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カリスマ型リーダーの問題点、指示待ち部下を作るリーダーの問題点

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で12,073人、そのうち東京2884人、神奈川2166人、埼玉1160人、千葉952人、愛知256人、大阪995人、兵庫275人、京都271人、福岡625人、沖縄332人、北海道310人などとなっています。本来月曜日は検査数が少ない休日のデータですが、先週の月曜から3500人以上増加し、神奈川では過去最多となりました。1日の重傷者も過去最多の160人に迫る勢いで156人、過去最多を更新するのも時間の問題です。本当に深刻な状況に来ています。厚労省は、新型コロナで自宅療養中亡くなった人が今年に入り6月までで84人いたことを発表しましたが、菅首相が行おうとしている「軽症・中等症者は原則自宅療養」では益々自宅療養中に亡くなる人が増えるでしょう。与党の批判・反対を押し切り、安全安心な国民生活を守ることを放棄した菅首相、支持率28%、最低の数字だそうですが、多すぎるくらいです。国民に心に響くメッセージを届ける意志も能力もなく、あの死んだ魚のような眼を見て覇気のない話し方を聞いて腹立たしさを覚えるのは私だけでしょうか?

さて、今日はまず、ダイヤモンドオンラインの「『出世しても期待外れになる人』の明確な共通点」という記事を取り上げます。この記事はスタンフォード大学のデボラ・グルーンフェルド教授の「スタンフォードの権力のレッスン」からの抜粋です。

リーダーを選ぶ場合、カリスマ性や好感度に基づいて選ばれることが一般的な慣行になっていますが、そこには大きな危険や落とし穴があると言うのです。

カリスマ性は、その人が持っている特性の一つで、人を惹きつける魅力の強力な源泉ですが、カリスマ性が集団や組織の成功や存続に貢献しているかというと、ほとんど貢献していないという研究結果があるほどです。

そして、カリスマ性は注目を集め、肯定的な人物評価につながるものですが、カリスマ性や好感度に基づくキャスティングでは、結果を出せる人よりも、部下に好かれているかどうかを気にする人を昇格させてしまう危険があるというのです。

「カリスマ」なり「カリスマ性」という言葉が普通に使われていますが、ここで、ちょっとカリスマ性についてみてみたいと思います。

カリスマという言葉を最初に使ったのは、政治社会学者のマックス・ウェーバーであると言われています。マックス・ウェーバーによれば、「ある人物が持っている非日常的な資質」を意味するとされますが、あまりにとらえどころのない定義です。

その後、多くの研究者・学者がカリスマ型リーダーシップの研究を行い、コンガ―やカヌンゴはカリスマ型リーダーの特徴として次の5つを挙げています。

  1. ビジョンと明確な表現・・・現状よりより良い未来を目指す明確な目標・ビジョンを持ち、部下が理解できるようにその目標・ビジョンを明確に表現する
  2. 個人的リスク・・・ビジョンを達成するために、個人的に高いリスクを冒すこと、自己を犠牲にすることを厭わない
  3. 環境に対する配慮・・・環境的制約と変革をもたらすために必要なリソースについて、現実的に評価することができる
  4. フォロワーのニーズに対する配慮・・・部下の能力をよく理解し、部下の感情やニーズに敏感に対応する
  5. 並外れた行動・・・奇抜で並外れた行動力を発揮する

こうした5つの特徴を持つリーダーはなかなかいませんし、こうした能力でリーダーを選ぼうとしたら選べる人は限られるでしょう。結局は中途半端な人物が選ばれることになるのです。例えば、4のフォロワーのニーズに対する配慮という点で言えば、この記事で書かれているように、部下の感情やニーズに敏感に対応しようとして、逆に部下に媚びへつらい気に入られようとの行動をとるようになるのです。

この記事では、カリスマ性や好感度ではなく、人間としての「あたたかさ」という点に焦点を当てるのがいいと言っています。

ここでいう「あたたかさ」というのは、単に魅力的であるとか、好感が持てるとか、敬愛されるということではありません。

あたたかさというのは、より深い何か―真の思いやり、コミットメント、信頼性ーを指し示しています。あたたかさとは、誰かの成功を心から願い、そのために自分のエネルギーを使い、リスクを取り犠牲をいとわない態度のことです。

あたたかさというのは、誰かを助けるために必要な時には力強く、しかし威嚇的・威圧的でない方法で行動する能力のことです。あなたの見方であるという安心感を与え、汗時や機嫌取りや陳腐な話術によってではなく、相手の向上を助ける能力です。

この記事では、誰かを重要なポストにキャスティングするときには、魅力やカリスマ性、好感度で選ぶのではなく、その人の能力と他者への思いやりや献身を両立させているかという基準で選ぶべきだと言っています。IQだけでなくEQ(こころの知能指数)も必要ということです。

次は、ダイアモンドオンラインの「『指示待ち部下』を作ってしまうリーダーの問題点とは」という記事を取り上げます。この記事は、沖本るり子氏の「人を動かしたければ1分以内で伝えろ!」からの抜粋です。

企業や組織では、自分で考えて自分で行動する「自立型」の人材が求められます。しかし、現実には「指示待ち人間」が多いのです。これには、部下のやる気をそぐリーダーがいることに問題があるのです。また、人事評価にも問題があります。

自分で考えて自分で行動して、うまくいけばいいのですが、失敗した時のリスクを考えると、指示されたこと以外何もしない方が評価は下がらないということになります。

部下が気づいたことを深く考え、行動に移し、上司に提案しても、話すらまともに聞こうとせず、面倒くさがる上司が結構います。こういう上司がいると、下手に動いてリーダーの機嫌を損ね評価が下がるくらいなら、もう新しいことは考えず、指示されたことだけやっておこうという雰囲気になります。

このような事態が継続すれば、上司と部下とのコミュニケーションも円滑に進まず、部下のやる気はますます低下し、チームや組織の生産性は下がります。

上司としては、仮に大した提案でなくても、面倒くさがらずに、部下が自分で考えて行動しようとする姿勢や態度を認め、また次にチャレンジする意欲を継続させることが大切です。

もし部下が何かを提案してきた場合、しっかりと聞き情報を共有し、上司も自分で考えることです。上司自身が部下の問題意識を共有したうえで、部下と同じようの取り組まなければなりません。どのような提案でもしっかりと聞く耳を持たなければ、部下は自分で考え自分で行動しません。上司が取り組まなければ部下も取り組みません。

部下が「指示待ち部下」になるのは上司に責任があるのです。