中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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成長し続ける組織の原動力

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で20,031人で、そのうち東京3168人、神奈川1921人、埼玉1203人、千葉1134人、愛知1876人、大阪3004人、兵庫1018人、京都532人、福岡1017人、沖縄535人、北海道351人などとなっています。首都圏では高止まりかピークアウトしていますが、大阪では過去最多で3000人を超え、関西圏や中京地域など増加傾向が見られます。厚労省は、コロンビア由来のミュー株の感染者が空港検疫で見つかったと発表しました。このミュー株は、WHOが「注目すべき変異株」に分類し、ワクチンの効果を弱める恐れがある変異が起きているということです。ワクチン以外に打つ手のない菅政権にとっては、ミュー株が感染拡大となれば、自らの首を絞めかねません。しっかりとした水際対策で封じ込みを図るべきですが、菅首相の危機感のなさでは、またしても市中に紛れ込んでくるように思います。昨日は月内解散という話題が出ましたが、自民党内の猛反発で、取り敢えずは思いとどまったようです。ただ自己保身に躍起になっている菅首相は何をしでかすかわかりません。中谷元防衛相は谷垣派のグループの会合で、「新しい総裁の下で政策を実行していく」と「菅おろし」ともとれる発言をし、菅首相が来週にも行おうとしている党人事・内閣改造に「党員や国民はおそらく辟易とする」と批判しました。中谷防衛相は「開かれた政治の場ということで、臨時国会を開いてしっかりと政府が、どのようなコロナ対策を実施して、どうするかということをきちんと説明したうえで、コロナ対策に必要な予算とか、法律を成立させて、コロナ対策に国民の理解をいただけるように努力して、それから解散すべき」と述べていますが、まさに正論です。自民党にも、まだ石破氏や中谷氏のように真面なことを言う政治家がいます。こうした真面な人がトップに立たないと自民党は変われません。

さて、今日は、Forbes JAPANの「ビジョナル×マネーフォワード 2精鋭経営者の『失敗に学ぶ力』『問いを立てる力』」という記事を取り上げます。

ビジョナル創業者南壮一郎氏の「突き抜けるまで問い続けろ 巨大スタートアップ『ビジョナル』挫折と奮闘、成功の軌跡」(ダイヤモンド社マネーフォワード創業者辻庸介氏の「失敗を語ろう『わからないことだらけ』を突き進んだ僕らが学んだこと」(日経BP)という2冊の本が出版されました。これらの本の根底にあるのは「成長を続けるための条件」であり、この記事は、この二人に、成長の原動力は何かを語ってもらったものです。

1.経営者の数だけ、「良き仲間」の意味がある

 南氏は、「成長を続けるための原動力」を「好奇心」と言います。現状に満足せず、常に好奇心を持ち続け、世の中をよりよくするためにどのように貢献できるということがすべての問いの始まりだというのです。好奇心がある限り、変わり続けるために学び続けることができるのです。

 辻氏は、「自分は何のために事業をしているか」を問い続けること、この原点を忘れないことが成長の原動力だと言っています。

 そこに欠かせないのが「仲間の存在」です。

 南氏は、「社内外の仲間は自分自身を高めてくれる良きライバルであり、成長の原動力、互いに信頼し切磋琢磨し合える存在」と言います。

さらに南氏は、「経営においては、自分一人で全方位を見ることはできません。一人で見られるのはせいぜい60度くらいで、残り300度はブラインド状態になっていると思うんです。だからこそ、見えない背中の部分を、同じ志の仲間に預けられるかどうか。ビジョナルのこれまでの経営は、信頼する仲間との切磋琢磨の歴史そのものです」と言っています。

2.絶対背中から刺さない人」を誘った

 辻氏は、森氏の「仲間がライバル」という発言を面白いと言い、「僕自身は仲間をライバルと思ったことはない。仲間は同じ船の乗り組む員というイメージ」と言っています。しかし、同じ船の乗組員でも、同じ目的地に向かう者でもライバルでありえます。お互い傷をなめ合うだけでは成長はありえません。互いに同じ目標に向かって切磋琢磨しお互いが頑張ることでチームとしても個人としても成長していけるのです。その意味では南氏の「仲間がライバル」というのは間違っていません。

