記フェーズ4)にだけは移行させないように、注意してください。

また、上記設定に利用した数字(感染者数やクラスターの定義)は状況に応じて柔軟に変化させることを意識しておいてください。

リーダーに必要なのは、素早い対応臨機応変な対応力です。