中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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Amazonのリーダーシップの信条 逆向きに考える

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1565人で、そのうち東京249人、神奈川68人、埼玉86人、千葉88人、愛知45人、大阪341人、兵庫87人、京都32人、福岡14人、沖縄50人、北海道71人、宮城55人などとなっています。元々検査数が少ない月曜日ですが、月曜日で1500人超は2月1日以来で、奈良71人、愛媛32人など地域によっては増えてきています。第4波の入木地に入りつつあるように思います。

菅首相は、「第4波」については否定し、「強い警戒感を持って対応していく」といつもの言葉を口にしただけですが、「(大阪など)緊急事態宣言の解除」が早すぎたのではないか」との質問には「知事からの要請があり専門家の意見を聞いて解除した」と判断の正当性を主張しました。政府が緊急事態宣言解除に踏み切ったのは、あの段階で解除しなければいつまでたっても解除できなくなり解除の時期を失するという短絡的な発想があったからです。一方、尾身会長は、「ここ1,2週間で、東京も大阪のような状態になる」との危機感を示し、「どんな効果的な対策を打てるか、もうそろそろ真剣に検討する時期に入りつつある」と述べました。尾身会長の発言からすれば、政府も分科会も、これまでは「真剣に対策を検討していなかった」ということです。分科会が提言をまとめても、菅首相・政府がそれを受け入れず場当たり的に事に当たっていたいう状況にあったことは否定できませんが、分科会ももっと真剣に政府に物申してもらいたいものです。

さて、今日は、ZDNet Japanの「アマゾンを成功に導くリーダーシップのあり方」を取り上げます。

Amazonほどの企業規模における成功は一人の天才的なリーダーの手によって成し遂げられたわけではなく、明確に定義され、厳格な形で実践された一連の信条やプラクティスとコミットメント、その実践をもって実現されたと言っていいでしょう。この記事では、Amazonの成功とリーダーシップの在り方について述べられています。

Amazonのリーダーシップの信条

 Amazonは、拡張可能性と反復可能性を備えた一連のプロセスを築き上げ、14項目からなるリーダーシップの信条と組み合わせています。それが、Amazonがアイデアを次々と実現する原動力になりました。あらゆる企業も、その規模や業界に関わらず、こうしたAmazonの知見を自社に適用できます。参考になるはずです。

Amazonのリーダーシップの14項目の信条は次の通りです。

  1. 顧客第一主義にこだわる・・・リーダーは顧客を起点にして、逆向きに行動する。そして、顧客からの信頼を獲得、維持するための全力を尽くす。
  2. オーナーシップ・・・リーダーはオーナーだ。リーダーは長期的な視点に立って考え、短絡的な成果で長期的な価値を犠牲にしたりはしない。無図からのチームという枠を超え、全社のことを考えて行動する。「それは私の仕事ではない」と絶対に口にしてはいけない。
  3. 創造性と簡素化・・・リーダーはチームに革新性と創造性を求めるとともに、常に簡素化への道を見つけ出そうとする。
  4. 多くの場合に正しい・・・リーダーは多くの場合に正しい判断を下す。リーダーは確固たる判断力と優れた直観を有している。多様な観点を追求し、自らの信念を疑うことも辞さない。
  5. 学び、好奇心を重視する・・・リーダー浜名日を辞めず、常に自らを向上させる手段を追求する。新たな可能性に向けて好奇心を研ぎ澄ます、その追求に勤しむ。
  6. 最高の人材を雇用、育成する・・・リーダーは類まれなる人材を発掘し、組織の各所で活用する。リーダーを育成し、他者のコーチングという自らの役割について真剣に取り組む。
  7. 最高の水準を追求する・・・リーダーは多くの人があまりにも高いと考えているほどの高い水準を徹底的に追及する。常に限界を押し上げ、高い品質やサービス、プロセスをもたらせるようチームをけん引する。
  8. 視野を広げる・・・視野狭窄は自己満足に陥る。リーダーは成果に向けた意欲を掻き立てる大胆な方向を打ち出し、それを指示する。
  9. 行動に価値を置く・・・ビジネスはスピードが命だ。
  10. 倹約の精神を持つ・・・より少ない投資で多くのことを達成する。製薬は天気や自己充足、発明を生み出す鍵となる。
  11. 信頼の醸成・・・リーダーは人の話に注意深く耳を傾け、ざっくばらんに語り、敬意を持って他者とやり取りする。
  12. 深いところまで突き詰める・・・リーダーはあらゆるレベルで活動yし、小際に目を配り、頻繁に状況を吟味し、指標と事例が合致しない場合に猜疑心を抱く。
  13. 気概を持ち、異議を唱え、コミットする・・・リーダーは異なる意見がある場合、礼を失することなく異議を唱える義務がある。リーダーは信念をもって粘り強くある必要があり、周囲に迎合して妥協することがあってはならない。一旦意思決定に至った場合には全身全霊をもってコミットする。
  14. 成果をもたらす・・・リーダーは自らの業務に関する重要な情報に焦点を当て、適切な品質の成果をタイムリーな形でもたらす。障害があっても、適切に対処し、絶対に妥協しない。

Amazon従業員のマインドセットは、これらの14項目に基づいて醸成されます。この中で最も重要なのは「顧客視点をもって逆向きに行動する」ということです。

「逆向きに行動する」というのは、常に顧客エクスペリエンスを起点にして物事を考えていくということです。多くの企業が「スキルを起点にする」アプローチを採っており、コアコンピタンスや市場勢力図を分析したり、自社の強み(Strength) と弱み(Weekness)、そして自社を取り巻く環境に起因する機会(Opportunity)と脅威(Threat)の4つを分析するSWOT分析がもてはやされています。これらには顧客の視点や顧客から期待されるエクスペリエンスが欠けているのです。Amazonはこのプロセスを逆向きに辿り、まず顧客エクスペリエンスに目を向けているのです。

顧客第一主義がAmazon成功の鍵です。競争力重視の企業では、ある製品分野においてトップに立っている企業は、改善や成長を続けていくための原動力や切迫感が欠けています。しかし、顧客は常に驚くほど多くの不満を抱えています。顧客第一主義の企業は、顧客の視点に立って「顧客が何を求めているのか」「何に不満があるのか」、そうした顧客の要望に応えるにはどうすればいいのかを常に考えています。Amazonは、顧客エクスペリエンスを深く理解することで、さまざまな事業を数多く手がけ、それらを何もない状態から大きな事業に育て上げてきています。

上記の14項目はどのような企業でも参考になるでしょう。先ずは顧客視点をもって逆向きに行動する、”Working Backwards”から始めましょう。

以前に細谷功著「すべての仕事は『逆』から考えるとうまくいく」という本を紹介し、”Thinking Backwards”(逆から考える)について書きました。これも参考になると思います。