中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

ボトルネック

f:id:business-doctor-28:20211105082054j:plain

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で158人、24県がゼロとなっています。減少傾向にあって悦ばしいことですが、コロナ優等生であったドイツでは1日当たりの新規感染者が過去最多を更新するなど、欧州を中心に感染の再拡大が見られます。日本では、入国者の待機を短縮する方針ですが、水際対策の失敗⇒変異株の国内流入による感染拡大という同じ轍を踏むことになりそうです。アメリカ、ロシア、アジア諸国においても感染は収まっておらず、世界的な感染拡大状況を見れば、安易な入国制限緩和はいかがかと思います。経済を回すことも重要ですが、まずは国内の経済を回していくことです。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「生産性向上のカギとなるボトルネックという記事を取り上げます。

ボトルネック」というのは、全体に影響するレベルの問題要因で最も問題視されることで、ビジネスの場面では「制約条件」と呼ばれます。要は、全体の作業工程の中で、処理能力や容量などが一番低い部分を指す言葉です。目的を達成するうえで障害や問題となる部分、分かりやすく言うと「弱み」に該当する部分です。これと対照的なものが「ボトルネック」で、これは「強み」です。

多くの企業は自社の「強み」、つまり「非ボトルメック」にばかり目が行き、「ボトルネック」の重要性を忘れてしまっています。

まず、ここで、チームで仕事をする際に、いったいどの部分に合わせて仕事をするのが効率的か考えてみましょう。

「スピード」という点で言えば、一番仕事が早い人に合わせるのが正解のように思えます。しかし、概して仕事が早い人は優秀な人です(中には要領だけいい人や、早いだけで質が悪い人もいますが)。チーム全体で見れば、そのような人は一握り、ほかに全体のスピードについていけない人が一人や二人はいます。

いくら優秀なメンバーが早く仕事を終えたとしても、チームで仕事をしている限り、一人のメンバーが遅れるとチーム全体のスピードは遅い社員の影響を受けるのです。チームにとっては「非ボトルネック」よりも「ボトルネック」の影響の方が大きいのです。

このように、チーム全体の仕事のペースを左右するのは「ボトルネック」であり、「ボトルネック」こそが現状の課題の最たるもので、それを改善できればチームの生産性は当然上がるのです。

企業が自社の強みばかりを伸ばすことばかりに集中すると、弱みを改善することがないがしろにされてしまいます。強みを伸ばすことと同様、むしろそれ以上に弱みを改善することに集中した方がいいのです。

それでは、ボトルネックをどのように改善すればいいのでしょうか?

ここからは記事を離れます。

以前、TOC理論(制約条件の理論)を説明しました。これは、ビジネスにおける制約条件(ボトルネック)を解消していくことでビジネスの効率化を図ることができることを示した理論です。再度、TOC理論について触れておきます。

TOC理論は、「制約(ボトルネック)にフォーカスし、問題解決を行えば、小さな変化と小さな努力で、短期間に著しい成果が上げられる」というものです。

TOC理論は次のステップで行われます。

  1. ボトルネックを発見する・・・業務の作業工程を見直し、最も効率が悪いポイント(ボトルネック)がどこかを探る。ボトルネックの洗い出し方法は現在の問題点を考えつく限りすべて書き出し、重要度別に分類し、すべての要因について分析を行い、その中で最も影響を与えている問題点がどこかを明確にする。
  2. ボトルネックを改善する・・・ボトルネックを特定したら改善作業を行う。ボトルネックが全体に影響を与えるので、できる限り最大の効果が得られるような改善を行う。
  3. 新たなボトルネックが発生する・・・一度ボトルネックを特定し改善作業を行っても、新たなボトルネックは必ず発生する。ボトルネックは1つと決めつけるのではなく「次のボトルネックはどこか」を常に意識することが重要である。
  4. 発見・改善・発生のサイクルを繰り返す・・・このサイクルを回すことで、常に組織(チーム)の効率化を図ることができる。

ボトルネックを発見し改善していくことは、企業の利益アップにつながるだけでなく、効率化や生産能力の確保の面から見てメンバーの負担軽減にもつながります。

一見順調に見えるようでも、どのような作業にもボトルネックは潜んでいます。そのボトルネックを発見し改善し、このサークルを回していくが効率化につながるのです。