中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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「半沢直樹」に憧れる人は要注意

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で450人、うち東京116人、神奈川79人、大阪67人、愛知27人、福岡35人などとなっています。休日で検査件数が少なかったとはいえ、少しずつ減少傾向にあります。東京では3か月ぶりに「夜の街関連」の感染者は確認されず、家庭内感染が1位となっています。各地で、マッサージ店、医療関係、学校関係などでクラスターが発生し、まだまだ安心できる状況ではありません。

先日も書きましたが、コロナ倒産が増えてきていますが、コロナ禍を乗り切ろうと努力している多くの中小企業があります。「あの手この手」「なりふり構わず」と言っていいでしょうが、朝日新聞に生き残りをかけて泥臭く頑張っている大阪府下の中小企業が紹介されていました。

先ずは、東大阪市に本社を置く航空部品を製造するA社。航空業界が苦境にある中、同社も経営に詰まり、売り上げは半減、人件費の削減などでやりくりしてきましたが、秋以降はさらに厳しい状況が予想されます。そうした状況でA社が始めたのが、他社が製造した除菌脱臭機の販売です。A社社長は「うちはモノづくり企業。(他社製品を売るなど)こんなことはしたくないが、今はなりふり構わずやるしかない」と言っています。生き残りをかけた戦いです。

次は八尾市に本社を置くプラスチック製造を行うB社。コロナ禍で大手メーカーの新規受注が止まり、不要になった机や紙を売るなどしてしのいできました。このままでは来春までは持たないと言います。3年前から販売している自社ブランドのシャンプー容器に望みを託します。液体が底に溜まってもスクリューが回転してかき集めポンプで吸い上げるので最後まで使い切ることが出来るというのがウリです。コロナ禍の巣ごもり傾向でネット注文が増えているということです。B社社長は「下請けの限界が分かった。自社製品がどこまで通用するか、それに賭けるしかない」と言っています。中小企業でもちょっとしたアイデアを形にできれば生き残りの道があるということです。

最後に八尾市のおもちゃメーカーC社。元々は鉄道グッズを中心に販売していましたが、コロナ禍で売り上げが激減しました。そこで社長が目を付けたのが吉村洋文知事です。吉村知事の人気にあやかり吉村知事関連グッズの製造です。吉村知事の顔写真を入れたマグカップやTシャツです。吉村知事の許可を取ったということですが、八尾は松井一郎市長の地元、「松井市長や維新の会が作らせている」と販売中止を求める声や嫌がらせがあるようです。しかし、C社社長は「節操のない商売かもしれないが、生活のため、背に腹は代えられない」と言っています。法に触れなければ、会社や社員を守るために何でもやるということです。

大阪人のド根性を見る感じがしますが、コロナ禍を乗り切るためには我武者羅にやれることはどんなことでもやるという気概が必要です。そうした気概が会社を一つにします。

さて、日曜午後9時と言えば「半沢直樹」ですが、相変わらずの人気です。今日はプレジデントオンラインの「『半沢直樹』に憧れる人は要注意、40代で伸び悩む人の共通点」という記事を取り上げます。

半沢直樹」のようにカッコよく仕事の壁を突破することに憧れる人は危ないというのです。組織というのは仕事ができる人が出世する世界ではありません。仕事は出来るのに40代になって出世や昇進が止まってしまう人は意外に多いのです。30代は「仕事のスキル」で出世するのですが、40代以降は「組織のスキル」で出世するのです。

30代は「どんな手を使っても数字さえ上げていればいい」という考えが通用していましたが、40代ともなると会社の方針に則った形で数字を上げることが求められます。例えば30代までは無理な押し込み営業で数字を上げても評価されましたが、40代以上になると顧客満足度重視という視点でクレームのない営業が要請されるのです。数字さえ上げればよいとは言えないのです。むしろ「会社の方針を乱す者」として評価を下げられることになります。

組織において部門間の二律背反が発生することがあります。30代まではこうした壁を強行突破しても「できる奴」と評価されるかもしれませんが、40代になって同じことをして半沢のように相手を土下座させるような社員は「空気が読めない奴」と判断されます。40代以降に必要なのは、調整能力です。事前に各部門や上司、トップに根回しして、角を立てずに物事を進めていくということです。これは全体を俯瞰し、状況を分析し、全体最適に向けて調整するという高度なスキルです。このスキルを身につけることがリーダーとなるためには必要です。いかに正論を述べたところで一匹狼ではリーダーにはなれません。

40代になったら絶対に口にしてはいけない言葉があると言います。それは「上のやり方は間違っている」「上はこう言っているが俺はこう思う」という言葉です。若いうちは「上司に立てつく部下」は支持されることもありますが、40代にもなってそのような言葉を吐いていると「そう言うならあんたが何とかしろよ」と逆に反感を買います。

また、社内でつるまないという人もいます。若いうちはそれでよいのかもしれませんが、40代以上になると社内人脈は重要です。社内人脈がないと仕事がうまく回りません。何かあったらすぐに相談できる相手がいて、根回しできる相手がいるということで、問題をスムーズに運ぶことが出来るのです。自分磨きには社外人脈も重要ですが、40代になればまずは社内人脈からです。

ドラマの「半沢直樹」はかっこいいかもしれませんが、現実の会社ではああはいきません。「会社に頼らず生きていけ」で成功するのはずば抜けて能力が高い一握りの人だけです。「半沢直樹」を真似しても干されるだけです。最終的には組織を追い出されてしまいます。「半沢のようにカッコつけて失敗する」か、それとも「カッコ悪くても地道に成果を出す」か、どちらがいいでしょうか。選ぶのはあなたです。