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ネットフリックスに見る組織と個人の「優れた関係」

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1030人、そのうち東京342人、神奈川180人、埼玉76人、千葉112人、愛知21人、大阪78人、兵庫13人、京都6人、福岡16人、沖縄28人、北海道29人などとなっています。休日の検査数で市区ないのは当然ですが、東京では16日連続で前週の同曜日を上回っています。また感染力の強いインド型デルタ株の割合も増えているようです。こうした中、オリンピックについて、大規模会場では無観客・小規模会場では有観客とし、五輪関係者は別枠とする案で最終調整がなされているようです。五輪関係者だけ特別扱い、まさに五輪貴族です。誰のための五輪なのでしょうか。一部利権とIOC、菅政権のための五輪など見たくもありません。

さて、今日は、Forbes JAPAN の「世界最強組織ネットフリックスに見る、組織と個人の『優れた関係』」を取り上げます。

ネットフリックス(NETFLIX)は、アメリカに本社を置く世界的な定額制動画配信サービス及びオンラインDVDレンタル運営会社で、世界一自由な会社と言われています。ネットフリックスの強さの秘密は、その「自由」と「責任」からなる企業文化にあると言われています。

創業者リード・ヘイスティングスがオンライン上に公開した「ネットフリックス・カルチャー・デック」の中には、127枚のスライドに標語が書かれています。

その中に「十分な働きぶりの従業員を十分な退職金で解雇する」と書かれています。ネットフリックスは、会社を「家族」ではなく、ベストプレーヤーが集まる「オリンピックチーム」とみなしています。最高の人材しか採用せず、功績が落ちればほかのプレーヤーに取って代えられるのです。

また、休暇規定もありません。ヘイスティングス自身が年に6週間の長期休暇を取ることで、「この会社で成功するには休暇を取る必要がある」という雰囲気が生まれ、自由な文化が醸成され機能しているのです。

ネットフリックスの企業文化は「能力密度を高める」「率直さを高める」「コントロールを減らす」という3ステップから成り立っていると言われています。

多くの企業は、効率性や一貫性に固執し過ぎて「ミス防止」を重視し、イノベーティブ(革新的)な発想が生まれにくくなっています。ネットフリックスは、比類ない自由を従業員に与えることで、イノベーションを生み出そうとしているのです。

1.能力密度を高める

 コントロールを外せば、会社はカオス化するのではないかという懸念が生まれます。そこで、ヘイスティングスは、ずば抜けた人材のみを業界トップレベルの待遇で雇うことにしたのです。5人を雇う予算があれば超優秀な2人を5人分の予算で雇うということです。少数精鋭ならば、従業員へのコントロールを大幅に減らすことができます。これが、「能力密度を高める」ということです。

 問題は、トップレベルの人材が卓越した成果を出し続けられるかということです。そこで、最高の功績を挙げられなくなった従業員には十分な退職金を支払って解雇するというのです。仕事ぶりは伝染します。情熱や活力、高い能力は全体の士気を高めますが、一人でも卓越した結果を出せない者がいれば全体の士気を落としてしまいます。そこでベストプレーヤーだけを残すのです。

 誰を残すかで使われるのが「キーパー(居残り)テスト」です。もし誰かが辞めると言ってきたときに、退職も申し出にホッとするようなら、その従業員は解雇すべきだということです。

2.率直さを高める

 これは忌憚のないフィードバック文化を意味しています。従業員は、毎日フィードバックを与え合うのです。従業員同士が責任を持ち合うことで、コントロールが不要になります。

 率直なフィードバックは敬遠されがちですが、「4A」(4つのA)というガイドラインが決められています。

  • Aim to Assist(その従業員の助けになるように心がける)・・・優越感や怒りからのフィードバックは厳禁
  • Actionable(実行できるものであること)・・・具体的な行動計画を提案する
  • Appreciate(感謝すること)・・・受け手には「サンキュー」の一言が必要
  • Accept or Discard(受け入れるか受け入れないかを決める)・・・フィードバックに従うかどうかはその人次第

3.コントロールを減らす 

 ここでは3つのカテゴリーから成り立っています。

  • ノーポリシー(社則なし)・・・休暇や出張、支出など、従業員次第。休暇日数も出張の移動手段・宿泊先ホテルも従業員次第。まさに「自由」だが、信頼され大人の恋湯堂を善t例とされている分「責任」が伴う。
  • 管理手続き撤廃・・・重要業績評価指標(KPI)など不要。最高の従業員の下で能力密度と率直さが高まったら、彼らがやるべきことをやっているかを追跡する必要などなくなる。自由のやらせることで、従業員は創造性やイノベーションをはぐくめる環境を作っていく
  • 意思決定の承認不要・・・ヘイスティングスを「根っこ」として、そこから幹が伸び枝へと分かれていく。根っこが会社が向かうべき方向や留意すべき要件など、全体のコンテキストを定め、「幹」であるトップレベルの幹部が各部署ごとに更なるコンテキストを定め、「枝」であるマネジャーにバトンを渡す。さらに御上に伸びている「小枝」の「情報に通じたキャプテン」が意思決定を下す。このキャプテンが幹部が示したコンテキストに本地て大きな意思決定を下す責任を負う。

4.重要になる「柔軟な企業文化」

 この記事では、ネットフリックスの企業文化をもとに、これからの企業やスタートアップ企業が学ぶべき点が5つ挙げられています。

  1. 自社にとってミス防止とイノベーションのどちらが重要かを決めること・・・日本企業が留意するミス防止文化はメーカーなど安全性重視の業界にはいいが、試行錯誤が必要なイノベーションには向かない。
  2. イノベーション重視と決まれば、従業員に自由を与える
  3. キーパーテスト・・・チームに働きぶりの悪い従業員はいないか考える。採用の際は、少数の優秀な人材を高額で雇う。
  4. フィードバック文化の構築
  5. 組織の自由度を高める・・・規定や商人の廃止など

しかし、ネットフリックスにおなれる企業はほとんどないでしょう。すべての企業には独自の企業文化・社風があります。しかし、コロナ禍で経済が疲弊する中、企業の生き残りをかけた戦いや挑戦が始まっています。変化し続ける環境に適用していかなければ生き残ることはできません。そのため、イノベーションや柔軟性が要求されます。

この記事では、「今後は多くの企業が、指揮系統やコントロールと言う考えに背を向け、柔軟性・責任・コンテキスト重視の経営に移行するだろう。ネットフレックスになれなくても、同社のステップを踏めばどんな組織にも自由の文化が根付く」と言っています。

しかし、過去の因習や過去の栄光にしがみついて何とか生きながらえているような日本企業ではネットフレックスになることは不可能でしょう。日本でも、コロナ禍でリモートワークが普及し、組織の自由度は若干高まりました。コロナ化で、どの組織も少しは柔軟になっています。新しい柔軟な企業文化を生み出していくことができるかは、コロナ後も、コロナ前に逆戻りするのではなく、柔軟な対応を取り続けることができるかにかかっています。