中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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動かない部下へのマネジメント、社員に身につけてほしいスキル

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で5670人、そのうち東京1471人、神奈川731人、埼玉436人、千葉481人、愛知270人、大阪501人、兵庫237人、京都140人、福岡285人、北海道130人などとなっています。東京の感染者数は1月7日2477人、1月14日1502人、1月21日1471人と減少傾向にあるように見えますが、9日連続1000人を超えていて、緊急事態宣言の期限である2月7日に目標である500人にするのは難しそうです。東京以外の地域では横ばいでそれほどの減少傾向が見られません。専門家が言うように今回のような中途半端な緊急事態宣言では効果が薄く、緊急事態宣言の延長はやむを得ないのかもしれません。しかし、2月7日まで2週間、国民一人一人がしっかりと気を緩めることなく自粛し感染防止に努め、目標に近づけ、できるだけ早く緊急事態宣言が解除されるように努力しましょう。

アメリカでは、過激なトランプ支持者による議事堂襲撃から2週間、その議事堂で、バイデン新大統領が就任演説を行いました。Unity(結束)やTogether(供に)という言葉を繰り返し、トランプ政権下で深まった分断や憎しみ、傷をいやし国民の結束と融和を訴える素晴らしい内容の演説でした。コロナ禍ということもあり米国の国内情勢もあってほとんどが内政問題に関してで、米中関係や外交国防についてはほとんど語られなせんでしたが、これもやむを得ないところです。

前を向き、力強い言葉で国民に呼びかけています。下を向いて原稿を棒読みするだけで熱意も感じられない菅首相の言葉と違い、これなら国民の心に響いたことでしょう。

バイデン大統領は最後に次のように言って演説を締めくくりました。

「私たちは立ち上がりましょう。このめったにない困難な時を乗り越えましょう。私たちの責務を果たし、子どもたちのために新たなより良い世界を築きましょう。私たちはそうしなければなりませんし、そうすると確信しています。そしてそうする時に私たちはアメリカの物語の次の章をつづることになります。・・・私たち自身の努力と祈りを、私たちの国に繰り広げられてきた物語に加えていきましょう。私たちの日々が過ぎ、それを成し遂げたとき、私たちの子どもたちやその子どもたちは、私たちが最善を尽くしたと言ってくれるでしょう。私たちの責任を果たしたと。分裂した国を癒してくれたと。」

「神や皆さんの前で私は約束します。私は常に正直に話します。憲法を守ります。私たちの民主主義を守ります。アメリカを守ります。権力ではなく可能性を考えて、すべての皆さんに奉仕します。個人の利益ではなく、公益を考えます。ともにアメリカの物語をつづりましょう。恐怖ではなく希望の物語を。分断ではなく結束の。暗闇ではなく光明の物語を。礼節と尊厳、愛と癒し、偉大さと善良の物語を。これが私たちを導く物語となることを。私たちを鼓舞してくれる物語となることを。何年にもわたり私たちが歴史の求めたものに応じたのだということを伝えてくれる物語を。その瞬間に立ち会ったのです。民主主義と希望、真実と正義は私たちの前で死に絶えることなく、むしろ反映していくでしょう。アメリカは国内で自由を確保し、再び世界を照らす灯台になるのです。これこそが私たちの先祖に、私たちに、そして来る世代に負う責務です。目的と決意を持って、確信によって粘り強く、信念に駆り立てられ、お互いに相手に尽くし、心の底から愛するこの国のために、私たちの任務に就きます」

日本のリーダーにもこれくらいの演説をしてもらいたいものです。

さて、今日はビジネス+ITの「経営方針を理解せず『動かない部下』へのマネジメントはどうすべきか?」という記事を取り上げます。

かつては部下の育成・指導は、会社が進むべき方向が明確で、モデルとなる上司像もはっきりしているため、上司の背中を追いかけていくだけでキャリアアップが可能で、会社の成長とともに社員の昇格や待遇アップも約束されているという状態でした。しかし、バブル崩壊後は日本全体がほとんど経済成長しない時代になり、右肩上がりの会社の成長もなくなりました。経営環境が厳しくなると、自分の姿勢を見せるだけでは部下はなかなか危機感を感じて迅速に行動してくれません。動かない部下へのマネジメントをどのように行うべきかということが問題になってきます。

