「人財」と「人財」、ジンザイの4つの意味
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で1664人、そのうち東京452人、神奈川185人、埼玉79人、千葉124人、愛知99人、大阪95人、兵庫39人、京都19人、広島21人、福岡41人、沖縄97人、北海道73人などとなっています。全国的に減少していますが、東京はこのところ前週に比べて増加しており、リバウンドの懸念があります。昨日、大規模イベントについて1万人までの入場を認めるということになり、そのときオリンピックとは関係がないと言っていましたが、早くもオリンピックに1万人を上限とする観客を入れることで調整されています。菅首相や政府は、自らが言った言葉の意味・重さを考えてもらいたいものです。まるで、分科会や尾身会長を騙したようなものです。二枚舌、嘘つき首相はもういりません。
さて、今日は、まずwithnewsの「『人材』じゃなくて『人財』どんな意図が?期限は高度経済成長に、好景気が作り出した働き手の理想像」という記事を取り上げます。
「人材」という漢字に変えて「人財」という漢字がよく使われます。私も、これまでに「人財で勝つ会社を創る」(2021.2.9)や「『人財』が育つ社長、『人罪』をつくる社長」(2020.12.21)などで「人財」という漢字を使っています。
この記事は、「人財」という漢字が使われるようになった経緯について、調べた結果が紹介されています。
これによれば、高度成長期に、経営者、労働者双方が作り上げた「人財」像というものが垣間見られます。それは、生き馬の目を抜くような激しい企業間競争に打ち勝ち、事業の規模を拡大するために、自己研鑽を怠らない「人財」像であり、企業もお金と時間をかけて働き手を育てようとする姿勢です。
ビジネスや商売の本質は「お客様を喜ばせて、しっかりと儲けること」につきます。そのためには働いてくれる社員・従業員が必要ですし、その事業の価値を信頼して「買いたい」と思ってくれるお客様に支えられています。
企業経営というものは永続するものでなければなりません。仕事をしてくれた従業員に給料を支払い、事業に要した経費や出資してくれた株主への配当金を差し引いて、残った利益を積み上げて、それを使って事業を拡大・発展させていくものです。企業の発展の原動力となりうる知識や知見は人件費として扱われ、人件費を抑制すると優秀な人材が知恵の集積を会社に残すことなく退職することになり、会社にとって極めて大きな損失となります。いかに人を育て会社の財産にするかということが重要なのです。だから、「人材」は「人財」なのです。
古い記事になりますがMS-Japanの「『人材』や『人財』、4つのジンザイの意味と違い」という記事を取り上げます。この記事は採用で「人財」という漢字を使うことの注意点の指摘しています。
1.「人材」と「人財」の意味
「人材」というのは、「才能のある人。役に立つ人物」(大辞林)という意味です。「材」には「才能」という意味もあって、実務を適切に処理できる実力のある人を表しているといってよいでしょう。
一方で、「人財」とは、人は会社の経営資源である財産であるという意味を持つ言葉です。会社にとって利益を生み出す存在であることを意味します。
両者の意味を見れば、どちらも会社にとって大切な人であることに変わりはありません。しかし「人材」の「材」には材料の意味があることから使い捨てのような存在として捉えられることもあります。また、「人財」の「財」は「お金」という意味をも表しており、「人をカネとしか見ていない」という批判もありえます。
2.ジンザイのその他の漢字
- 人罪・・・企業にとってのお荷物。トラブルばかりを起こす人、実績がなく、成長も見込めない人のことです。人は雇っているだけでコストがかかります。コスト以上の成果がないなら企業にとってはマイナスの人と言えます。
- 人在・・・会社にただいるだけの人。過去に実績はあってもそれ以上の成長が期待できず、仕事も回してもらえないような人です。
3.新入社員は人材の卵
新入社員は人材の卵といった位置づけです。やる気を示し仕事を覚え実績を積み上げれば、人材や人財に成長します。何年たっても成長もせず、実績をあげず、トラブルばかりを起こしていれば、人罪や人在になってしまいます。
強い組織を作るには、人を育て、社員一人一人の成長を促し生き生きと活動できる環境を提供することです。また、社員は、人材もしくは人財と認められるためには、日ごろからしっかりと仕事をして、成果を上げることです。努力課程だけでは意味はありません。きっちりと成果を上げてこそ評価されるのです。自分がどのジンザイなのかを定期的にチェックし、目指す人材や人財になれるように仕事をしていくことが大切です。会社は、人が成長できるようにサポートし、人材育成を行うことが重要です。
4.採用で「人財」の語を使うメリットと問題点
先ほども書きましたが、「人材」という言葉には、本来否定的な意味はありません。しかし、使い捨ての人材(材料)ととられることがないとは限りません。そこで、「人材募集」ではなく「人財募集」という語が使われることが多くなっています。
確かに、人財という表記が好印象を与えていることが多いのですが、一部で否定的な意見もあります。そもそも本当に人を大切にしている企業なら、人財とわざわざ書かなくても人は集まります。あえて人財という言葉を選んで社内外にアピールする必要があるのは、従業員を大切にしない実態・風土をごまかして少しでも印象を良くしようとしているのではないかと勘繰られるのです。
重要なのは、表記の仕方ではなく実態です。実態が伴わなければ、逆に不信感が強まります。
しかし、人財という言葉を選ぶことで、従業員のモチベーションが上がったり、経営者が人を大切にするという目的を忘れないようになったり、会社に人を大切にする風土ができるのならば、「人財」という言葉を使う意義はあるでしょう。
大切なのは実情です。人を大切にするということは短絡的な経営資源としてではなく、長期的な経営資源と考えて教育し活動の機会を提供するということです。人が最大限に輝いて生き生きとしている企業は組織力も強いのです。