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デジタル変革が停滞する理由

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で988人、そのうち東京239人、神奈川109人、埼玉77人、千葉106人、愛知24人、大阪92人、兵庫38人、京都6人、福岡38人、北海道44人などとなっています。6日ぶりに1000人を下回ったものの、埼玉ではシステム障害により午後からの集計が遅れ他に約20名ほどの新規感染者がいるとみられており、それを加えると1000人を超えるのではないかと思われます。東京は1週間平均が前週よりも約1割増となり、リバウンドが懸念されます。全国的に見ても下どまりから横ばい、地域によっては増加傾向がみられるところもあり、更なる感染防止対策の徹底が必要です。

さて、今日は、Forbes JAPANの「デジタル変革を目指す企業が暗礁に乗り上げている理由」を取り上げます。

政府はデジタル庁を立ち上げ、デジタル化、IT化、DXを積極的にし推進しようとしています。こうした「流行り」に乗り遅れまいとデジタル化やDXの導入に前向きな企業もありますが、先日も書いたように、あくまでもデジタル化やDXは手段であって目的ではありません。「何がしたいのか」という目的が先で、自社の目的達成に必要ならデジタル化・DXを導入すればいいですし、今すぐ導入する必要がなければ「流行り」に飛び乗らず時期を待てばいいのです。

この記事では、デジタル変革が迷走するケースを次の5つに整理しています。

  1. 経営者の掛け声ばかりで、担当者不在・・・トップが「デジタル変革するぞ!」と意気込むものの、推進者も不明確のまま企画室や社長室が片手間で取り組んでいる。これでは時間ばかりかかって全く前に進まない。
  2. 専門部署を設置してもノウハウ不足で停滞・・・デジタル推進室など新設部門を設置しても、担当者は経験がなくアイデアが浮かばず停滞してしまう。
  3. マーケティング部門は盛り上げるが、全社的には何も変わらない・・・マーケテイング部門は事業者システムの理解が浅く、コンセプトは作るが公告以外は他部門に丸投げしてしまう。彼らは広告代理店などを活用し、Web広告を増やし、高額なCRMシステムを導入し、結果的に全社的に活用されることもなく費用だけがかさむ結果となる。
  4. システム部門に任せ、開発・ツール導入だけ増える・・・システム部門も自らシステムを構築することはできず、システム会社の提案を受け入れるだけになる。システム会社からは最新のシステムや流行のシステムの提案が多くなり、結局はたくさんのシステムツールを導入し費用がかさみ現場を複雑化させてしまうだけで終わる。
  5. 変革するも長続きせず、全社定着に至らず自然消滅・・・コンサル会社やシステム会社に丸投げしてしまうケースでは、コンサル会社は調査能力には長けていても案外システムや業務には弱い。またシステム会社も業務やコンセプト作りには弱く、最新テクノロジーの提案となり、費用も高額なために継続が難しく、また使いこなせないために定着せずに頓挫してしまう。

こうしたデジタル変革が迷走し暗礁に乗り上げてしまう事例は、今多くの日本企業に起こっている問題です。

この記事では、「迷走する企業に共通しているのは、長期視点の『改革』を促すことができず、短期的な視点の『改善』となってしまっていることにある」と言っています。短期的視点の「改善」を進めた結果、多少の効率化の効果は得られても、長期視点の「改革」には程遠いものになっているというのです。まだ短期的視点での「改善」につながっていればいいのですが、何のビジョンや目的もなく単に流行りだけで導入した企業の中には短期的視点での「改善」すら行われていない企業も多いのです。

デジタル変革においては長期的なビジョンや目的・目標が必要で、「改善」ではない「改革」という強い思いを持って取り組むことが必要なのです。

「改革」とは、従来のビジネスをいったん破壊して、ゼロからビジネスを組み立てなおすことです。一度会社を潰して再度創業するくらいの強い覚悟を持って取り組まなければ、デジタル変革は成功しないと思います。

この記事でも「経営者はデジタル変革を『第二の創業』としてとらえ、自らが時代の変化を認識し、自ら先頭に立ち、全社を巻き込んで推進していくことが求められる」と言っています。デジタル化やDXが流行りだからと言って、何のビジョンや目的もなく、コンサル会社やシステム会社に丸投げしていたのでは何の変革もできないどころか費用だけがかさみかえって経営を圧迫します。

デジタル化やDXを導入するのなら、「何をしようとしているのか」という目的やビジョンを明確にしたうえで、その目的達成のためにデジタルやDXをどう活用するかを全社一丸となって考えていかなければなりません。それができないようならば、デジタル化やDX導入は時期尚早と考えた方がいいでしょう。