おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で3697人、そのうち東京570人、神奈川180人、埼玉142人、千葉94人、愛知197人、大阪918人、兵庫351人、京都84人、奈良83人、副科81人、沖縄146人、北海道116人、宮城109人などとなっています。大阪と兵庫は過去最多を更新し、関西圏を中心に変異株が猛威を振るっています。吉村大阪府知事は、今後の状況を見て緊急事態宣言発動の要請を検討すると発言しましたが、2回目の緊急事態宣言を期限を待たずに解除要請し、感染が再燃するとまん延防止等重点措置を要請し、この間までは「今やっていることと同じなので名前を変えるだけ」と緊急事態宣言の要請には否定的な立場をとっていました。中途半端な緊急事態宣言やまん延防止等重点措置ではもはや変異株を抑え込むことは困難です。休業をも含めたロックダウンに近い対策を、2,3週間とる方がダラダラと時短要請を続けるよりも効果的ではないかと思います。
さて、今日は、石角完爾著「ユダヤ式Why思考法」(JMAM)という本を紹介します。
金融界、証券業界、ハリウッド業界は言うに及ばず、最近のIT業界でも世界の名だr足る企業の創立者の半分以上がユダヤ人です。マイケル・デル(DELL)、セルゲイ・ブリン(Google)、マック・ザッカーバーグ(Facebook)、アンディ・グローブ(Intel)など、世界中で活躍しているユダヤ人は数えればきりがありません。アインシュタインをはじめ、ノーベル賞受賞者の4割近くがユダヤ人です。
なぜ、ユダヤ人の知的生産力は群を抜いているのでしょうか?この問いに、ヨーロッパを拠点とする国際弁護士であり、ユダヤ教に改宗した著者が答えてくれています。
日本人は、理屈っぽいことを嫌い、食事の席などでは、野球や芸能ネタで盛り上がるのに対し、ユダヤ人はヘブライ聖典とタルムードの知識を前提にロジックで相手の議論を崩し、ロジックで相手を納得させる思考ゲームが大好きです。ユダヤ人は「議論して考える民族」なのです。つまり、「なぜ?」「Why?」を徹底的に考えつくす民族なのです。頭というものは、根本的な問題を議論していると気が最もよく働きます。思考力は議論によって鍛えられるのです。
著者は、「議論しない国は衰退する。議論しない国から革新は生まれない。議論しない国は進歩がない」「議論するということは場の空気を読まないというjことだ。議論するということは場の雰囲気を潰すことだ」と言います。
質問こそがあらゆる思考の始まりです。ユダヤ人は質問する人、日本人は質問しない人です。先生の教えや本の記述一つを素通りせず、「あれ?それってどういうこと?」と疑問を持ち、質問を投げかけることができるかどうかです。これこそが日本ジオンに足りない者であり、日本人が身につけるべき思考なのです。
「なぜ?」「Why?」という疑問がすべての思考の発火点です。あらゆることに疑問を持ち、質問すること、「なぜ?」を考えることです。
本書では、世界基準の考える力が憑く34のトレーニングが用意されています。この34の質問にどのように答えるのか自分の頭で考えることです。大切なのは、とにかく頭を働かせることです。どんなにさないな疑問でもいい、疑問を抱くことからしか思考は働きません。
第1章 すべてを議論の対象とする~批判的に考えるための基本
- 議論を避けようとしていないか
- 「当たり前」という思考停止状態に陥っていないか
- 思考の「例外」や「タブー」を捨てる
- 常識や世論、権威にこそ疑いの目を向ける
- 議論が未来を切り拓く
第2章 論点を見つける~物事を深く考えるための基本
- 考えること・議論することは娯楽である
- あらゆる角度から一言一句に疑問を持つ
- 「正解」は与えられるものではなく自ら考えつかむもの
- 思考を深めるとは、一言一句を批判的分析的に
- 論点の重要度を把握する
- 別の視点から考える
第3章 思考の枠を外す~柔軟に考えるための基本
- 凝り固まった考えが柔軟な思考を阻む
- まずは「NO」という
- 本当に「あり得ない」のだろうか?
- すべては「想定可能」である
- 可能性を否定した瞬間に思考は停止する
第4章 感情に流されない~問題を冷静に考える力を身につける
- 流されないために自分の頭で考える
- 「根拠は何か」を徹底的に考える
- リスクのとらえ方で取るべき戦略が決まる
- 冷静に「現実」を分析する
- 「定義」が論理的思考のスタートである
第5章 「あれもこれも」をやめる~自分のスタンスを明らかにする
- 投資とリターンの視点を持つ
- 確実に成果を得ることを目的とする
- 守備範囲を明確にする
- 「あれも」「これも」は手に入らない
- 「選択」と「集中」を考える
第6章 「なぜ」に目を向ける~本質的な価値に近づく
- 「なぜ?」が根源的な価値へと導く
- 「なぜ」を徹底的に掘り下げる
- 「How」ではなく「Why」と問いかける
- 「Why」思考が本質へと導く
第7章 別の次元から物事を見る~発想を逆転させる
- 「活路」を見出すためには試行するしかない
- 考えつくすことで活路を見出す
- 困難・制約が思考を柔軟にする
- 思考の「時間軸」を変える
- 「現在」から自分自身を解き放つ
- 長期的な視点を持つ
- 「認識」「事実」「真理を区別する
- 観客の視点を超越する「神の視点」を持つ
- 柔軟な思考が逆転の発想を生む
- 勝ち目のない勝負は「ルール」そのものを変える
- ルール、前提を取り払って考える。
- 「敵」は本当に敵なのか?
第8章 人間の本質をつかむ~ありたい未来を予測し、実現する
- 何が人を動かすのか?
- 「しくみ」を作る
- 人が動くツボをつかむ
- 言動の裏に隠された心理を探る
- 「心理戦」を仕掛ける
- 人を動かす「動機」に着目する
第9章 背景にある哲学をつかむ~揺るがない価値観を持つ
- 「何のための議論か」を見極める
- 背景にある哲学は何かを考える
- 表面的な理解では、言いたいことは伝わらない
- 価値観に裏付けられた論理を構築する
- 価値観を貫くためにこそ論理を使う
- 抽象化して考える
- 物事の本質や原理を探る
今の日本社会は場の空気を読む、忖度する、体制に従うことばかりを気にする空気に満ちています。しかし、日本以外の世界では、人と違うことを主張することでしか存在意義を示すことはできません。日本や日本人が場の空気にばかり気を取られていたのでは、進歩は望めず衰退するだけです。
場の空気を読むということは、権力を恐れ言いたいことも言えないということです。そういう社会からは革新的な技術やアイデアは生まれません。
著者は、
- 場の空気を読むということは停滞するということである
- 場の空気を読むということは多数に盲従することである
- 場の空気を読むということは何も創造しないということである
- 場の空気を読むということはリスクをとらないということである
と言います。
この本に挙げられている34のトレーニングでユダヤ人の思考法を身につけ、何事に対しても「Why?」と問いかけ自分の頭で物事を考ましょう。また、「Why?」から革新的な技術やアイデアを生み出しましょう。