中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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風通しの悪い組織の問題点

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で10,574人、そのうち東京2612人、神奈川1572人、埼玉1166人、千葉860人、愛知259人、大阪697人、兵庫228人、京都107人、福岡458人、沖縄332人、北海道347人などとなっています。東京は、先週火曜日よりも1097人減少していますが、これは振替休日で検査数が少なかったことが要因で、感染が減少に転じたというわけではありません。東京の1日の重症者は176人と過去最多になりました。第3波の時には重傷者の80%以上が60歳代でしたが、第4波ではほとんどが感染力が強いデルタ株に置き換わり、50歳代以下が重傷者の70%を占めています。中年層・若年層へのワクチン接種を加速させるべきです。丸山五輪相が、ぼったくり貴族バッハの銀ブラに「不要不急かは自己判断」と発言しました。五輪開催前には「待機期間が明けても不要不急の外出は許されない」と言っておきながら、この矛盾した発言に国民の批判や不満は募るばかり、かつて本人が国会で野党議員に放った「この愚か者めが!」というヤジが自分にブーメランのように戻ってきています。丁度、西村担当相がお盆の帰省や旅行自粛を呼びかけたばかりの時に、不要不急は「自己判断」では、国民の自粛の緩みを助長するばかりです。菅首相をはじめ、どいつもこいつもそろって馬鹿・愚か者ばかりです。

さて、今日は、東洋経済オンラインの「日本人もやりがち! 過度な序列重視の落とし穴」という記事を取り上げます。この記事は、これまで何度か取り上げた「7つの習慣」の著者コヴィー博士が絶賛した伝説の艦長による「上司に悪い情報が流れない、風通しの悪い組織の問題点」についてものです。

1.上に気を使う「序列第一」がもたらす問題

 「安全第一」を掲げる組織は多いのですが、実際には安全よりも序列を重視した「序列第一」の行動をとっていることも多いのです。

 まるで軍隊(海軍)のように、序列の構造が細部にまで確立され、厳格な規則を設けてなれ合いを良しとしない職場環境も多いです。規則を設けている目的は、仕事の割り当てや昇進に好き嫌いなどの恣意的な感情が影響しないようにするためだと言われています。

 上司が部下に対して権力による「強要」で仕事をさせようということになると、部下は自分で考えるのをやめるようになります。別の誰かが決めた規則・ルール、指示、行動内容に従っているなら思考や意思決定という厄介なプロセスから解放されてラクができるからです。これでは上司に言われるままに行動し、自分の頭で考えたり判断することがなくなり、自発的・自主的な行動は起こりません。

 この記事、つまり伝説の艦長は「垣根を越えてつながるプレー」を提唱しています。これは、部下との間に「強要・服従」の関係を築くのではなく、隣に寄り添い、他者を気に掛けるということです。他者が何を考えているのか、どのように感じているのか、個人的な目標は何かを、他者と同じ位置に立ち気に掛けるということです。

2.「垣根を越えてつながる」4つの方法

 「垣根を越えてつながるプレー」には4つの方法があると言います。

  1. 権力の勾配を小さくする
  2. 知らないことは知らないと認める
  3. 弱さを見せる
  4. 自分が先に信頼する

 上司だからといって何でも知っているわけではありません。世の中、知らないことの方が多いのです。「知らないことを知らない」と言うのは恥ずかしいことではありません。むしろ、知らないことを知ったかぶりする方が恥です。知らないことを知らないと認めることで、部下との距離も縮まり、より良い人間関係が構築されます。

 「知らないことを知らないと認める」ことも「弱さを見せる」ことですが、完璧な人間などいません。完璧な上司というものもいません。人間だれしもどこかに欠点はあります。そうした弱さを見せることです。上司が自分の弱さを見せたからといって馬鹿にする部下などいません。むしろ親近感を抱いて、上司の弱さを補ってくれるはずです。そうしてチームとしてまとまり、チームとしての成果が上がるのです。

