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上司と部下のすれ違いが起きたときこそ対話のチャンス

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1387人、そのうち東京304人、神奈川170人、埼玉65人、千葉105人、愛知102人、大阪96人、兵庫24人、京都23人、広島40人、福岡37人、沖縄104人、北海道82人などとなっています。休日ということもあって減少していますが、昨年の東京オリンピック延期決定前後のような数字の操作だけはしてほしくありません。G7サミットが終了し、菅首相は「各国首脳から開催への支持を得られた」と胸を張りましたが、バイデン米大統領は、安全を確保するための公衆衛生措置を課す必要性を強調し、いわば条件付き指示と言っていいのです。お題目のように「安心安全」を唱えるだけの菅首相には、安全安心に開催するために具体的に何を為すべきかが問われます。万が一、不十分な対策しかできなければ各国は開催反対に方向転換し、強行開催した日本にすべての批判が集まります。菅首相には日本国民を犠牲にIOCと心中する覚悟があるのかということです。開催を強行するならば、国民に対し、なぜ開催しなければならないのかという開催の意義を国民が納得できるように説明し、万が一感染拡大を引き起こし多くの人命を失わせるような事態になった場合には自ら責任を取らなければなりません。その責任の取り方は、単に首相を辞める、議員を辞めるという程度の覚悟では足りません。自決する(命をかけるくらいの)覚悟が必要です。それが政治家、一国のリーダーとしての覚悟です。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「なぜ、上司と部下のすれ違いが起きたときこそ、対話のチャンスなのか?」という記事を取り上げます。またしても、対話の話ですが、対話や雑談の重要性は何度語っても語り尽くせません。今回も、「組織の慢性疾患」の治療法を訴える経営学者の宇田川元一氏の説明です。

宇田川氏は、職場に活気がない、新しいアイデアが生まれない、職場がギスギスしている、忙しいのに数字が上がらない、病欠・離職者が多いなど、組織が硬直化し閉塞感が漂っている状況を「組織の慢性疾患」と呼び、その対処法として「対話」の重要性を指摘しています。

宇田川氏が提唱する「対話」の方法は、4人1組で行う「2on2」という対話方式です。表面的な問題の裏にある真の問題を明らかにし、改善を図る画期的な方法だと言われています。1on1は、上司が部下の成長を対話を通じて支援するものですが、2on2は、今ある困ったことや日々モヤモヤしながら問題だと感じていることに、他者の視点を加えることで解決するものです。

2on2で重要なことは、「人はそれぞれの『ナラティブ(捉え方の枠組み、物語)』がある」ということです。見ている景色が違えば考え方が違うのは当然ですし、人それぞれ様々な歴史があるわけで、そういう前提を意識するだけで、人との関係をよりよくしていくことができます。

また、自分も問題の一部であると認識することも大切です。何か問題があれば、誰かのせいにしたくなりますが、自分もその問題の真っただ中にいてその一部になっているのだと認識すれば、問題の対処法も自ずから違ってくるはずです。

問題や課題がある場合、どうしても物事を単純化して対処の方法や解決策を考えようとしてしまいます。物事を単純化すれば、その場は対処できるように思えますが、実際には何らの解決になっていないことが多いのです。問題の単純化を避け、物事を具体的に考えていくことで対処や解決が容易になるのです。

ここで大切なことは、どのような場合に問題の単純化が起きるのかという傾向を予め把握して、その対策を講じておくことです。仮に十分にその対策ができていなくても、「今はこういう状況だから問題の単純化が起きているのだな」と自覚でき、問題の全体像の捉え方も違ってきます。

日ごろからどのように問題の単純化が起き、慢性疾患が悪化するのかについて理解を深めておくことができれば、形を変えた似たような問題が起きたときも対処しやすくなります。

例えば会議で部下が積極的に発言しないということがよくあります。上司は部下の意欲が低いと考え、部下は自ら発言すべきでないと思っています。こういうすれ違いが起きたときこそ、対話のチャンスなのです。

対話というのは、単なるコミュニケーションの手法ではなく、「新しい関係性を構築すること」です。対話は、①同じものを見ていてもそれぞれの捉え方に異なる部分があることを認め、②それぞれの捉え方の背景を相互に語り取り入れあうことで、③双方が、同じ状況でも以前と異なる角度で物事を捉えられるようになることです。

現在の職場は、変化するビジネス環境や多様化する従業員、働き方など様々な要因が絡み合って複雑化し、問題を捉えることすら難しくなっています。コロナ禍でリモートワークが導入され、今後さらに複雑化し、上司が部下をマネジメントすることが困難になりつつあります。そうした中、重要なのは対話であり、雑談であり、これらを通じてより良い人間関係を築き上げることではないでしょうか。