中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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組織を腐らせるリーダー

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3990人、そのうち東京986人、神奈川554人、埼玉285人、千葉328人、愛知164人、大阪421人、兵庫178人、京都115人、福岡224人、北海道94人、沖縄76人などとなっています。東京が1000人を下回ったのは12日ぶり、全国で4000人を下回ったのは20日ぶりで、検査数が少ない休日分とはいえ、喜ばしいことです。このまま感染者数が減少に転じてくれるといいのですが、相変わらず、週末の駅や繁華街も人出で混雑していました。感染者数が減少したからといって気を緩めると再び感染が拡大します。

ナショナルジオグラフィック日本版に「『早さ』と『徹底』が対策の鍵だった、スペインかぜの事例【感染症、歴史の教訓】」という記事によれば、1918年に爆発的に感染し世界で5000万人が亡くなったスペインかぜについて、

  • 感染が発見され2日後に集会を禁じ自宅隔離を決断したセントルイス州では、感染の速度が下がり、死亡率は対策が遅れた州の半分以下となった。
  • 最も効果を上げたのは思い切った、かつ徹底的な対策だった。集会を固く禁止するとともに厳しく取り締まり強制隔離を実施した州では、不十分か全くやらなかった州に比べ感染率が30~50%も低下した。最も効果があったのは、学校・教会・劇場を閉鎖し、集会を禁止することだった。そうすることでワクチンを開発する時間を稼ぎ、医療機関にかかる負担を減らした。
  • 介入を緩和する時期が早すぎると状況が逆戻りする。死亡率の低下がみられると直ぐに集会の制限を解除したところでは2か月も待たずに集団発生が始まった。介入を継続したところでは2回目の感染拡大は見られなかった。

1918年のスペインかぜのパンデミックで得られた歴史の教訓が今回の新型コロナウイルスによるパンデミックにどのように生かされているのか分かりません。スペインかぜの時とは異なり、グローバル化、都市化、大都市の人口密度など大きく異なった社会環境にありますが、対抗手段は大きく変わっていません。ワクチンのない感染症に対する防御の第一は、公衆衛生的な措置であり、具体的には学校、商店、飲食店の閉鎖、移動制限、社会的距離の確保の義務化、集会禁止などです。

諸外国ではスペイン風邪の教訓を生かしロックダウンのような強力な措置を取っていますが、効果が上がっていません。日本ではスペイン風邪の教訓を生かすことなく、あまりにも経済優先で緩やかな措置を取り続けています。この状況で、本当に新型コロナウイルスを抑え込むことができるのかと危惧します。

取り敢えず、専門家の見解によれば、このままの減少傾向が続けば、ステージ4からステージ3に下がるのは2月末頃とのことなので、少なくともあと1月は気を引き締めてしっかりと感染防止に務めましょう。

しかし、また経済優先で、緩和する時期が早すぎると逆戻りが生じ、再び感染拡大に転じます。緊急事態宣言解除の時期をしっかりと見極めてもらいたいものです。

さて、今日は、bizSPA!フレッシュの「『組織を腐らせるリーダー』3つの特徴 こんな口ぐせは要注意」という記事を取り上げます。

また、リーダーシップに関する記事ですが、企業にとって最も重要なのはリーダーシップです。企業がパフォーマンスを上げるために重要なのは、「組織を引っ張るリーダー」の存在です。リーダーがイマイチでも何とかなっている会社はありますが、それは「何とかなっているだけ」です。健全に成長している企業には素晴らしいリーダーが必要なのです。

素晴らしいリーダーとはどのようなリーダーでしょうか?リーダーシップや優れたリーダーについてはこれまでも書いてきました。この記事では、逆に「組織を腐らせるリーダー」の特徴から優れたリーダーの本質に迫っています。

まず組織を健全に成長させるためには

  1. 魅力的なビジョンを物語る
  2. ビジョンを実現するための戦略を創り、実行する
  3. 組織全体がそのビジョンに賛同し、集中できる基盤を創る

という3つが必要です。これができないリーダーが組織を腐らせていくのです。従って組織を腐らせるリーダーは

  1. 魅力的なビジョンがない = 考えることができない。
  2. 戦略の策定と実行ができない = 口だけで手足が動かない
  3. 組織が動かない = 人望がない

の3つに集約できます。どこの世界でもこうしたトップや上司はいますね。わが国のトップも見事なまでにこの3つに当たっていると思うのですが・・・これで国が腐ると一番迷惑を被るのは国民です。

【組織を腐らせるリーダーの特徴1】 考えることができない

  組織を率いるためには、将来ビジョンや全体戦略、財務、人事、システム、営業、カスタマーサポートなど、すべてを詳細まで把握することは不可能ですが、全体観を持ちつつ、現状の把握、問題点の抽出、打ち手の提案など実施しなければなりません。ある程度細かいところは任せていいのですが、大事なところはトップが決める必要があります。実際に何が起きているのか、その本質を見抜くことができず、何がよいのか何が悪いのかもわからない、物事をしっかりと考えて判断・決断することができない者がトップになった瞬間、組織は全く動かなくなってしまいます。何故、こうした人材がトップになるのでしょうか?基礎的な考える力を鍛えず、英語やプレゼンなど見栄えの良いスキルのみを磨きつつ、波風立てない性格がうまくマッチして、上司に気に入られて昇進していくからです。先日、ウェルチの「人治」による経営でも書きましたが、人材の育成は極めて重要です。単なるコピーではなく自分と同じ思考回路を持った考える力のある人材を育てなければなりません。

【組織を腐らせるリーダーの特徴2】 口だけで手足が動かない

  トップは単に意思決定して命令しているだけではいけません。すべてを自分でする必要はありませんが、現場レベルではどうしても進まなくなったプロジェクト、非常につらい意思決定(事業撤退、組織規模縮小など)については、リーダーが率先して取り組む必要があります。「○○の意見を聞かないと」「もう少し状況を見てから」などと言って先延ばしする、あるいは口では「分かった」と言いながら、特に何のアクションも起こさない、そういうトップは駄目です。誰とは言いませんが、まったくこの通りの発言をして後手後手に回っているトップがいますね。端的に言うと「行動力がない」ということですが、そもそも何をすべきか、何が危機なのかもわからないため(特徴1の考える力がないため)、「行動しなければ」と言った切迫感を本当の意味で持てていないのです。

【組織を腐らせるリーダーの特徴3】 人望がない

  考える力もなく、自ら火事場に飛び込む(行動する)覚悟もないため、もちろん現場や中間管理職からも総スカンを喰らっています。いくらミーティングで「私はリーダーとして皆さんの声をしっかり聴いて経営していきます。顧客第一で更なるサービス改善に、全社一丸となって取り組みます」と高らかに宣言しても、社員はみな白けています。考える力も行動力もない者が、いくらジョブズの名言やドラッカーの経営哲学を引用して滔々と語ったとしても社員の反応は(笑)だけになります。このようなトップの下ではモチベーションも、エンゲージメントも上がりません。「言われたこと」はやるがそれだけです。そのような組織がお客様を感動させるサービスや商品を生み出せるはずはありません。

今日は、リーダーシップについて「組織を腐らせるリーダー」という側面から見ました。ここから見えてくるのはリーダーに必要な資質、それは「考える力」「行動力」「人望」の3つということになります。これらはビジネスパーソンに必要な資質でもあります。これらの力を磨く努力をしましょう。