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人も組織もシャドー(心の闇)があるから成長できる

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で999人で、そのうち東京329人、神奈川131人、埼玉97人、千葉132人、愛知31人、大阪54人、兵庫26人、甲と3人、福岡23人などとなっています。首都圏1都3県だけで689人で、全体のほぼ69%を占め、首都圏に関して言えば完全に下げ止まっています。この状態では3月7日の緊急事態宣言解除は厳しそうです。また、今日から、関西3府県、愛知・岐阜、福岡の緊急事態宣言が解除されましたが、「解除」という言葉で気が緩み、人出が増えて密になり、再び感染者数が増加するのではないかと危惧しています。まだまだ気を緩めることなく、徹底した感染防止策に取り組んでいきましょう。

さて、今日は、ダイヤモンド・オンラインの「人も組織も『シャドー(心の闇)』があるから成長できる」という記事を取り上げます。

成人発達理論では、人間が成長発達していくためには、必ず「差異化」が行われた後に、一段高い次元にその差異をまとめ上げていくという「統合化」が大事になります。組織においてもお互いの価値観を理解し合い、多様性や相対性を享受することが大切になります。

この記事では、変化を拒む時には、人でも組織でも固有のシャドー(心の闇)があると言っています。人でも組織でも、そのシャドーを解決することで変革できるのです。

しかし、シャドー(心の闇)を浮き彫りにすることは容易ではありません。

組織は人の集合体ですから、まずは個人の価値観の差異、つまり個性に着目すればいいのです。しかし「あなたの価値観は何ですか」と聞かれて答えるのは困難です。好きなものに結びつく背景を言葉にすると、その人の価値観が現れ、その人の個性・パーソナリティが見えてきます。そうすると、その人のシャドーも浮き彫りになってきます。

知識発達学者加藤洋平氏によれば、シャドーというのは「劣等感や過去に負った心の傷など、自分が見たくない心の闇」を言います。これは、目に見えない抑圧されているもので、個人だけでなく組織にもあります。「わが社は他社に勝てない」「わが社にはライバル会社のようなブランド力もノウハウもない」といったシャドーがあります。

自社の組織文化を知るときには、自分たちの組織にあるネガティブで見たくない部分を把握することも重要だということです。加藤氏は、「組織文化を知ることとシャドーを知ることとは表裏一体の関係にある」と言っています。このことは、組織の陰に隠れているシャドーを見ないまま組織文化を変革しようとしても表面的な変革に留まってしまうということです。

老舗企業で比較的安定しているところでは、「このままの状態でやっていればいいんじゃないか」「なぜリスクを負って変化しなければならないのか」と言ったシャドーが組織全体にあります。しかし、それでは、変革を起こすことは不可能で、今回のコロナ禍のような突然の未曽有の危機的状況に対処できなくなります。いかに安定している企業でも変化を見据えておかなければなりません。いつまでも今の地位に安住することは困難だと心に停めておかなければなりません。

加藤氏は「シャドーは自分たちの行動を抑圧しているネガティブな面もあるが、同時にシャドーに気づくことが成長や発達の源泉でもある」と言っています。

人や組織は無意識のうちにシャドーを抑圧することに時間やエネルギーを割いてしまいますが、シャドーに気づくことができれば、時間とエネルギーのロスから解放され変革への第一歩を踏み出すことができるのです。だから、組織文化を変革していくときはシャドーをリスペクトし、シャドーを多面的に見ることが重要になってきます。

また、「シャドーをさらけ出せる関係性を作るのが変革のスタート」とも言っています。自分の弱さを晒すということは難しいことですが、他者からの支援や工夫があれば自分の弱さをさらけ出すことも容易にできます。相手の強みや価値を理解し、それに基づいた対話や支援を行うということです。例えば、合理的な知性に強みがあれば、ロジックを通じて弱さをさらけ出す利点を説明し、論理立てて弱さをさらけ出す対話を実践し、自律的な思考を働かせることが困難であれば、チームのリーダーなりが率先して手本を示してあげると同じように自分の弱さを少しずつ開示するようになります。

組織文化を変えるためには、自分で目標を掲げてアクションを起こし、自分で決断するということが大事です。そして、組織文化の陰に隠れているシャドー(弱さ)を意識的に見つめることが重要です。