中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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リーダーのあり方

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 おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3418人、そのうち東京1308人、神奈川403人、埼玉328人、千葉253人、愛知74人、大阪324人、兵庫77人、京都32人、福岡71人、北海道85人などとなっています。首都圏を中心に急増しており、神奈川も緊急事態宣言の発令を政府に要請するようですが、埼玉・千葉・大阪も緊急事態宣言を発令してよいような状況になっています。確かに、病床使用率など医療体制は第3回目の緊急事態宣言の時よりもひっ迫していませんが、オリンピックが開催され人々の気が更に緩むと感染者の爆発的な増加につながり、当然重症者数も増加します。東京都のモニタリング会議では4週間後に新規感染者2400人との試算が出ています。これは第4波のピークの数を上回る数字です。それにもかかわらず、IOCのバッハ会長は、菅首相に対し「感染状況改善なら有観客で」「日本国民にはノーリスク」などと日本人の命など意に介さず、さすが「ぼったくり男爵」と言われるだけのことはあります。空気が読めないことに関しては、菅首相と甲乙つけがたく、先日の会談など茶番劇、同類相憐れむと言ったところです。

さて、今日は、NIKKEI STYLEの「組織・個人の責任ハッキリ 社員に求める仕事の顔」という記事を取り上げます。

この記事は、2018年に三菱商事からアシックスの社長に転じた広田康人氏にインタビューしたものです。広田氏は、社内の意識改革に取り組み、「自分の仕事は誰よりも自分が熟知している。仕事師になれ」と言います。プロフェッショナルな意識の醸成によって組織の一人ひとりの責任を明確にすることが重要だということです。

1.リーダーの条件

 広田氏は、「『これがリーダーだ』という明確な答えはない。個性や人柄によっても違う。ただ最低限の条件はある」と言っています。その最低限の条件というのが

  1. 前向きであること
  2. ブレないこと
  3. 健康であること
  4. 好き嫌いではなくパフォーマンスで人を判断すること
  5. 約束を守る
  6. 遅刻しない
  7. 成果を出す

などです。リーダーは、最低限、これらの基本は守っていかなければなりません。基本を徹底することは、部下の安心感にもつながり、「この人について行って大丈夫」という意識が生まれます。

2.責任を明確に、組織も改変

 「自分の仕事を誰よりもできることが大事」です。自分の仕事がどういうものでどう回っているのか、しっかりと把握することが重要なのです。それが「仕事師になれ」ということです。そのために重要なのが役割分担です。自分がどのような仕事をしていて、どのような役割を担っているのかをしっかりと把握することです。それによって自分の責任も明確になります。

 それは組織についても同じです。組織・チームとしての役割分担も明確にすることで、組織・チームの責任も明確になります。

3.ブレないこと

 企業には多くのステークホルダーがいます。これらのステークホルダーの意識や考えは千差万別です。ステークホルダーから色々な意見や反応が入ってきます。これらに答えようとすれば、終始一貫せず考えがブレてしまいます。自分の考えをブレずに貫き通すということはなかなか難しいものです。人間なので、感情もあれが色んな考えがわいてきます。だから瑣末なところでブレるのはやむを得ないことですが、判断の基軸がブレてはダメなのです。

次に、プレジデントオンラインの「橋下徹『結果を出せるリーダーが必ず守っている3つのポイント」を取り上げます。

橋下氏は、「ビジネスにおいては、決断するための手続き・ルールがはっきりと決まっていないことが多々ある。リーダーは決断に至るまでのルールを自分で作り上げていかなければならない」と言い、手続き的正義に沿った決断するためのルール作りのポイントを3つ挙げています。その3つとは

  1. 立場、意見の異なる人に主張の機会を与える
  2. 期限を決める
  3. 判断権者はいずれの主張の当事者にも加わらない

です。まず、お互いの主張が出尽くすまで、徹底的に議論させることです。そして、いつまでもダラダラしていては決断が先延ばしになるだけなので、期限を設けなければなりません。そして最後に判断するのはリーダーです。リーダーが下した結論が絶対に正しいという保証はありません。しかし、手続き的な正義・プロセスに則った決断なので、納得が得られやすくなります。

橋下氏が、大阪市長大阪府知事時代に行った多くの決断が、本当にこのようなルールに則って行われたものか、その判断が間違っていなかったのかについては、私見は差し控えます。

確かに、橋下氏が言うように、手続き的正義・プロセスに則ったルールに従って判断権者であるリーダーが決断しなければならないことは間違いありません。しかし、手続きさえ踏めば、リーダーが恣意的にどんな判断をしてもよいのかというと、それは間違いです。

企業で言えば、どんな企業にも企業文化があり、ビジョンや理念があります。リーダーは、常に企業文化、ビジョンや理念を念頭に置いて自分の考えを発信しなければなりません。リーダーと全社員が企業文化やビジョン、理念を共有していることが重要です。先ほど書いたようにリーダーはブレてはいけません。自分の考えに、しっかりとした信念や基軸を持っていなければならないのです。リーダーの意思決定・判断は、常に企業文化やビジョン、理念に合致したものでなければならず、リーダー自身の基軸からブレてはいけません。