中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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中小企業の生産性低迷は大企業の問題!

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で620人、そのうち東京150人、神奈川88人、埼玉50人、千葉49人、大阪82人、愛知36人、沖縄37人、北海道22人などとなっています。大阪では関西大学堺市内の病院でクラスターが発生し、青森県弘前市ではくらびゃスナックでクラスターが発生しています。

感染力のある新型コロナウイルス自体を利用した世界初の実験が東京大学医学研究所で行われました。マネキンから噴射された生の新型コロナウイルスが、対峙する人工呼吸器をつないで人間の呼吸を再現したマネキンが、どれだけ吸い込むかを調査・研究したものです。これによりますと、マスクには一定の防御効果があることが実証されましたが、顔に密着させて着用することが重要だということです。マシウ苦を密着させて着用するということは分かりますが、市販の使い捨てマスクではどうしても隙間が出来ますし、密着させると息苦しくなったりしてついずらしたりしてしまいます。人と密着する場面ではマスクを密着させて着用し、人が少ないところでは外したりずらしたりと臨機応変に対処するのがよさそうです。

一昨日、日中ビジネス往来を近く再開することを書きましたが、政府は、今度は72時間以内の「超短期滞在」のビジネス関係者らを条件付きで受け入れる方向で調整に入ったようです。この場合、14日間の待機は免除されます。経済的に結びつきが強い国や地域を対象として、日本への入国のみで、海外とのビジネスを促進し、新型コロナで落ち込んだ景気の回復を後押しするのが狙いのようです。ビジネス目的での訪日客が負い30か国・地域を想定しているようですが、この中にはいまだに感染が落ち着いていない米国やインドなども含まれそうです。相手国・地域の感染状況を踏まえ、しっかりと厳格に対象国・地域の絞り込みを行ってもらいたいものです。

アトキンソン氏に反論するー日本の生産性低迷は大企業の問題だ」というヤフーニュースを取り上げます。この記事は、公益社団法人中部圏社会経済研究所研究部長の島澤諭氏が書かれています。

アトキンソンと言えば何度か名前を挙げていますが、日本の生産性の低下の現況を中小企業とし中小企業の淘汰を主張する菅首相のブレーンの一人で先日菅政権の成長戦略会議のメンバーに招聘されました人物です。

財務省の「法人企業統計調査」によれば、日本の企業規模別に見た労働生産性は大企業ほど上昇し、中小企業ほど停滞・減少しています。このことだけを見るとアトキンソンの主張は正しいように思えてきます。

ここでいう労働生産性は、付加価値(売上高-生産コスト(人件費・原材料費等))を労働者数で割ったものです。労働生産性を高めるには付加価値を増やすか労働者数を減らすかです。

この記事では、分子である雇用を減らすことで生産性を改善することを偽りの生産性改善、分母である付加価値を増やしつつも分子の雇用も増やすことで生産性を改善することを真の生産性改善と呼んでいます。偽りの生産性改善は、売上高を上げなくても雇用を削減して人件費をカットすれば実現できますが、真の生産性改善は、新技術や新製品の開発、人材教育などに寄らなければ実現できません。

この記事では、先ほどの「法人企業統計調査」の企業規模別の労働生産性について、何が生産性を向上させているのか、何が生産性の向上を阻んでいるかを検証しています。

結論だけを言えば、大規模製造業の労働生産性改善は偽りの生産性改善に過ぎないということです。つまり、90年代以降の大企業、特に製造業の労働生産性は雇用削減と売上高維持によって押し上げられているだけなのです。

一方、中小企業では、雇用吸収(雇用増)と売上減が労働生産性の押し下げ要因になっていますが、1990年代以降は付加価値率の伸びが改善されており、真の生産性改善が実現されています。中小企業では真の生産性改善があるにもかかわらず、全体としてみた生産性はマイナスとなっています。

この記事では、これは中小企業の問題ではなく、我が国の下請けや中間搾取の構造問題であり、こうした問題にメスを入れない限り、真の生産性改善を実践している中小企業が飛躍する機会が得られないと言っています。

大企業は、デフレや新興国企業の勃興で国際競争力が低下し売上高減少に直面した場合、付加価値向上による真の生産性改善ではなく、人件費削減(雇用削減)や下請け企業による納入価格の引き下げなどによって生産国とを引き下げ、少ない売り上げでも利益を出す仕組みを構築し、そのツケを祓い生産性が低下しているのが中小企業です。

こうした構造的な問題にメスを入れて改善しない限り、アトキンソンが主張し菅首相が推し進めようとする中小企業の編成・淘汰(地銀の編成も含め)を行ったとしても、日本経済の土台を切り崩し、弱体化させるだけです。

大企業は、効率化やコスト削減の無理を弱い立場にある下請けに押し付け、下請けはブラック労働の無理をさらに弱い立場にある労働者に押し付ける日本の「非効率的な産業構造」、こうした負の連鎖を断ち切るためには、下請けや、下請けで働く弱い立場にある労働者の地位を高めるしかないのです。

以前「パートナーシップ構築宣言」の所で書きましたが、「不合理な原価低減要請は行いません。下請事業者から協議の申し出があれば協議に応じ、下請事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議します」というパートナーシップ構築宣言を広め、下請けのような弱い立場にある事業者が大企業と対等の立場で協議でき、共存共栄で日本経済をもいり建てて行けるならば、日本経済が立ち直れる余地はあります。

しかし、中小企業の編成や淘汰を優先すルだけならば、日本経済は土台から崩壊してしまいます。

政府のはしっかりとした対策をとり、中小企業庁は、単なる理念に留めることなく「パートナーシップ構築宣言」に多数の企業が参加するように推し進めてもらいたいものです。