中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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経営トップに必要とされる絶対的資質

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で4048人、そのうち東京535人、神奈川266人、埼玉165人、千葉84人、愛知431人、大阪274人、兵庫111人、京都60人、岡山83人、広島160人、福岡262人、沖縄156人、北海道605人などとなっています。検査数の少ない休日のデータとはいえ、首都圏・関西圏は大幅に減少しています。しかし、富山では過去最多となり、北海道・愛知・福岡・沖縄地方での感染は広がっています。緊急事態宣言延長の可否が今週中に判断されるようですが、医療体制は厳しい状況が続いており、現状での解除は厳しいと思われます。こうした中、オリンピック開催について無観客ではなく観客を入れて開催との案が浮上し、「開催ありき」で進んでいるように思います。緊急事態宣言で国民には自粛を要請する一方で海外から五輪関係者を入国させオリンピックを優先し、国民の命と健康にリスクを負わせてまで開催を強行することは納得できません。IOCのバッハ会長は「五輪の夢を実現するためには誰もがいくらかの犠牲を払わなければならない」という発言をしました。IOCの利権のために日本国民が犠牲を負わなければならない理由はありません。ソフトバンクの孫会長は「だれが何の権利で強行するのだろうか」「変異株が蔓延し、失われる命やGDPの下落、国民の我慢を考えるともっと大きなものを失う」と開催への懸念をツイートしています。オリンピックは誰かが犠牲を払ってまで行うものではありません。先延ばしするのではなく、できるだけ早く決断し、新型コロナ対策に全身全霊を注入すべきです。緊急事態宣言は延長されるべきですが、協力金の支給が遅れています。休業や時短要請に対する協力金の支給が遅れて、廃業・倒産の憂き目を見るようでは本末転倒です。迅速かつ適切の支給すべきです。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「よそ者リーダーに求められる『絶対的資質』とは?」という記事を取り上げます。ここで書かれているのは、よそ者リーダーだけでなく、すべてのリーダー、特にカリスマ性のない普通の経営者・リーダーに必要な資質でもあるともいえます。この記事で言われている「よそ者リーダー」というのは単に他社から来たよそ者だけではありません。自分の専門外の領域でチームを率いる門外漢のリーダーも「よそ者リーダー」です。

それでは、組織を率いるすべてのリーダーに不可欠な「絶対的資質」とは何なのでしょうか。

1.謙虚さ

リーダーに必要な「絶対的資質」について、この記事では「謙虚であること」と言っています。ここで言う「謙虚」とは、「ひたすら低姿勢でいること」「ただ慎ましいこと」という意味ではありません。確かに「よそ者リーダー」は肩身の狭い思いをしていますが、卑屈になって低姿勢になっていたのではいけません。よそ者であったとしても「確固たるポリシーや理念」を持っていなければなりません。この「確固たるポリシーや理念」を前提として「謙虚」であることが求められるのです。その上で、次の4つの姿勢が求められると言っています。

  1. 役職や年齢に関係なくすべての人に等しく接し、その声に耳を傾ける姿勢
  2. 自分と違う意見や相反する考えを否定せず、真摯に受け止める姿勢
  3. 知らないことはもちろん、多少知っていることでも、改めて教えを乞う姿勢
  4. 常に自分を振り返り、自分に足りない部分を知り、認める姿勢

ここで言われている「謙虚」というのは「人としてのあり方」のことです。それは「稲盛経営12か条」にも通じますし、昨日書いた「経営と人間学の繋がり」にも関係します。

経営の前提には、人間学と言いますか「人としてどうあるべきか」という問いがあります。経営者・トップは常にこの問いに向き合うことが必要なのです。トップのこうした姿勢が、周囲との調和を生み、人を引き寄せ、コミュニケーションを活発にし、組織の風通しを良くします。そうすれば、必要な情報もすべてトップにまで上がってきます。

とりわけ、「よそ者リーダー」やカリスマでない「凡人リーダー」にとっては、こうした謙虚さは必要不可欠な資質です。

また、自分に欠けている部分を自覚し、他者に助けてもらう部分が明確になれば、経営やチーム・組織にとってプラスになるだけでなく、自身のステップアップにもつながります。

しかし、「謙虚になる」というのはなかなか難しいものです。肩書や立場、プライドが邪魔して謙虚になれない、「よそ者」であるがゆえに虚勢を張り威張ってしまうリーダーも多く見受けられます。

2.自制心

誰よりも謙虚であるためには誰よりも自制心を持つことが重要なのです。

よそ者であるがゆえに、「なめられてはいけない」という警戒感や自己防衛の思いが出て上から目線で発言してしまうというのも分からないわけではありません。

しかし、自分が外から来た「よそ者」であることも、門外漢の「素人」であることも事実です。上から目線や命令口調では何事も良い方向には進みません。リーダーとしての職務を全うするためには、チームや組織の他の人と協働しなければならないのです。他者・部下の助けがなければリーダーの仕事は成り立たないと言っても間違いではありません。したがって、攻撃的な態度ではいけません。組織のリーダーには、攻撃的な感情を抑える自制心が求められるのです。

この記事では圧倒的なカリスマでもない「普通の人、凡人」がいきなり威圧的な態度をとったところで、ただ「感じの悪いイヤな奴」と思われるだけ、と言っています。その通りです。

よそ者に対して従業員は当初から警戒心を抱いています。そのような状況で上から目線で押さえつけようとすれば、相手は委縮しさらに警戒し、反発を招き、敵視されるだけです。よそからリーダーに就任したということは、経営の再建や改革を期待されたからですが、これでは再建や改革などうまくいくはずがありません。

誰よりも自制心を持ち、誰よりも謙虚さを忘れない。

これが会社のトップに立つもの、特に外部から来てリーダーを任された者、カリスマでない凡人のトップの「絶対的資質」なのです。