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テレワーク下のコミュニケーションのコツ

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で10,605人、そのうち東京1629人、神奈川738人、埼玉647人、千葉648人、愛知1218人、大阪1649人、兵庫620人、京都291人、福岡424人、沖縄383人、北海道137人などとなっています。全国的に急激に減少していますが、かえって不気味な感じがします。9月に入って人流は増えてきているように見えます。感染が再拡大しないように願います。政府は、10月以降段階的に行動制限を緩和する方針を固めたようです。経済との両立は重要課題ですが、これまでの菅政権での対応はことごとく失敗し、かえって経済を泥沼に引きずり込みました。これまでのコロナ対策の失敗を真摯に受けとめ分析・検証することからのスタートです。闇雲に経済を回さんがために従前と同じような対策をとったのでは、同じ轍を踏むことになってしまいます。専門家の意見を踏まえ、時期や行動制限緩和の要件や内容、どのような要件で再び行動制限を課すのか、その時の行動制限の内容など明確な基準を定め、危機管理の基本に忠実に進めてもらいたいものです。もともと人間は誰しも多かれ少なかれ認知バイアスと確証バイアスを持ち、思い込みや自分に都合のいい方へと流れてしまうものです。楽観的な情報が流れればそれを過大評価して気を緩めてしまいます。それを引き締めるのが政府の役割です。政府や政権トップが国民と同じく認知バイアスや確証バイアスに支配されていてはダメです。リーダーは、国民に対して丁寧な言葉で説明し、国民が認知バイアスと確証バイアスに支配されることのないように正確なメッセージを発するべきです。そういうリーダーが選出されることを期待します。

さて、今日は、リクナビNEXTジャーナルの「職場の人間関係がグンと良好に!【テレワーク】コミュニケーションのコツをプロが紹介」という記事を取り上げます。この記事では、人材育成コンサルタントの片桐あい氏が、テレワークならではの悩みを解消し、職場の人間関係を構築したり、良くしたりするコツを説明しています。

コロナ禍で、テレワークや在宅勤務を導入した企業は増えていますが、オフィス勤務と異なり気楽に雑談したり、飲み会で人間関係を築くという機会が失われてしまいました。一緒に働くメンバーの近況や人となりを知る手段も限られてきています。新規採用や中途採用で入社したものの、テレワークで出社することがなく、上司や同僚と顔を合わせたことがないという人もいます。こうした中で、職場でのより良い人間関係を構築することはなかなか難しいものです。

1.テレワーク環境が整っても、職場の人間関係は希薄になっている

 新型コロナの感染拡大当初には、多くの企業が手探り状態で在宅勤務・テレワークを導入しましたが、今ではテレワークに慣れ、テレワークの環境や体制が整ってきているように見えます。企業内でテレワーク環境の整備が進む中で、テレワークに伴う社員の悩みが解消されるどころか、増えているように思います。

 確かにテレワークによって、通勤時間の短縮や労働の自律性の確立といったメリットが認められていますが、一方で、誰もが神経的にささくれ立つことがあり、生産性が低下するというメリットも挙げられます。職場での創造性を高めるものとして、職場での音や匂い、自宅とは違う環境、他人の存在などが挙げられます。これらは、一般に集中力を遮るものでもあるのですが、同僚などとの会話や雑談から得られるアイデア、通勤途中での新しい発見・刺激、偶然の出会いなどが想像力を刺激しイノベーションにつながることもあるのです。

 テレワーク環境は整えることができても、こうした面でのケアが十分にできていない企業が多く、特に職場での人間関係を希薄化させ、コミュニケーションが上手く取れなくなっています。

2.テレワークで「うまくコミュニケーションがとれない」のは、あなたのせいではない

 テレワーク環境では、自分一人の作業には集中できますが、チームとしてメンバーと連携して行う作業には向きません。特に新規採用や中途採用で上司や同僚と一度も顔を合わせたことがないというのでは、連携すべき人がどんな人なのかもわからず、気楽に連絡や報告もできず、業務が停滞することにもなりかねません。

