中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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日本の「DX化の遅れ」、「思考停止」が原因

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1448人、そのうち東京378人、神奈川115人、埼玉130人、千葉130人、愛知81人、大阪133人、兵庫74人、京都17人、副科65人などとなっています。下止まりしている感はありますが、今週は先週と比べてすべての曜日で新規感染者数が減少しています。世界的にも、新型コロナの新規感染者数はこの1ヶ月で半減しています。特に、この1週間では、ロックダウン下にあるポルトガル(54%減)とイスラエル(39%減)で激減している一方で、イラク、ヨルダン、ギリシャエクアドルハンガリーなど急増しているところもあります。世界各国の感染拡大は減退傾向にあるようですが、それは各国が強力なロックダウンを実施したからで、「ロックダウン解除が早すぎると、再び『過去の過ち』を繰り返した結果、再び感染拡大する危険性がある」と指摘されています。日本においても、新規感染者数は減少していますが。まだ医療体制がひっ迫しており、政府は今週中の緊急事態宣言解除を見送り、特に首都圏については3月7日の期限ぎりぎりまでは解除しない方向で検討しているようです。

株価が3万円台を回復し、菅首相は「3万円は目標の目標だった。感慨深い」などと述べていますが、それはマネーゲームの結果で実体経済とは大きくかけ離れています。一部投資家の利益になっても国民には何のメリットもありません。すべての企業、特に中小企業はコロナ禍で疲弊しています。株価に浮かれるのではなく、こうした中小企業への支援をしっかりと行うことが急務です。

甲は、まずオーヴォの「コロナ下で成長できそうな企業 デジタルと柔軟性」という記事を取り上げます。

コロナ禍で「成長できそう」と思う企業の特徴も、大きく変化してきています。

具体的に「成長できそう」と思う企業の特徴として挙げられていたのは、「テレワークなど場所を選ばない働き方ができる」「社内のコミュニケーションが活発」「新規事業にも挑戦している」「ITやデジタル領域に強い」「成長分野の事業を展開している」などが挙げられます。

かつての「安定性」よりも「変化に対応できる企業の方が成長し、自分も成長できる」と考えている人が多いということです。

次に、同じくオ-ヴォの「リモートワークは課題が多い!何とかしたいコミュニケーション不足」という記事を取り上げます。

コロナ禍で働き方が変わり、前述のように「成長できそう」と思う企業の特徴として「テレワークなど場所を選ばない働き方ができる」という点が挙げられていますが、「リモートワークの業務環境」について「私生活と仕事のメリハリがつかない」「仕事に集中できない」などという声が上がっています。今後リモートワークで発生する課題として「コミュニケーション」「セキュリティ」「自己管理」が挙がっています。

また、第1回目の緊急事態宣言発令時との比較で改善されていない点としては「評価の方法」「業務報告の方法」「上司とのコミュニケーション」が挙げられ、上司がそばにいないのは気が楽である反面、評価がされにくいというデメリットが生じると感じている人が多いのです。

この記事では、評価のアウトプット、アピール力がますます求められる時代になっていくのかもしれないと言っています。

これらの問題は、これまで何度も快適や成果主義やジョブ型雇用とも関係しますし、テレワークで生じるコミュニケーション不足を補う対策がますます必要になってきます。

次に、LIMO LIFE&MONEYの「日本の『DX化の遅れ』、原因は『思考停止』である理由」を取り上げます。

日本は諸外国に比べDX化の推進が遅れていて、DXの必要性が声高く叫ばれています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位を確立すること」(経産省 DX推進ガイドライン)です。簡単に言えば、DXとは、企業が避けて通れないデジタル技術によって業務やビジネスを変革して競争上の優位を確立し、企業として安定した収益を上げられるようにすることです。

テクノロジーの進化にともなうDXはあらゆる分野で進んでいます。破壊的イノベーションの到来が予想され、第4次産業革命が起きるともいわれています。どのような業界でも、企業は安全とは言えず、社会環境・経済環境・ビジネス環境の変化に対応できなければ生き残ることはできません。そのために、DXが必要な理由を知って、全社的な行動が起こせなければなりません。

DX導入に取り組むメリットとして、一般的に次のようなものが挙げられます。

  • 業務の生産性と利益率が向上する。
  • 消費者のニーズや行動に対応したビジネスにつながる。
  • BCP(事業継続計画)の充実につながる。

DXを導入しないと発生するデメリットとしては次のようなことが言われています。

  • 既存システムの保守費が高額になる(2025年の壁)
  • 市場の変化に対応できなくなる。
  • データの喪失やブラックボックス

新型コロナ禍で在宅勤務が叫ばれていた中で、「ハンコをもらうためだけに出社する」という冗談のような話が現実にありました。DX導入と言っても、高額なデジタル機器を導入し、世界を変えるようなイノベーティブなIT技術者を採用する必要は全くありません。先ずは現場レベルで、「できるところからITを使ってみる」という小さな一歩への意識改革から始めることで十分です。この記事も言っていることですが、IT化推進を阻むのは技術力ではなく現場の思考停止が原因だからです。

「今までこのスタイルでやってきたから」という前例踏襲・思考停止状態では、いくら優れたテクノロジーが世にあっても使われなければ何の意味もありません。

そして、中小企業の場合、その思考停止に陥っているのは経営者です。社内DX化の推進というのは大企業の場合はIT部門の仕事ですが、中小企業では決裁権を持っている社長の仕事です。社内の財務諸表を見て、ムダなコストを削減し、売り上げを拡大させて利益追求を最大化するミッションを担うのは経営者、DX化はコストにも売り上げにも大きく影響しますから、経営者のDX推進の理解と意欲・行動なくして導入はあり得ないのです。

これまで「リアルでやることに意義がある」「対面でしかできない」と思われていた仕事も、オンラインでやってみると問題はなく、かえって優れているということも少なくありません。「リアルでしか、対面でしかできない」と思われていた仕事も、結局は「前例がなかった」というだけで、実際にやってみると支障はなく、オンラインですべて完結するということは多いのです。

企業におけるDX化の遅れは、経営者の勉強不足や思考停止が本質的な理由です。

しかし、以前にも書いたように、DXがブームのように取りざたされていますが、DXはあくまでも手段です。「目的」なき「手段」の遂行は賢いやり方とは思えません。

「目的」が何かを明確にし、それに向けての「手段」ととらえない限り、「手段目的化」で終わってしまいます。

別段、既存業務の効率化、データの統合、基幹システムの刷新の必要性を否定しているわけでも、技術(デジタル)の活用という視点から新ビジネス・サービスを考えていくアプローチを否定しているわけではありません。あくまでも、経営の関心は、競争優位を確立し、ビジネスを成長させること、市場から退場とならないようにすること(生き残ること)で、そのために既存ビジネスを成長させる、それに限界を感じたら新規事業への進出・展開を目指すことです。そうした目的を達成するための手段の一つがIT化・デジタル化・DX化なのです。目的と手段を取り違えてはいけません。

目的達成のために必要であるなら、その必要な範囲でIT化なりDX化を図ればいいのです。もし、自社の目的達成において現時点では必要がないと判断するのであれば、現時点で導入しなくてもいいのです。