中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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従業員エンゲージメント

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で219人、そのうち東京59人、大阪39人、神奈川11人、愛知14人、沖縄13人などとなっています。東京が60人を下回るのは6月30日以来ですが都の担当者は「連休中は検査数が少ない。感染者が減少して安心な状況とは思っていない」と説明しています。沖縄では「感染流行期(第3段階)」から「流行警戒期(第2段階)」への引き下げが検討されましたが、「局所的に感染の火種が残っている。連休中の人の移動が活発になった影響をしっかり見極めないといけない」との理由で見送られました。連休中の観光地の人出は昨年度よりも多く、観光地・行楽地や街中は人であふれていました。この影響をしっかりと見極めたうえで次の対策を検討する人ようがあります。状況を見極めながら段階的に緩和したり強めたり臨機応変に対処することが求められます。

東京商工リサーチの調査によりますと、今年1月から8月までの休廃業・解散件数が3万5816件となり、これは国内全企業358万社の約1%に相当します。当然、新型コロナ感染拡大の影響です。「1%」というのを大きな数字と見るかは見方にもよりますが、100社のうち1社の割合で、休廃業・解散という手法で倒産する前に会社を畳んでいるというのはかなり大きな数字だと思われます。前年同期と比べても24%増ということですが、新型コロナの企業経営に与える影響は今後秋から年末にかけてさらに大きくなることが予想され、更に倒産・休廃業・解散する企業が増加するように思います。企業の倒産、休廃業などは当然失業者の増加につながります。中小企業の支援と雇用対策は菅政権にとって急務です。

さて、今日はヤフーニュースにあった「従業員エンゲージメント」について触れたいと思います。「従業員エンゲージメント」というのは、従業員が組織や仕事に対して自発的な貢献意欲を持ち、主体的に取り組めている状態を表す指標です。簡単に言えば、「会社・組織・職場や職務への愛着度を示す指標」のことです。エンゲージメントが高まれば、従業員の離職率が低下したり生産性が高まるとされています。新型コロナウイルス感染拡大に伴うリモートワークにより、社内コミュニケーションが低下していく中で、組織と社員、社員同士の結びつきを補っていくのかが重要な課題となり、「従業員エンゲージメント」を可視化できるITツールが注目されているのです。このツールはいくつかあるようで、従業員に何種類かの質問・アンケートを出しその回答で従業員の意識を簡単に把握するものから、職務のやりがいや人間関係などの評価を可視化し総合評価のみならず各項目について部署や年代といったグループ単位で確認できるものや、事業戦略や経営・上司などを評価する匿名調査まであります。エンゲージメントスコアを利用した上司と部下の面談を通じ、リモートワークによって減った社員間のコミュニケーションを補うだけでなく、組織改革にも役立てられるようになっています。

こうしたITツールには組織や従業員の状態を手軽に診断できるという強みはありますが、診断後に改善や変革に利用しないのでは意味がありません。逆に何もせずに手をこまねいていれば従業員の疎外感や不満が爆発し離職率が上昇し生産性も低下することになります。

日本は欧米に比べて従業員エンゲージメントが低いと言われています。その理由として挙げられるのが、「日本は終身雇用のためにただそこで働いていれば年功序列で給料は上がる。企業もエンゲージメントという概念がなく社員のモチベーションを上げる取り組みを行う必要がなかった」ということです。終身雇用・年功序列で職場や仕事に対する愛着度が高まるのではなく、逆にある意味なれ合いになって低下するのです。

今は、働き方改革が叫ばれ、コロナ禍で事業環境も大きく変化しています。人材の流出抑制や仕事の生産性向上のために「従業員エンゲージメント」という概念を取り入れ、積極的に従業員のモチベーションを高めるとともに組織の改善・変革を行う時期ではないかと思います。