 コロナ禍のテレワークの導入で、コミュニケーションの質や量が落ちているのは、まぎれもない事実ですが、これは企業や上司が対策を講じなければならないことです。だから「コミュニケーションがうまくとれないのは自分のせい」ではないのです。

 テレワーク下で、上司・同僚とのつながりが希薄になれば、自分が「この会社の一員」との実感が持てなくなります。企業が持続的に成長するためには、従業員一人ひとりが組織に愛着を持ち、従業員と組織が一体となって共に成長し絆を深めていくこと、つまりエンゲージメントを高めていくことが重要です。組織・企業としては、従業員のつまりエンゲージメントを高める施策を積極的に行わなければなりません。

 以前書きましたが、「機会を作り、対話することを大事にしながら、一人ひとりが行動することで文化が形成される」のです。そして、重要なのは、「組織内のコミュニケーションを図り、組織としてチームとして、共有・協働しながら、メンバーが組織の理念に共感しそれを『自分ごと化』できるようにすること」です。そういう組織を創るのは経営陣・リーダーの役割です。

3.人間関係を良好にするコミュニケーション術

 この記事では、組織に任せていては、いつまで経っても悩みは解消されないかもしれないとして、コミュニケーションのコツを3つ紹介されています。

  1. 「仲が良い人」と個別に会話したり、「仲良くなれそうな人」を見つけてアプローチする・・・誰とでも仲良くなれるに越したことはありませんが、苦手な人やとっつきにくい人はいます。「テレワークだから、あえて相手によって距離感を変えていい」と割り切り、自分と話が合う人を見つけて積極的に話すことです。
  2. 積極的に「自己開示」する・・・自分の人となりや考え方、価値観を知ってもらうことで、また相手の人となりや考え方を知ることで、距離感が縮まります。
  3. ライトな「相談」で頼る・・・あえてほかのメンバーに頼り相談すること、人は頼りにされるとうれしいもので、距離感が縮まります。

4.オンラインでも相手が気持ちよく話せる「聞き方」が良い印象を与える

 相手は「興味を持って聞いてくれる」とうれしくなり、どんどん話してくれるようになるので、相手が気持ちよく話せるような「聞き方」を心がけることが大切です。

  1. 明るい一声・・・最初の雰囲気づくりが大切です
  2. 口角を上げた表情・・・にこやかな表情で相手が話しやすくなります
  3. うなずき・・・句点のタイミングで頷くことで、相手は話を進めやすくなります
  4. あいづち・・・うなずきと相槌を上手く組み合わせることです
  5. 前のめりの姿勢・・・興味を持っていること、相手の話が響いていることを示せます

5.話しにくい相手なら、ビジネスライクに徹するのも手

 話しにくい相手やとっつきにくい相手はいますが、職場である以上、避けて通ることはできません。関わらないわけにはいかないのです。この場合は、無理に「懐に飛び込む」努力をする必要はなく、ビジネスと割り切って接することが大事です。こういう相手には感情的ではなく、ロジカルな話し方を行うべきです。無駄のないコミュニケーションを心がければ、相手をイラつかせることもなく、こちらの感情が刺激されることもありません。もしかしたら、相手の方から歩み寄り、それがきっかけでよい関係が築けることもあるかもしれません。

片桐氏は、「人間関係は『手段』。悩んだら「目的」に立ち返る」と言います。

職場において人間関係を築くことが目的ではありません。業務を円滑に進め成果を上げることこそが目的です。人間関係の構築は、その目的達成の手段にしかすぎません。「仕事を前に進める」という目的に立ち返って、誰とどのような関係を築き上げるかを考えてみることです。すべての人と同じような良好な関係を築くというのは不可能なことです。もしもテレワークで、悩みや課題があっても一人で抱え込まないで、共有できる相手を見つけることです。また、上司やリーダーは悩みや課題を抱えている人がいないか、積極的にコミュニケーションを取り、メンバーが抱えている悩みや課題を解消すべく向き合うことです。