中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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在宅勤務に成功した企業の共通点

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2434人、そのうち東京500人、神奈川214人、埼玉150人、千葉76人、愛知219人、大阪427人、兵庫123人、北海道176人などとなっています。

日本医師会の中川会長は、「新型コロナを甘く見ないでください。未知の領域も多い」と述べたうえで、コロナを「これ以上、感染者が急増すれば新型コロナウイルスとそれ以外の疾病への医療提供の両立が不可能になる。実際に、癌や心疾患、脳卒中の受け入れが難しくなってきた地域も出ている」と言い、「『勝負の3週間』も折り返しにある。新たな年を、いつものように迎えるために、まさに『この師走は正念場だ』」と感染防止の徹底を呼びかけました。

一方、政府は、GoToトラベル事業の来年6月末までの延長を決め、更にGoToイートについてプレミアム付き食事券の追加発行と期間延長の検討に入りました。はっきりと言って、現時点で決定や検討すべき課題ではありません。今やるべきは新型コロナ感染防止対策の徹底と医療崩壊防止のための医療体制の整備です。GoToはいったん中止して、新型コロナが収束した後で行う政策です。元々そういう話でスタートさせるものでした。ところが、業界からの要望で、二階幹事長ら観光族議員が強引に時期を早めて進めた結果現在の状況に至っています。政府としては、第3波の感染拡大の原因はGoToではないというしかありません。しかし、誰の目から見てもGoToが感染拡大の一因であることは明らかです。本来ならば、GoTo事業を進めるにあたり感染が拡大した場合にどうするかを予め決めておくべきだったのにそれがなされず、見切り発車させました。それならば、間違いであったと気づいた段階で、素直に間違いを認めて軌道修正することが強いリーダーに求められることです。

菅首相は、就任以来まともな記者会見も開かず、国会答弁でも秘書官から逐一メモが入りそれを読み上げているだけ、情報発信能力に欠けていることは明らかです。臨時国会が閉幕する12月4日夕に記者会見を開くようですが、そこでどのような話がなされるか、期待せずに見てみたいと思います。

今日は、JBpressの「在宅勤務へのシフトに成功した企業の共通点」という記事を取り上げます。新型コロナの感染が再拡大し、緊急事態宣言発動の条件とされるステージ4に達する地域が出てきています。西村担当相は、経済3団体の幹部とテレビ会議を行い、人との接触を減らさなければならない状況にあるとして、テレワークのさらなる推進に協力を求めました(一方で人の移動や会食を認めるGoTo事業を推進し矛盾していますが)。

第2波が落ち着き始めた頃から、「原則出社」に戻ってしまった企業も少なくありません。「原則テレワーク」「テレワークと出社のブレンド」「原則出社」という3つの形態に分かれてしまっています。

こうした対応の違いについて、7月22日付けダイヤモンド・オンライン「なぜ『原則出社』に戻ってしまったのか、テレワークを阻む5つの壁」では、「緊急事態宣言中あるいはその前に、テレワーク下で起きる「5つの壁」を乗り越え、テレワークに適した組織になっていたかどうかで生まれている」と言っています。

ここで挙げられている「5つの壁」というのは

  1. 経営者層が「メリットがない」と考えている
  2. 「業務を切り分けられない」という思い込み
  3. 上司と部下のコミュニケーションに負荷
  4. IT化、モバイルツールの未整備
  5. 社員を大人として扱っていない

の5つです。ここに挙げられている5つの壁がテレワークを阻む要因であることは間違いありませんが、テレワークによるメリットも実感できたはずです。それぞれの企業が対面とリモートをうまく取り入れテレワークで新しい働き方を築き上げる良い機会ではないかと思います。

今日取り上げる記事では、日本テレワーク協会の理事田宮一夫氏がテレワークに成功した企業の共通点を説明しています。

まず、田宮氏は、「テレワークの導入を目的化してはならない」と言っています。私も何度か目的と手段を分けることの重要性、手段の目的化について書きました。テレワークの導入が目的ではありません。「なぜテレワークが必要なのか」をきちんと考えて伝えることが重要で、「社会」「企業」「従業員」という三位一体の考え方の下で持続的にテレワークを推進する必要があります。

テレワークは、コロナ禍で注目されてきましたが、もともとは働いている人のワーク・ライフ・バランスや生産性向上のための選択肢の1つにすぎません。テレワークを導入して生産性が下がるようであれば、テレワークという選択肢を外すことも考えないといけません。

東京都が展開していた「テレワーク・デイズ」というのがあります。これは、東京オリンピックパラリンピックで海外からの入国者増、交通事情などさまざまな問題が出ることからテレワークを予行演習として行っていたもので、2017年から年に約3000社、計60万人以上の人が参加し、テレワークを体験し、在宅勤務でできることとできないことの精査を行っていました。昨年9月の台風15号で、約270万人が帰宅難民となったわけですが、同時期に「テレワーク・デイズ」が実施されていて、参加企業の従業員はテレワークという選択肢があったことで柔軟に在宅勤務に切り替えることが出来ました。

このように「テレワーク・デイズ」に参加し準備が出来ていた企業が比較的スムーズに在宅勤務に移行できたことを考えると、「有事に備えた平時の取り組み」が重要であると言っています。

そして、テレワーク推進に向けた3つの論点があると言います。

  1. 労務管理・・・在宅勤務はオン・オフの切り替えが難しいからこそ、労働時間の把握や長時間労働の抑制が重要
  2. IT環境整備、セキュリティ・・・自宅のWi-Fi ルーターを使う場合の費用負担やセキュリティ対策の再考
  3. コミュニケーションと評価の視点・・・どのようにコミュニケーションの方法を確立して、どんな観点で評価するのか

テレワークの形態として、①自宅利用型 ②モバイルワーク ③サテライトオフィス型の3つがあります。

テレワークを導入すると従業員の生産性が落ちると言われますが、何の準備もせず在宅勤務だけを実践しようとすれば生産性が低下するのは当然です。生産性を高めるために、いかに移動時間や通勤時間の無駄をなくすか、いかに自由に働く場所(自宅・モバイルワーク・サテライトオフィス)を選べるようにするか、といったことがテレワーク本来の論点です。

テレワークには、①生産性・効率性の向上 ②コスト削減 ③育児・介護に携わる従業員の継続雇用 ④多様な人材の確保 ⑤優秀な人材の確保 ⑥事業継続性の確保というメリットがあります。

反面、①勤怠管理が複雑 ②セキュリティリスクが高まる ③コミュのケーションが少なるなるというデメリットが指摘されますが、これらは上記3つの論点と重なります。

新型コロナとの闘いは長期化しますし、テレワークは働き方改革の要になり、一時的なものではなく長期的な働き方改革となります。いかにメリットを生かし、いかにデメリットを克服していくかということが重要です。

そのためにも場当たり的に導入するのではなく、しっかりと対策を練って、十分な下準備を行ったうえで導入することが成功につながるように思います。

繰り返しになりますが、テレワーク導入が目的ではありません。「なぜ、自社においてテレワークを導入する必要があるのか」「テレワークを導入できる業務とできない業務は何か」「どのようにテレワークと出社のバランスを図るか」といった点を考慮して、テレワークを導入を検討すべきです。