中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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テレワーク下のコミュニケーション

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で6880人、そのうち東京1010人、神奈川337人、埼玉289人、千葉171人、愛知624人、岐阜127人、大阪761人、兵庫361人、京都156人、岡山171人、広島212人、福岡502人、沖縄126人、北海道712人などとなっています。重傷者は1214人と過去最多を更新しています。従来型から変異ウイルスに置き換わりつつあり、この変異ウイルスは若年層も重症化するリスクが高いということで、若い人の死亡例も増えてきています。政府は、群馬、石川、岡山、宏m、熊本の5県をまん延防止等重点措置の対象に追加するようですが、北海道への緊急事態宣言発令は見送るとのことです。相変わらず、後手後手の対策になっているように思います。このままではいつまでたっても緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除は難しく、逆に対象地域を増やしていくだけになりそうです。ワクチン接種だけが望みの綱ですが、遅々として進んでおらず、国民全員が接種できるのはいつになるのでしょうか。

さて、今日は現代ビジネスの「リモートワーク下での評価の不安を解消する『オンライン3密』とは何か」という記事を取り上げます。

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業でリモートワークが導入されるようになりました。菅首相は「テレワークで出勤者7割減をを目指す」としていますが、実際在宅勤務を行っているのは25%程度です。テレワークできない業種・業態もあり、テレワークが浸透していかないのもやむを得ないところですが、これからの働き方改革として、真剣にテレワークのあり方を考える時期にあることは言うまでもありません。

この記事では、テレワークによる働く環境の変化を「チームワーク」という視点から振り返っています。そのカギになるキーワードが「コミュニケーション量の貯金」だというのです。

1.二極化が進んだ。

 リモートワークが導入され、一方では「在宅勤務だと誰からも声を掛けられず集中できる」「通勤もないし上司の目もなく楽」といったポジティブな意見がある反面、「家では集中できない」「部下が何をしているか分からない」といったネガティブな声もあり、テレワークに対する評価も二極化しています。

 リモートワーク体制をうまく作ることのできなかった職場では、マネシャー側もメンバー側もうまくコミュニケーションが取れない状況が発生し、仕事の進捗や成果が見えないという事態に陥ってきています。

 リモート化によってコミュニケーションが減っても、最初のうちはオフィスで顔を合わせていた時の「コミュニケーション量の貯金」があって、さほど支障なく進められたことが、「コミュニケーション量の貯金」が次第に減って底をつくようになると意思疎通がうまくいかなくなり支障が生まれるというのです。

2.「ビデオ会議で顔出ししない人」問題

 オフィスではお互い顔を見て話し、会議でも顔を突き合わせて議論していました。しかし、リモート会議では顔出ししない人も出てきています。マネジャーや上司に、このような顔出ししない人を画面オンさせるにはどうすればいいのかという新たな悩みが生まれ、また「メンバーがさぼっているのではないか」と疑心暗鬼になったマネジャーや上司が頻繁に報告を求め、それがメンバーの負担になり、仕事の進捗が遅れるというケースも出ています。

 「上司がちゃんと自分の仕事を見てくれているか不安」という部下と「ちゃんと評価できているか不安」という上司の双方がモヤモヤを抱え込んでしまっている状況になっています。

 そうした中で、「コロナが終わったら元のようにオフィスに戻る」と抜本的な対策を取らないまま1年を無為に過ごしてきた企業も多いのです。

 テレワークはコロナに関わらず、これからの働き方の一つです。どの企業もテレワーク体制をきっチリと構築し、コロナ後も進めていかなければなりません。

3.評価に対する不安を解消するにはー「雑談」だけではうまくいかない理由

 「リモートワークデは雑談が大事」ということが言われ、私も「雑談の重要性」を指摘してきました。この記事は、別段雑談が意味がないと言っているのではありません。「雑談が大事」という表面だけを捉え、「何のためにやるのか」を理解していない誤解パターンの人が多いと言っています。雑談の大きな目的の一つは、雑談しているうちに、信頼関係が生まれちょっとした相談がしやすくなるということです。

 この記事では「その目的をみんなで共有したうえで、『ちょっとした相談をしやすくするためにコミュニケーション量を増やすにはどうしたらやりやすい?』と話し合いながらチューニングしていける関係性を作れるかどうかが大事」と言っています。

4.コミュニケーションを支える4つのワザ

  1. 声をかける・・・「声をかける」というのは、「あなたがそこにいるのを私は認めていますよ」というメッセージを伝えることです。相手の存在を認めること、つまり存在承認(アクナレッジメント)で相手の自己重要感を高めるのです。
  2. 受け入れる・・・相手のネガティブなこともすべていったん受け入れて、そこからどうすればポジティブな方向に持っていけるかを考えるのです。
  3. 見ている・・・相手のことをよく見て、強みは何か、弱みは何か、どんな価値観を持っているか、その価値観が形成された背景には何があるのか、といったことを理解することです。人篇信頼が生まれるのは、「この人は自分のことを理解してくれている」と思えたときです。
  4. 意味を与える・・・自己重要感には「自分が今やっていることの意味を重要であると感じたい」という側面があります。「チームに貢献するプレーが大事」という評価基準を共有したうえで「お前のここを買っている」と伝えることです。これによって、相手は安心して「自分の仕事をやりきること」に集中できパフォーマンスがアップします。

この4つのワザは、顔を合わせるコミュニケーションでも、テレワークにおけるコミュニケーションでも変わりはありません。コミュニケーションというのは相手との信頼関係を築き、相手に自己重要感を与えてパフォーマンスをアップさせるものでなければなりません。オンラインでの個別面談や雑談タイムでこの4つを実践できれば、信頼関係を構築でき、お互いの不安の解消につながります。

5.オンライン三密

 三密、つまり「密閉・密集・密接」の3つが信頼関係を構築するにあたって実によく考えられたシステムであることは間違いありません。物理的に壁で囲まれた三密状態のオフィスで顔を合わせていれば、自然と雑談は起こりちょっとした相談もしやすく、一体感も生まれ、組織風土にもなじみやすく、仕事がうまくいくという環境があったわけです。しかし、コロナ禍で「三密を避ける」ことが叫ばれるようになり、この記事では新たな三密「オンライン三密」が提唱されています。

  1. オンライン密閉・・・クローズドの場を作る(メンバーが互いに知らない人がいない状態)
  2. オンライン密集・・・みんなで集まるオンライン企画(朝礼・昼礼・お茶タイム・終礼・飲み会など)
  3. オンライン密接・・・少人数トーク

まず大事なのは相互理解を深めるために「コミュニケーション量をふやすこと」です。「このメンバーならここまで言って大丈夫」という関係性を構築することです。それによってフラットに意見が言い合える関係性が生まれます。

できるだけ多くの人が集まるオンライン企画では、一度もリアルに顔を合わせたことのない人たちともコミュニケーションをとることです。それによって組織への帰属意識やチームワークが生まれます。

いずれにせよ、テレワーク下では、如何にしてコミュニケーション量を増やして信頼関係を構築しているかが重要です。