中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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月曜日が楽しみな会社にしよう!

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で274人で、13県で0人,27道県で1桁となっています。全国的に減少傾向が続いていますが、大阪は61人と先週の同曜日よりも19人増加しています。数字だけで一喜一憂するわけではありませんが、繁華街や街中の人出の増加を見ると、更に気を引きしめていかないと急激に増加に転じ第6波に突入してしまいます。今こそ、今一度気を引き締め節度を持った行動を心がけるべき時です。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「日本で17年間出版が禁じられた伝説の名著『ザ・ゴール』の著者が生前最後の講義で話した『問題解決の本質』」という記事を取り上げます。ビジネス小説『ザ・ゴール』の著者エリヤフ・ゴールドラット氏は、イスラエルの物理学者です。

この最後の講義が「月曜日が楽しみな会社にしよう!」です。

先日、品川駅のコンコースで大量に表示された「今日の仕事は楽しみですか」という広告がネットで炎上し、『配慮に欠く表現だった』と広告を出した企業が謝罪し、撤去されるということがありました。日本ほど「仕事は苦痛」「食うために働いている」と考えている労働者はいません。自分が好きなこと、楽しいことを仕事にしている人は一握りしかいませんが、「仕事を楽しむ」という姿勢で仕事をしている人も少ないのです。それでは、モチベーションも上がりませんし、組織の生産性も高まりません。

ゴールドラット氏が講演で語ったことは、次のようなことです。

  • 組織の課題を理解し、良い方向に導く際に重要なことは、システマティックに実行することです。そして、その際は、今期の利益のようなどうでもよいことではなく、会社の安定性に重きを置かなくてはいけません。安定性を高めることができれば、スタッフのモチベーションは上がり、お互いに協力し合う環境が整うからです。そうすれば財務的な結果はおのずからついてくるものなのです。
  • 一般的に、業績が良くなることで会社の安定性が向上すると考えられていますが、それは違います。逆なのです。組織の中核的な対立が解消されるからこそ、業績が上向くのです。この順番を忘れないでください。

ゴールドラット氏は、科学の世界で現実を簡単に理解する方法を探すのが「常識」であるということに触れながら、ビジネスの世界でも「常識」の重要性を指摘します。

常識というのは、極めてシンプルであるにもかかわらず、複雑であればあるほど称賛されるビジネスの世界に警鐘を鳴らします。

ここではTOC理論について触れられています。TOC理論Theory of Constraints制約条件の理論)で、ゴールドラット氏によって考案されたものです。

これは、「どんなシステムでも常に、ごく少数(あるいは一つの)の要素または因子によって、そのパフォーマンスが制約されている」という過程から出発した包括的な経営改善の手法です。これによれば、「制約にフォーカスし、問題解決を行えば、小さな変化と小さな努力で、短期間に著しい成果が得られる」というものです。

 このTOCは次のステップで行われます。

  1. ステップ1 制約を見つける
  2. ステップ2 制約を最大活用する方針を決める
  3. ステップ3 制約以外のすべてをステップ2の決定に従属させる
  4. ステップ4 制約を強化する
  5. ステップ5 制約を解消したら惰性に気を付け最初のステップ1に戻る

こうしたステップを踏みながら、問題解決を行っていけば、「やりがいを実感できる職場・風土・仕事の進め方が、現場の競争力を高める原動力になる」のです。

TOCによって、組織の中核的な対立を解消することが、組織運営に際しての重要課題なのです。

利益が組織の安定性を生み出すのではなく、組織や風土を変えることが利益につながるのです。発想を変えることです。

利益や儲けは悪いことではありませんが、それは後からついてくるものです。

「月曜日か・・・」ではなく「月曜日だ」と思えるような会社、心から誇りを持てる会社に変えることです。ゴールドラット氏は「出社するのが楽しい会社を創ろう」と言っています。

「月曜日から出社するのが楽しい」会社であれば、品川駅の広告を見てもなんとも思わず、むしろ「今日も一日頑張ろう!」という気になるのではないでしょうか。