 重要なことは部下との信頼関係です。何度か書いていますが、部下の育成方法は「認めて、任せて、褒める」です。部下は上司に対し、気兼ねに恐れています。部下の方から上司を信頼するということはほとんどありえません。より良い人間関係を築こうとするなら、まずは、上司が部下を信頼し「認めて、任せる」ことです。「認めて、任せて」もらった部下はその上司のために働こうとします。うまくいったときには「褒めて」、ミスをした時には「叱って、フォローする」ことで、次第に上司を信頼するようになります。部下との信頼関係を築くには上司が先に動いて信頼しないといけないのです。

3.権力の勾配を小さくする

 この記事では、「権力の勾配を小さくする」方法について書かれています。

⑴ 権力の勾配の尺度というものはいろいろあります。

 給与額、オフィスの広さ、絨毯の厚さ、専用の駐車場や食堂と言った物理的な区別、特定の会議への参加権、座る位置、アシスタントの人数や脳る奥の高さ、発言が許される時間、遅刻の許容などなどです。

 権力の勾配が大きいところでは、「一歩ずつ」のやり取りに限定されます。指揮系統を無視して飛び越えることは、社会的にも序列的にもタブーとされます。

 指揮命令を飛び越えて情報が伝達されるということもありません。情報も指揮命令に従って一歩ずつ上がっていくのです。それは、情報も、命令やコミュニケーションと同じように扱うからです。命令は指揮系統に従うべきですが、情報は組織全体に自由に流れ情報共有が望ましいにかかわらず、上へと伝わらないのです。特に都合の悪い情報は途中で澱み滞ってしまうものです。

⑵ 上司に送るメールに都合の悪い情報を書けるか

 権力の勾配は、情報の検閲と正比例の関係にあります。

 権力の勾配が大きい組織では部下は情報を慎重に検閲したうえで上司とやり取りします。悪い知らせは排除したうえでメールの文面を組み立て、上司から何か提案があっても、良いと思うにせよ悪いと思うにせよ、沈黙を保つ、後は成り行きに任せるのです。

 権力の勾配が大きいと、上司は立場が上であると知らしめる必要があると言わんばかりにあからさまに権力をふるい、服従させようとします。それでは、先ほども書いたように、部下は自分の頭で考えて行動しなくなり、自発的・自主的な行動は起きなくなります。

 この記事では「リーダーは権力の勾配に敏感ななり、自ら勾配を小さくすることに努めなければならない」と言っています。

4.権力の勾配を小さくする言葉

 権力の勾配が大きいときには、上司は、「ここで一番偉いのは私だ」「私が決めたことだ」「ここは私の会社だ」「君より長く働いている」などの表現を用いて自分の権力を誇示しようとします。

 これでは、部下との人間関係・信頼関係を築くことはできませんし、組織やチームの生産性にも悪影響です。権力の勾配を小さくしなければなりません。そのためには次のような行動をとることです。

  • 物理的・感情的を問わず、分断するのをやめて、垣根を超えたつながりを作る
  • 誰かに対して、誰かのためではなく、誰かと一緒に何かをする
  • 権威を強化するのではなく、権威を弱める
  • 批判ではなく、観察したことの描写を心がける

 権力を小さくするための言葉として、次のような言葉が挙げられています。

  1. 君に決めてもらう必要がある(決断の押し付け)
  2. これは君にやってもらわないと(決断の代行)
  3. これについては一緒に決めてもらいたい(決断の共有)

そのほかにも「ここでは君の意見が重要だ」「君の新鮮な目が新たな視点をもたらしてくれると思っている」「君の経験が我々の決断に切って役に立つ」などです。

 このような言葉を口にするのは気恥ずかしいかもしれませんが、基本は相手を思いやる心です。どのような言葉でもいいので、本心で気持ちを伝えることです。それが相手の心に響きます。参考にしてください。