中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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ムダな会議が減らない理由

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で12,908人、そのうち東京1853人、神奈川1242人、埼玉817人、千葉1129人、愛知1376人、大阪1820人、兵庫696人、京都339人、福岡589人、沖縄367人、北海道218人などとなっています。もともと少ない月曜日とはいえ、かなり減少してきました。気を抜かずに頑張りましょう。希望する国民へのワクチン接種が終わった段階で、行動制限を緩和する、いわゆる「ワクチン・パスポート」案の検討が政府分科会から提言されていますが、ワクチンを接種したからと言って必ずしも安心安全ではありません。ワクチン接種による気の緩みも手伝ってか、このところ「ブレークスルー感染」が増えています。ワクチンさえ打てばいいといった「ワクチン神話」はあり得ません。我々が日常生活を取り戻すには、コロナとの共存の道を模索するしかないのです。時期はともかく、今後の行動様式について、われわれ国民自身も考えなければならないと思います。結局はコロナ対策と経済回復の両輪をどのように回していくかということですが、安易にGotoトラベルやGotoイートを再開し闇雲に規制緩和しても再び感染拡大を助長し、第5回目の緊急事態宣言発令という事態を招きます。政府としては出口戦略の策定は慎重に行う必要があります。危機管理の基本に忠実に確たる理念を持ち、戦略を策定し、国民に丁寧に説明して共感を得たうえで、国民と共に実践できる新たなリーダーが生まれることを期待します。

さて、今日は、プレジデントオンラインの「『だからムダな会議がちっとも減らない』日本企業に決定的に欠けている”ある概念”」という記事を取り上げます。

コロナ前から「働き方改革」が叫ばれてきましたが、そこには日本の生産性の低さを働き方改革で克服しようという目的がありました。しかし、コロナ禍でリモートワークやデジタル化が導入され、働き方も少しは変わりましたが、いまだに生産性の低さは改善されていません。だからと言って、生産性の低さを、アトキンソン菅首相のように中小企業に原因があるとするのは大きな間違いです。大企業が中小企業を搾取するという産業構造に問題があるのです。日本の生産性の低さは中小企業の問題ではなく大企業の問題です。大企業が、中小・零細企業から搾取するという悪しき構造を改革しない限り日本企業の生産性は向上しません。単に中小企業の構造改革を押し進めても何の欲にも立たないのです。

この点はさておき、この記事では、日本企業の生産性の低さの原因の一つを「『決める会議』ができないこと」と言っています。

1.「過去」に時間を使うのは無駄である

 日本企業には無駄な会議が多いと言われますが、その通りです。多くの企業経営者・リーダーもそのことに気づいています。しかし、それが改善されないのは、会議ですべきことと会議でする必要のないことの区別ができていないからです。この記事では「会議でした方がいいことを理解していないから」と言っていますが、同じことでしょう。

 ビジネスパーソンにしても企業経営においても、「未来志向」が重要です。過去に学ぶことの大切さはこれまでも書いてきましたし、過去の失敗は将来の成功の糧であることは否定できません。しかし、当たり前のことですが、過去に学ぶことと過去の事実にとらわれることとは違います。過去の出来事が変わることはありません。過去に起きたことに時間を使うのは無駄なことなのです。過去の出来事から教訓や学びを得られれば、過去の出来事は忘れてしまっていいのです。

2.対面でやるべきは、報連相の「相」の部分

 ビジネスパーソンにとってだけでなく、報連相」(ほうれんそう)という言葉が一般的になり、よく使われるようになりました。それは報告・連絡・相談を縮めた言葉ですが、その中で、未来志向の言葉は「相」の部分、つまり相談です。報告と連絡は、既に起きたことについての話ですから、あえて言えば過去のこと、相談は、より良い未来を築くためのものです。

 会議とは、みんなが同じ時間、同じ場所に集まって(Webなら同じバーチャルの場に集まって)話をすることで、各人がそれぞれの仕事を中断して行うものです。そこで話される内容が過去のことであるならば、はっきり言って時間の無駄です。

 ところが多くの会議では報告や連絡事項が多すぎます。このようなものは、いちいち会議を開いてまで行う必要はありません。

3.会議で話し合うべきは未来の話の「相談」

 報告や連絡は、ITツールを使って自動化したり、効率化すればいいのです。データなどの「見ればわかるもの」をわざわざ会議の時間を使って報告したりさせたりするのは時間の無駄以外にありません。データはリアルタイムで共有しておけばいいですし、連絡はチャットで十分です。

 会議でやるべきは未来志向の話です。未来を最大限によくするために、これからどうするのか、次の一手は何をすべきかを話し合うのが会議です。

4.日本企業に決定的に欠けている「時間は借り物」という概念

 何のために集まったのか分からないけど、取り敢えず集まったというような会議があります。時間というのは極めて貴重な資源です。それを一部の人の都合で浪費させるのは時間泥棒です。

 この記事では、日本は諸外国に比べ「時間は借り物」という概念が欠けていると言っています。欧米企業では、1時間の会議が45分で終われば、「15 minutes back to you」と言って会議を解散するといいます。「1時間借りていたけで45分で終わったから、15分返す」ということです。こうした「時間の概念」がとても重要です。

 「時間は借り物」という概念があれば、目的のない会議に人を集めようと思うはずはありません。

5.コミュニケーションの重要性は変わらない

 コロナ禍でテレワークが導入され、人と対面で接する機会は減りました。しかし、どのような働き方になってもコミュニケーションの重要性は変わりません。しかし、報告や連絡はコミュニケーションではありません。コミュニケーションは、言葉のキャッチボールで、それによってお互いを高め合うことができなければなりません。コミュニケーションは未来志向でなければなりません。

 未来志向で、どれだけ会社や世の中をよくすることができるのかという視点で、未来のために時間を使うことです。「時間の重要性」を意識して、未来のことにどれだけ時間を割くことができるかを突き詰めることです。

 まずは、会議のやり方を変えることです。報告や連絡のための会議ではなく、「こんなアイデアがあるがみんなの意見を聞かせてほしい」というような建設的な相談のための会議にしていくことです。