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仮説推論で解く今後の新型コロナ

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おはようございます。

昨日の新規感染者数は全国で712人、うち東京は276人、神奈川112人、大阪93人、愛知36人、福岡24人などとなっています。東京では八丈島で初の感染者が出たり(5人)、大相撲玉ノ井部屋の力士19人の感染が確認されました。全国的には減少傾向にあるものの、1人の感染者が何人に感染させるかを表す「実効再生産数」は東京、大阪、愛知、福岡、沖縄などで直近は1を下回ってきています。政府の専門家会議は、その要因として接待を伴う飲食店への対応や市民の行動の変化が挙げていますが、東京と大阪では0.9台で再拡大への警戒を続ける必要があると言っています。まだまだ注意が必要です。

今日は、ダイヤモンド・オンラインの「コロナ感染のピークは本当に過ぎたのか?コンサル視点で導く意外な結末」という記事を取り上げます。これは、感染症が専門ではない経営戦略コンサルタント鈴木貴博氏がコンサル視点(危機管理)から、今後コロナが沈静化していくのかを説明したものです。この結論自体が正しいというわけではありませんが、経営コンサルという人種がどのような考え方をするのかを知る機会にはなると思います。タイトルのように「意外な結末」ではありませんが。

まず、論理的推論法には3つあって、演繹法帰納法、仮定推論です。

演繹法は、一般的かつ普遍的な事実を前提としてそこから結論を導き出す方法です。それに対し帰納法は、さまざまな事実や事例から導き出される傾向を纏め上げて結論につなげる方法です。それぞれ例を挙げて説明されています。

例えば、演繹法では、「新型コロナは感染者の飛沫が自分の手指を通じて体内に入ることで感染する」という大前提があり、「3日前に近い距離で2時間以上大声で話した友人が感染した」という中前提を介して「自分もコロナに感染した可能性がある」と言う結論を導き出す論理推論です。論理的には明確ですが、大前提の段階で原因が解明されている現象ですか役に立ちません。

帰納法では、「今日マスクをして外出したらコロナにかからなかった。昨日も一昨日もマスクをして外出してコロナにかからなかった」「だからマスクはコロナの予防になる」というように、限られたサンプルから見置て大丈夫だから今回も大丈夫だろうという論理推論です。

この2つについては、高校の授業でも習いますが、何らかの解明がなされているか、経験的にいいと分かっているケースでしか使えません。

解明されていない事象を予測する論理手法が第3の「仮説推論」です。これは、何か新しい現象が起きているときに「そのような現象が起きているということは、その前に何があったのだろうか?」という点を推論する論理手法です。この仮説推論は新型コロナのような未知の不思議な現象の謎を解くのに向いている思考法なのです。「9月に入り新型コロナの新規感染者が目に見えて減ってきた。いったい何が起きたのだろう?」と言うことを考えるのが仮定推論です。「何が起きたのか」については次のようなことが挙げられます。

  • PCR検査数が減っているだけで、本当は感染者は減っていないのではないか
  • 7月から感染者が再び増加したので、怖くて家に引き込んだのではないか
  • ウイルスが全体的に死滅し始めたのではないか
  • 日本全体で集団免疫がついてきたのではないか
  • 新しい生活様式が広まり、感染が広がりにくくなったのではないか

PCR検査については1日2万件の検査体制が整っており、休日を除き検査数が減っているわけではありません。またグーグルのGPSデータから見れば8月から9月にかけての外出状況は微増傾向にあり、怖く減人が家に引き込んだということもありません。アメリカ、ブラジル、インドではまだウイルスは猛威を振るっていて、日本だけウイルスが死滅し始めたということは出来そうにありません。また、集団免疫で言えば感染が広がっている国の方が集団免疫はできやすく、こうした国の方が第2波の減少が先に起こるはずで日本の第2波収束の理由とは言えないように思います。

7月の感染再拡大によって「お盆休みや夏休みに帰省や旅行を控える人が増えたのではないか」という仮説がありえます。今回の第2波のピークは8月の第1週頃で、そこでの行動変化によって8月中旬から下旬の新規感染者が減少に転じています。つまり仮説で考えると、夏休みの行動変化(帰省や旅行の抑制)が第2波の収束の原因という仮説は極めて有力だということです。もし、それが有力なら、この語の新型コロナはどうなるのでしょうか。こうした未来の予測では、逆に帰納法演繹法が役に立つと言っています。なぜなら帰納法演繹法は、夏休みの行動変化と言おう解明された自称や経験から推論できるからです。

「過去に国民の行動が変容してコロナへの警戒が高まったらコロナの感染は収束した」

「過去に国民の行動が緩んだら、新型コロナの感染が急に拡大した」

この2つの命題を経験しています。ここから帰納法により言えることは「この語、また緩みが起きたら新型コロナが再び急拡大するだろう」と言うことです。

帰納法演繹法、仮定推論なんていう難しいことを持ち出さなくても当然のことですが、論理的思考とはそういうものです。

次に、いつ再拡大するのかについて考えてみます。

演繹法で言えば、「無症状の要請患者から、すでに何人もの新規感染者が出ている」「無症状の要請感謝を見つけることは難しい」ということから「今後新規感染者の抑制は難しい」という結論が出ます。

第3波が起きるリスク要因としては次のようなものが挙げられています。

  • 夏休みが終わり学校が再開した
  • 8月に自粛していた人が9月、10月になって我慢できなくなって夜の街に戻ってくる
  • 新規感染者数の減少で、今のうちに旅行に行こうとする人が増える
  • 冬に自粛大気になるだろうから、今のうちに友人と会って会食しよう

これら以外にも考えられます。

  • 東京除外だったGoToトラベルに東京が解禁されることで旅行者が増える
  • GoToイーツが始まり会食や飲み会が増える
  • 東京の飲食店の時短が解除され夜の街に人が増える

こうしたことを「やめろ」と批判できません。当然に起こってくる現象です。新型コロナはワクチンが開発され完全に抑え込まない限り、決してなくなりません。これからもウイズコロナとして共存していくしかありません。その中で「引き締めと緩み」のサイクルが繰り返されていくということです。

この記事では、新型コロナの第3波は次の緩みの後、「10月後半から11月頃」と推論しています。

おおむね間違っていないようにも思いますが、今の感染者数の減少は緩やかなので、まだ気を緩めず用心しているように思います。全国の感染者数が200人、東京が50人を下回るようになると一気に気が緩むように思います。その時期がいつかによって第3波の時期は変わるように思うのですが・・・専門家ではないので分かりません。