中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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分析しすぎない、直観に従う、時折失敗するのが偉大なリーダー

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3604人、そのうち東京531人、神奈川259人、埼玉239人、千葉166人、愛知359人、大阪540人、兵庫273人、京都109人、福岡123人、沖縄141人、北海道76人などとなっています。前週の同じ曜日で比べた場合、29日連続で減少しており、月末の緊急事態宣言解除が現実味を帯びてきました。しかし、すべての地域で全面解除するのではなく、首都圏・関西圏・愛知、沖縄については、まん延防止等重点措置に移行させて様子を見るべきでしょう。また、緊急事態宣言解除後は行動規制緩和の動きが加速しそうですが、政府は、まず全国10か所程度の地域を指定し行動規制緩和に向けた実証実験を行うようです。実証実験での結果を踏まえて、今後の行動規制緩和の内容や条件を決めることは良いことだと思います。ただ、どのような行動規制緩和を行った場合に感染者数が増減するのかデータを取り、そのデータに基づいて行動規制緩和の条件や内容を決めるうえでの実験は必要ですが、行動規制緩和ありきの前提で行われるのであれば問題です。ニュースなどで出ている実証実験の内容は、ワクチン接種済みか否かの確認を行いエリアを分けるなど手続き的なもののようであまり意味があるとは思えません。実証実験の目的と検証項目を明確にしたうえで、しっかりと実験を行いその効果が検証されなければなりません。中途半端な実証実験では無意味ですし、逆に差別を助長するなど悪弊を及ぼす恐れすらあります。

さて、今日は、日経ビジネスの「分析しすぎない、直観に従う、時折失敗するのが偉大なリーダー」という記事を取り上げます。

いくら有望な市場でも、いくら優秀な人材を集めても、リーダー次第で組織は停滞します。リーダーに求められる資質として、次のようなものが挙げられます。

  • 明確な意思表示ができる・・・明確な判断ができなければチームの目標も定まらず、チームを一つの方向に導くことができません。
  • 寛容の態度・心構え・・・チームメンバーの多様な意見を聞くこと、そしてそれを取り入れる寛容さが必要です。
  • メンバーとのより良い人間関係・信頼関係の構築・・・メンバーとの信頼関係ができなければ、チームを目標に導くことはできません。
  • 他の人ともコミュニケーションが取れる・・・チームメンバーだけでなく、外部の人とも円滑なコミュニケーションが取れ良好な関係が築くことができることが必要です。
  • 柔軟な対応力・・・判断には時々の状況に合わせて柔軟な対応が求められます。
  • 問題の本質を見抜くことができる・・・問題解決の前に、どこに問題があるのかを提起でき、問題の本質が何かを明確にできなければなりません。

この記事では、リーダーに最も必要なのは「意思決定能力」だと言っています。慢性的に優柔不断なリーダーが多い中、偉大な企業を作るリーダーは優柔不断に陥ることがなく、完璧な情報がなくても決断します。ビジネスの世界で、完璧な情報がそろっていることなどありません。リーダーは十分な情報がない状況でも迅速に意思決定し行動を起こさなければならないのです。その意味では、リーダーに最も必要な資質は「意思決定能力」であるというのはあながち間違ってはいません。

1.分析しすぎて決断できなくなる

 物事をじっくりと分析するのは良いことである反面、分析にだけ拘っていたのでは「分析麻痺」の状態に陥ってしまいます。あらゆるリスクを排除できるほど、あるいは迷いなく決断できるほど十分のデータや情報が集まることはほとんどありません。

 また、あらゆる経営分析は前提をどこに置くかによって結果は変わってきます。全く同じファクトを前提としても、人によって全く異なる結論に達することも多いのです。それは、ぞれぞれが異なった前提に基づいてファクトを見ているからです。同じデータや情報でも、それを見る人の前提によって評価は大きく変わるのです。

 分析しようと思えばきりがありませんし、断定的な結果が出ることも稀です。それでも決断しなければならないのが経営というものです。決断を先延ばしにすることはできないのです。それにもかかわらず、分析ばかり行って決断をなし得ないリーダーは多いのです。

 リーダーの仕事は分析を尽くすことではなく、意思決定を下すことです。無分別な行動や思い付きで闇雲に動くのは論外ですが、ある程度の情報やデータが出そろった段階で、決断し、後は一か八か賭けるしかないのです。

2.直観に従う

 不完全な情報しかない場合、どうやって最終的に判断するのかについて、この記事は「本能あるいは直観に従う」しかないと言っています。

 直感で判断することは非科学的であり、抵抗を感じる人も多いのですが、意思決定が上手い人の多くは、冷静な分析と直感の両方を組み合わせて意思決定を行っています。

 直感が働かないという人はほとんどいません。直観は誰にでもあります。難しいのは、それを認識し、活用することです。

 そのために重要なのは、問題や判断の核心を見ることです。枝葉末節を整理し、メリットやデメリットの長々としたリストは捨て、「問題の本質は何か。細かいことはどうでもいい。重要な点は何か」を問いかけることです。

 問題の様々な特徴や複雑性にこだわるのを止めて、余計な部分はそぎ落とし、問題の本質的要素を炙りだしたうえで、「直観はどう言っているのか」と向き合うことです。

3.直観を磨くには

 直感はセンスです。センスも磨くことは可能です。この記事では、センスを磨く有効な方法は「自分の判断に対する内なる反応をじっくり観察してみること」と言っています。

 例えば、メリットとデメリットが延々と続くリストを抱え、二進も三進もいかなくなったとき、適当に結論を出して、それに自分がどう反応しているかを観察するのです。ほっとしていたら、あんがいそれは正しい判断で、不安や緊張感があり「何か嫌な感じ」がするなら、おそらく間違った判断だろうというのです。

 「これが正しい行動と思うが、○○の不安がある」という時は、直観に反して危険な判断を下そうとしているサインなのです。

4.判断は「誤る」方が「しない」よりましなことが多い

 ビジネスの世界で打率10割は不可能です。流石に野球のように3割というわけではいけませんが、6割ならば合格です。4割の失敗は許されるのです。

 何もしないで決断を先延ばしにするのは、リスクに直面せずに安心できるかもしれませんが、足を止めることが許されない中小企業の世界では、結論を先延ばしにすることは足元をすくわれ、致命的な大失敗につながることもあります。差し迫った問題があるならば、先送りするのではなく、直ちに決断を下し、やっていくしかありません。

 決断して行動を起こさなければ前に進みません。決断した結果間違いでだったのであれば、問題を分析し、その本質的なところを見極めて軌道修正していけばいいのです。

 判断をしないということは、往々にして、誤った判断を下すより悪い結果につながります。問題に正面から向き合い、追いつめられる前に攻撃に出て、決断を下すのです。間違っても仕方ありません。結果はすぐに跳ね返ってくるので、解決に向けて動き出すことができます。

 失敗するのは当たり前、失敗してそこから学ぶということが重要です。この記事では「失敗はアスリートの筋トレのようなもの」と言っています。失敗するまで負荷をかけ続けるのです。失敗すればそれに適応してさらに強くなります。

 意思決定して、そのうち何度か失敗をし、そこから学習するのです。一つも失敗しなければ、いつまで経っても成長はありません。時折失敗するから強くなれるのです。

失敗を恐れるな。知恵はたいてい失敗から生まれるものだ」(ポール・キャビン)です。

分析ばかりで決断を下すことのできない優柔不断なリーダーでは組織は疲弊します。ある程度分析して得られたデータや情報に基づいて意思決定を下し行動すること、それが間違っていれば軌道修正する柔軟さを備えていることがリーダーには必要です。