この記事では、「エンゲージメント」が企業や組織の競争力を決める最大のキーになると言っています。「エンゲージメント」というのは従業員満足度のことで、労働環境・上司と部下の良好な人間関係・福利厚生などの面から見た職場の居心地の良さを示す言葉ですが、ここでは社員個人と会社組織の成長が一体となっていると感じる状態だと言っています。会社の成長のために社員の成長やスキルが犠牲になってはいけませんし、組織の成長に貢献しない個人の成長であってもならないのです。

しかし、日本全体の経済成長が難しく、会社の成長が見込めないところでは社員のモチベーションを上げていくことが難しくなります。アメとムチで部下のモチベーションを上げていくという従来型のマネジメントとでは社員は動かなくなります。現在の社員の多くは、「社会にいかに貢献しているか」「自分の成長やキャリアップにどれだけつながるか」を仕事の生きがいと考えており、やりがいが感じられない仕事には積極的に取り組まなくなっています。目標や実績、それに対応する人事評価や処遇といった要素だけでは動かなくなってきています。そのために、会社が目指す方向と部下の担当する仕事がいかに社会に貢献するものか、いかに部下自身の成長やキャリアアップにつながるかを、自分の言葉で丁寧に伝えることが必要です。ここでも必要なのはコミュニケーション力です。コミュニケーション力を高めることが重要です。コミュニケーションというのは人と人との関係で成り立つものです。そのためにも、普段から部下がどのようなことに興味関心があり、何がモチベーションを上げるかを知っておくことが大切になります。

また、部下一人ひとりの強みを把握し、それをさらに磨くことが成果を上げ、どのように組織に貢献できるかを示す必要があります。ここでも、部下の現状を細かく知るために雑談を含めたコミュニケーションが重要です。

この記事では、かつての管理職と今の管理職とでは、以下の3つの社会変化が起きているために、その負担やマネジメントの難しさが大きく増加していると言っています。

1.情報社会になったことで経営トップから新人社員まで情報格差が少なくなったこと

  かつては会社の上層部ほど重要な情報を持っており、それを中間管理職への指示を通じて全社員に少しずつ伝えて浸透させるという方法が採られていました。しかし、現在は、インターネットの普及により組織内の「情報のフラット化」が進みました。そのため「情報を小出しにして部下を従わせる」というマネジメントは成り立たなくなってきています。しかし、インターネットの情報には偏りがりフェイクもあることからビジネス書での最新のテーマで体系的な知識を得ることと、新聞・経済誌などの情報もチェックするということが必要です。アナログとデジタルの情報をバランスよくとることが重要になります。

2.経営環境の変化が早く激しい「先の読めない時代」になり、正解が分からない

  先が読めない時代にポイントとなるのは「仮説を立てること」です。予め絶対の正解が分かるという場面は少ないので、7割程度は正しいだろうという仮説を立て、行動してみる、やってみて結果を検証しながら上手くいかなかった部分を修正するということが必要になります。先が分からず、急激に変化する社会環境の下では、PDCAを高速で回し早く結果を出すということが重要になります。そのために指示待ちするような人材ではなく、自分から考えて仮説を立て、まずは動き出すことができる人材が求められる時代になっています。

3.ビジネスモデルを根本から変えるイノベーションが求められている

 「デジタル・ディスラプション」という言葉がありますが、これは、デジタルの進展が既存のビジネスモデルを破壊してしまうほどの影響を及ぼすことを指す言葉です。こうした状況はどのような業種や会社でも起こり得ます。それをできるだけ早く予測し、イノベーションを起こしていくことが生き残りの条件にもなってきています。イノベーションの鍵の一つは組織内における多様性です。マネジメントの観点から見れば、組織のメンバー一人ひとりの個性や独自の強みをいかに発揮してもらうかが重要になります。先ほどのインターネット情報では、自分がよく見るコンテンツによって似たコンテンツばかりがリコメントされ、似たような情報ばかりが上位に表示され、情報の偏りが起きるのです。多様な価値観をぶつけ合い議論するということが重要になります。

別の記事で、コロナ禍で経営者が社員に習得してほしいスキルトップ3が挙げられていました。それによると

第1位 チーム力(周りと協力する力)

第2位 業務遂行力

第3位 多様性・困難を乗り越える力

となっています。「困難を乗り越える力」を求める理由として「様々なことが不確実で、未来が予測できないから」「以前の常識が常識でなくなる可能性があるから」が挙げられています。

個人の成長が企業の成長につながります。チーム力、業務遂行力、多様性・困難を乗り越える力は、コロナ禍で最も重要なスキルです。このようンさスキルを持つ人材を育成することが企業に求められますが、その根底にあるのは、上司と部下との人間関係、コミュニケーションにあるように思います。