 辻氏は、仲間を選ぶときには、会社の進もうとしている方向と、本人の目指している方向が一致することを強く意識していると言います。

 スタートアップの時には、よく仲間割れが起きたりします。仲間割れが起きるのはスタートアップ時だけではありません。ある程度成熟しても、成熟するにつれ進もうと考える方向性が食い違ってくることがあります。スタートアップ時には見えないほどの小さな溝が徐々に大きくなり、ある程度成熟した段階で埋めることのできない溝となり仲間割れが起きるということもあるのです。

 辻氏は「絶対背中から刺さない人を誘う」と言います。スタートアップは経営者にとっては生き死にを賭けた戦いです。その中で、生き残るために侃々諤々の議論を戦わせ真正面から傷を負うことはあり得ます。しかし後ろから不意打ちに仕掛けるような相手ではいけません。その意味では、本音を語り合え、時に喧嘩もできる信頼できる相手でなければならないのです。

3.成長し続ける組織を創る「仲間選び」

 ビジョナルもマネーフォワードも、価値観を重視しています。

 起業はクラブ活動ではありません。知り合いばかりが集まって楽しく行うことではありません。新たな人材を採用しなければならないのです。その際重要なのは、会社のミッションなりバリュー(価値観)に共感してもらえるかどうかです。価値観が一致していなければ、どんなにスキルや経験がある優秀な人でも、大企業ならいざ知らず、スタートアップの企業では害悪になってしまうことさえあります。

 ビジョナルもマネーフォワードも、価値観を大事にし価値観が一致した人を採用してきたからこそ成長し続け、組織が大きくなっても、経営のベクトルを一つの方向に向かせられているのです。

4.なぜ、「社内標語」は意味がないのか

 ビジョナルには「Visional Way」という会社のミッションやバリューを定めた憲法のようなものがあります。これを社内に浸透させることに力を注いでいます。

 南氏は「どんなに素敵な言葉を並べても、それらの言葉が、社員一人ひとりに腹落ちして理解されなければ、意味がない」と言います。いくら社内標語として美辞麗句を並べてみても、それが社員一人ひとりの心の底に響き、共感を得られるものでなければ何の意味もありません。

 南氏は「可能な限り分かりやすく、みんなが普段から自然と使っている言葉」「社員の口から自然と口を衝いて出るくらいシンプルな言葉を、すべての会社にぜひ大切にしてもらいたい」と言っています。

 辻氏は、「本質的な価値観の共有はして、決まりごとはあまりつくらない。決まりごとが多いと人間の可能性を狭めて砕米かねない」と言います。スタートアップ企業では、本質的な価値観を共有しルールを最低限にすることで、潜在的な能力を引き出すことができ、チャレンジし続けることができます。

5.名経営者が皆、「言葉」を大切にする理由

 楽天三木谷浩史代表をはじめ多くの経営者は言葉へのこだわりが強いです。以前紹介した稲森経営12箇条もそうです。

 ここでは、楽天の「成功のコンセプト」には「仮説→実行→検証→仕組化」「常に改善、常に前進」「スピード!!スピード!!スピード!!」という言葉があります。これは楽天の行動規範の一部になり、楽天社員はみんな暗記しています。これらが頭に刷り込まれ、行動にも表れるのです。こうした言葉を社員に浸透させる仕組みは、楽天の強さの一つです。

6.とにかく信頼だけは裏切るな

 辻氏は、マネックスグループCEOの松本大氏の「失敗する可能性の方が高いけど。、人生は続くから信頼だけは裏切るな」という言葉を挙げています。「信頼をきちんと担保していれば、会社が上手くいかなくなっても次のチャンスはある。信頼を裏切ったらチャンスは二度とない」ということです。