中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

センスメイキングの手法と対話・雑談

f:id:business-doctor-28:20210531081314j:plain

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2877人、そのうち東京448人、神奈川233人、埼玉122人、千葉93人、愛知305人、大阪197人、兵庫101人、京都69人、岡山27人、広島79人、福岡152人、沖縄271人、北海道288人などとなっています。日曜日の数字とは言え大幅に減少しているように思いますが、重症者は1347人といまだに高い水準にあり、まだまだ油断はできません。昨日も書きましたが、ベトナムでイギリス型とインド型の両方の特徴を持つ変異ウイルスが発見されました。その詳細は分かっていませんが、「これまでのウイルスより、空気中伝感染力がはるかに強い」と言われています。元々ベトナムは新型コロナに最も強い国、優等生と言われていました。ベトナムの新型コロナの第4波(イギリス型)が1月28日に始まり3月26日に収束しましたが、4月30日に第5波が始まり感染者が増加しています。これはインド型の感染拡大によるものですが、こうした中でイギリス型とインド型の両方の特徴を持つ変異株が発見されたのです。ベトナムでの感染者の累計は6800人余りですが、その半数が5月に確認されていて、インド型及びベトナム型の感染力の強さが分かります。徹底した水際対策を行わなければ、我が国でも一気に感染者数が増加します。

さて、今日は、ダイヤモンド・オンラインの「”小さな違和感”へのセンサーを鍛える方法」を取り上げます。これは、以前「組織の慢性疾患を改善する『対話』」や「「組織の慢性疾患と組織変革」などで名前を挙げた宇田川元一氏に話を聞いた内容をまとめた記事です。先日も書きましたが、職場がギスギスしている、仕事のミスが多い、忙しいのに数字が上がらない、病欠が増えている、離職者が多い、こうした状況を宇田川氏は「組織の慢性疾患」と呼んでいます。こうした「組織の慢性疾患」を改善する方法として「対話」の重要性が指摘されています。「暗黙知を共有し形式知化する」ために対話が重要な意味を持つことは言うまでもありません。

コロナ禍でリモートワークが長期化し、上司と部下の「モヤモヤ」が最高潮に達し、お互い分かり合えない状況が続き、職場に活気がない、新しいアイデアが生まれないといった組織の硬直化や閉塞感が漂う企業が増えてきています。この大きな要因は「対話」の欠如です。こうした状況を打破するには、何よりも「対話」が必要です。

しかし、問題を単純化して、解決策を探るだけでは何も解決できません。「本当の問題はどこにあるのか」「問題の本質は何か」ということが対話の前提としてなければなりません。組織にはびこる慢性疾患はちょこっと手を加えれば解決できるというような安易なものではなく、じっくりと考えながら時間をかけて行うものです。

この記事で、宇田川氏は、「小さな違和感に対して探索を行い、新たな意味を生み出していく」という方法について述べています。

これは、組織理論学者のワイクが提唱している「センスメイキング」という方法です。組織の中で、今までに見てきた風景とは異なる小さな違和感に対し、これは何だろうと探索を行い、「こういうことだ」と新たな理解(意味)を生み出していく(sense=意味 making=生み出していく)プロセスのことです。小さな違和感(点)をいくつも並べ、それらがどう関係しているのかを考えつつ(点を線で結ぶ)、一つの理解を生み出す(図を描く)過程と言えます。新たな理解(図)を生み出すためには、小さな違和感(点)を集めつつ、それが何かと解釈できなければなりません。点を線で結んで描くというのは一人では難しく、他者の力が有用になります。

マインドフルな組織というのは、センスメイキングのプロセスが適宜稼働するよう、良く鍛えられた組織と言えます。少しでも違和感を感じたら、みんなでそれを歓迎して考えられる組織であることが大切なのです。

この記事では、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」が例に挙げられています。鬼太郎は妖怪が近くにいることを感知すると、ピンと髪の毛が逆立ち、あたりを警戒し始め、仲間たちと問題に挑みます。だから不意打ちを喰らうことも少なく、強い敵にも立ち向かえるのです。もし、鬼太郎のセンサーが鈍っていたら大変なことになります。

これと同じで、組織においても、小さな違和感を見つけるセンサーを鍛え、早い段階で対話を行えるかが、組織の慢性疾患を変革していくカギになります。まさに組織に潜む妖怪を見つけるセンサーを鍛えて、「対話」を通じて、日ごろから組織の慢性疾患を改善すべく変革を行っていくことが大切です。

次に、With onlineの「雑談が『苦痛』すぎて疲れた 少しでも気が楽になるために意識すべきこと」を取り上げます。

「対話」や「雑談」の重要性については何度も書いていますが、「対話」や「雑談」が苦手で苦痛という人は結構多いのです。

対話や雑談が苦手というのは、「何を話していいか分からない」と悩んでいるからですが、それは「相手の期待に応えたい」「嫌われたくない」「つまらない奴と思われたらどうしよう」という思いが強すぎるからです。その結果、「うまく話せなければどうしよう」と自分にプレッシャーをかけています。一旦そうした状況が生まれると、苦手意識が強化され、ますます会話に入れなくなってしまいます。更に他人と比較して「もっとこうあるべき」と理想のカタチを求めすぎているのかもしれません。

他人の目を気にし過ぎたり、理想を追い求めすぎたりすると、その思考が癖になり、自分を見失ってしまいます。

いつも面白いことを言って人を笑わせる人や、にこにこしながら人の話を聞いている人など、コミュニケーションの取り方は千差万別です。どれがいいとか、どれが悪いとかというものはありません。何気ない会話というのは、お互いがその瞬間を楽しみ、共有できればいいのです。先ずは力を抜いて楽しむことです。無理して話そうとせず、自分が本当に興味があること、話したいと思ったときだけ自然に反応すればいいのです。

そうはいっても、ビジネスの場面での雑談はそうはいかないかもしれません。しかし、基本は同じです。「雑談力は質問力」です。「質問」→「聞く」→「質問」→「聞く」→「時々自分の話をする」このサイクルを回していけばいいのです。ポイントは「何を話そう」と無理に考えないことです。

コロナ下でテレワークが長期化し、コミュニケーション不足になっています。テレワークやリモート会議の合間のちょっとした時間での雑談が心の癒しになります。雑談力は最も大事なコミュニケーションスキルの一つです。磨いていきましょう。