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2021年のコロナ対策はどうなる?

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2396人で月曜としては過去最多、重症者も661人と過去最多を更新しました。その内訳は、東京481人、神奈川334人、埼玉184人、千葉175人、愛知122人、大阪150人、兵庫108人、福岡142人、北海道94人などとなっています。首都圏を中心に一向に感染拡大が収まりません。

こうした中、英国型の変異種の他南ア型の変異種も国内で見つかりました。既に変異種の感染者も15例となり、感染拡大が懸念されます。イギリスでは10月に初めて変異種が確認され12月には感染者の80~90%が変異種によるということなので、変異種の感染力の強さが分かります。しっかりとした水際対策が求められますが、既に国内に流入しているのではないかという懸念が尽きません。

菅首相は、「国民のみなさんの命と暮らしを守るため、先手、先手で対応するために、全世界から外国人の新規入国者の停止を発表させていただきました」と胸を張っています。支持率低下やガースー発言・ステーキ会食などに対する国民の批判から、方針に変化が生じたことは事実ですが、後手後手に回る政策は変化はありません。また。全世界を対象にと言いながら、中韓など11か国の国や地域で実施しているビジネス往来は引き続き認められ、中途半端、ザルのような政策です。ウイルスに国境もなければ国籍もありません。こうした国や地域から容易に流入してきます。ここでも親中派の代表である二階の影響が出ているのでしょう。

また、立憲民主党羽田雄一郎議員が53歳の若さで新型コロナウイルスが原因で亡くなりました。羽田氏は、24日に感染者と接触、その夜に発熱、PCR検査を予約し27日の検査日に検査に向かう車中で容体が急変し死に至ったとされています。感染者と接触したのち発熱しコロナ感染が疑われる人に対してPCRが実施されるまで4日も日数がかかるというのはいかがなものなのでしょうか。感染が疑われるなら即座にPCR検査が実施できる体制を整えなければならないともいます。年末の帰省に合わせPCR検査を受けようとする人が増えているようですが、その結果感染が疑われる人の検査が後回しにされるようなことがあってはいけません。

菅首相のステーキ会食、橋本聖子の寿司会食、竹本直一前IT相の政治資金パーティー参加後のコロナ感染、宮腰光弘寛元沖縄・北方担当相の懇親会出席後の骨折など、気が緩みっぱなしの政界(すべてが自民党議員です)に、羽田氏の訃報は政界に大きな衝撃を与えたと思います。これまで、専門家の「コロナを甘くみないでください」との警鐘を無視し、経済優先に突き進んでいた政府が、新型コロナの恐ろしさを身近に感じ、しっかりとした感染防止策をとるようになることを期待します。

今年は、新型コロナウイルスに振り回された年でした。未だ新型コロナウイルスが猛威を振るっているのか、来年も少なくとも夏頃までは新型コロナとの闘いは続きます。

さて、今日はビジネス関連の記事ではなく、ダイヤモンドオンラインの「2021年のコロナ対策はどうなる?」という記事を取り上げます。この記事では、日本感染症学会理事長の舘田一博氏にコロナ対策の現状や今後の展望について訊いたインタビュー記事です。

舘田氏は、ボーダレス化、グローバル化が進むと、世界の裏側で流行している感染症が持ち込まれるリスクも高まり、パンデミックも起こりやすくなると言われ、いつかパンデミックが起きると予想されていたと言います。社会としては知識と経験積み上げてリスク回避に向けた備えをしておかなければならなかったのに、準備不足であったことは否めません。

舘田氏は、これまでは日本国民の努力・強さで何とか医療崩壊を回避してこれたが、最近の感染者増から、何とか抑え込めるのか、このまま感染者数も死亡者数も欧米並みに増加する事態になるのか、分からなくなってきていると言っています。

重症かをどうやって抑えるかと言うところの経験は蓄積されてきていますが、本当の意味での治療法はまだないようです。でも油断はできません。日本のどこかで医療崩壊が起きればパニックになる恐れがあるからです。日本人は同町圧力に弱く、パニックになりやすく、一か所でパニックが起きると全国に急激に広がってしまいます。2009年の意新型インフルエンザの時も世界で一番死亡率が低かったにもかかわらず、メディアが煽ることもあってパニックになりかけました。冷静な対応が必要です。今年はまだインフルエンザの流行はありませんが、インフルエンザの流行と重なった場合どうするのか、大地震のような災害が起きた場合にどうするのか、しっかりとシミュレーションをして備えておくことが大事です。

舘田氏の話によれば、全国にある400余りの感染症指定医療機関のうち、感染症専門医が在籍しているのはおよそ35%、144施設しかないというのです。感染症指定病院なのに専門医がいない病院が65%もあるというのは驚きです。舘田氏が言われるように、すべての感染症指定医療機関に専門医を設置すること、あるいは専門医がいない感染症指定医療機関には速やかに専門医を派遣できる仕組みを作ることは必要です

新型コロナが収束してもまた新たな感染症は現れます。一長一短には出来ませんが、専門医の育成も重要です。それが感染症に強い社会を作ることにもつながります。

新型コロナについては、治療薬もできていません。レムデシビルもアビガンもそれほど効果は期待できません。ワクチンについても、どの程度の効果があるのか重症化を抑制できるのか、副作用はどうか、ということもまだ分かっていません。舘田氏は、冷静に慎重に対応していかなければならないと言います。欧米人に効果があっても日本人に副作用が出ることもあり得るのです。

最も重要なのは、重症化しやすい高齢者や基礎疾患を有する人を守るための対策です。それは、感染させないということです。感染させないことこそが最善の治療法だと言います。それには、言い古されたことですが、3密を避け、マスク、手洗い、換気、少人数での会食などの新しい生活様式の実践を続けるしかあません。

しかし、新型コロナの感染御坊と社会経済の両立、そのバランスをどうするかは悩ましいと言っています。人の動きを止めて、濃厚接触をなくしさえすれば感染症は収まりますが、ロックダウンのような形で都市封鎖をすれば社会経済へのダメージは計り知れません。GoToキャンペーンは「油断しても大丈夫」という誤ったメッセージを伝えてしまったのなら、一旦停止し、感染を押さえて再スタートをするというような対策が必要です。つまり、アクセルとブレーキの使い分けが重要ということです。

この1年で、大きなパンデミックを経験し、われわれは変わらなければなりません。今回のコロナが収束しても感染症との戦いは終わりません。新しいウイルス・感染症が生まれ新たなパンデミックが今後も起きることは間違いありません。

大事なのは、これで終わりではないという意識を共有し、それに備えるよう世界で対応することです。グローバル化、ボーダレス化の中で、人の移動は避けられませんし、ウイルスも当然移動してきます。世界が連携して準備を進めることが必要になると言っています。

日本においても、国は当然のことながら各企業もリスク管理の体制をしっかりと確立し、今回の新型コロナが与えた影響やそれに対する対処方法などを検証・分析し、その結果や経験を次に生かせるように積み上げていくということが重要です。

今年もあと3日、明日12月30日から来年1月3日までは、休日として時間のある限り「休日の本棚」として本の紹介や「休日のつぶやき」として更新する予定でいます。(何日かは休むかもしれませんが)宜しくお願いいたします。