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ミスの多い部下の指導法

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3036人、そのうち東京487人、神奈川218人、埼玉132人、千葉109人、愛知287人、大阪213人、兵庫104人、京都62人、岡山37人、広島70人、福岡116人、沖縄297人、北海道317人などとなっています。沖縄、北海道などの一部地域を除いて落ち着いてきました。あとは医療体制がどこまで回復するかです。大阪もステージ4の段階から脱したようです。昨日、分科会の尾身会長が衆院厚生労働委員会に出席し、オリンピック開催について「今の状況で普通は(開催は)あり得ない」「感染リスクを最小化することはオーガナイザー(開催者)の責任。人々の協力が得られるかが非常に重要」「こういう状況の中でいったい何のためにやるのか目的が明らかになっていない」と述べました。全くその通りです。現状でオリンピックを開催するためには、菅首相は、国民に対し、何のために開催するのか丁寧に説明し、国民の納得が得られなければなりません。

さて、今日は、東洋経済オンラインの「『ミスの多い部下』を一人前にする具体的解決策、『次から気をつけてね』と言ってはいけないワケ」という記事を取り上げます。

企業や組織において、要領の悪い社員やミスの多い社員は一定数いるものです。こうした社員に「次は気をつけてね」と言っても効果がないのも事実です。こういう社員は、仕事の段取りについての意識が希薄で、業務の流れが全くイメージできていないことが多いのです。こういう社員に「次は気を付けて」と言っても、業務の流れを理解していないので何をどう気をつけていいのか分かっていないのです。

仕事の要領というのは、非常に個人差があるところで、個々人の生産性の違いを生み出す元凶でもあります。しかも、その部分は育成が最も難しい分野で、一朝一夕に改善できるものではありません。

上司としてはある程度部下に任せたいところですが、任せてしまうと要領の悪さはいつまでたっても改善しません。

1.「正しいフォーム」を身につけるのが先決

 どのような仕事でも、一定の正しいフォームというものがあります。この一定の正しいフォームを身につけていなければ要領よく仕事をすることはできません。従って、まずはこの正しいフォームを身につけることが大事です。

 「ここに手順書と起こりやすい不測の事態がまとめてあるので、これに従って仕事を進め、何かあったら声をかけてね」というのが基本のアプローチになります。

 要領の悪い人に口で伝えようととしても、伝わらないことが多いので、手順が書かれたメモや手順書・マニュアルを示しながら説明することが重要です。しかも、こういう人は分からなくなると適当に「エイヤ」とやってしまうので、分からなくなったり何かあったりしたらそのまま進めずに周りに確認するように指導することも必要ですし、周りが目を配ることも必要です。

 こうした部下の育成法は部下の依存心を増長するという面もないわけではありませんが、あくまでも正しいフォームを覚えるまでの時限措置として行うべきことです。正しいフォームを身につけたなら、徐々に自分の頭で考えさせ、自分で判断させるという次のステップに移らせればいいのです。

 この記事では、依存心を生ませずに要領の悪さを改善する方法として、「メモ」と「振り返り」を促す方法が挙げられています。「メモを取って記録し、振り返る」という方法です。仕事には外していけない勘所というのがあって、そこを抑えておくためにメモを取り、メモ通りに進めたのか、出来具合、所要時間は適正だったかなどをチェックしていくのです。そして、「今の仕事をより効率的にするには、どこから改善すればいいのか」を考えるのです。

2.「ミスの多い後輩や部下」への指導法

 前述のように、ミスをしないようにする対処策は、メモとチェックリストですが、そもそも同じようなミスを繰り返す人には

  1. メモを取らない
  2. メモしたことを忘れる
  3. メモした内容を忘れる

という共通点があります。

 こうしたことを回避するためには、メモを取るということをルーティンにすることです。そして、どこにメモしたかを忘れないように、メモ専用のノートを用意することです。

 メモを取っても振り返りをしなければ意味がありません。途中での確認や見返しを心がけるだけでは駄目なのです。心がけても実際にそれをしないからミスが起きるのです。従って、行動変容を促すには、日々のルーティンに落とし込むことが効果的です。

 しかし、ここで重要なのは、指示や命令ではなく、あくまでも本人に考えさせて、自己決定、つまり「自分で決めたことをやりたい」というメカニズムで継続性を生み出すことです。そのためには、「ルーティンにする方法で、やりやすそうな方法はある?具体的にどうするのがいい?」と自分で考えさせることです。

3.ときには激励も必要

 また、「どういうときにミスが出やすいのか、ミスに傾向はあるのか」、ミスの原因について本人に考えさせることも大事です。「テンパッている時」とか「時間に余裕があるとき」とか、「○○の仕事の時」とか、根本原因が特定されればその対処法も自ずから決まってくることもありますし、解決のための手を打ちやすくなります。

 また、ミスで落ち込んでいる時には激励することも必要です。その時には、自分の新人時代の経験を話すことで、共感が生まれ、信頼関係やより良い人間関係を築くこともできます。

部下の育成方法というのは中々厄介で難しいものです。特に今どきのZ世代と呼ばれる若者が何を考えているのかおじさん世代(おじいさん世代?)にはよくわかりません。 しかし、彼らも宇宙人でない以上、基本は人間関係です。より良い人間関係や信頼関係を構築していくことが、部下を育成する基本で、それはZ世代であろうと、その前のミレニアル世代であろうと変わらないはずです。