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DX推進のための総務の三大課題

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で107人で、23県で感染者ゼロとなっています。二桁であったのは東京18人、神奈川11人、大阪15人の3都府県だけで、もともと少ない月曜日とはいえ、順調に減少傾向が続いています。政府分科会がコロナ新指標を決めました。これまでの感染者数を重視した「ステージ」分類を止め、医療提供体制に着目した「レベル」分類に改めたということです。基本的には、医療体制のひっ迫度合いで分類することは妥当だと思いますが、新指標では数値の目安が乏しく、基準を明確化して迅速かつスムーズな運用を可能とすることが重要です。

さて、今日は、ITmediaビジネスオンラインの「ITは二の次?DX推進のために、総務が解消すべき『三大課題』」という記事を取り上げます。

これまでもIT化、DXについては書いてきています。その時にも触れていますが、デジタル化やDXは手段であって目的ではありません。また、単にデジタル技術を導入すればいいというものでもなく、経営トップが率先して取り組む全社的な課題です。

当然、総務部もデジタル化・DXの対象です。この記事では、デジタル化・DXに対しての総務部の問題点・課題が指摘されています。

コロナ前から総務が率先してデジタル化を進めなければならなかったと言えます。

総務三大業務」である代表電話の取次ぎ、社員の対応、郵便物の処理、これらの業務は、既に便利なツールが登場しており、真っ先にデジタル化できたものです。それができていないから、コロナ禍でテレワークが導入されても、総務は出社せざるを得ないという事態に陥るのです。

この記事も言っていますが、総務の仕事というのは、「総務のために行う」ものではなく、現場へのサービス提供であり、それがデジタル化できれば、全社員の業務も効率化できるのです。つまり、総務のデジタル化は全社に大きな影響を与えるものなのです。

1.総務の三大課題

 「総務の三大課題」と言われているものは、「業務の非可視化」「従属化」「無変化」の3つです。

  1. 業務の非可視化・・・誰がどんな仕事をしているかが明らかでなく、総務としてどこまでの仕事を担当しているのかマネジャーも把握していない状況です。業務の非可視化の原因は、個々の仕事のやり方が共有されていないことにあります。これにより、個々の仕事に改善の目が届かず、従前のままの業務をダラダラと受け継いで行っているのが現状です。この状態でデジタル化を進めても、部分最適が優先され、本来的な改革とは程遠いと言えます。
  2. 従属化・・・これは「言われてやる仕事」に忙殺されている状態です。現場からの依頼や問い合わせに多くの時間が取られ(これも総務の仕事ですが)、総務として本来やるべき、あるいはやらねばならない仕事に回せるリソースがなくなっています。「言いなり総務」に陥っては、コロナ禍で大きく変化した働き方に対応する余裕すらありません。
  3. 無変化・・・総務は多種多様な業務を回さなければならず、それがマニュアル化されています。マニュアル化自体悪いことではありませんが、一度マニュアル化されてしまうと、思考停止という悪癖に陥る可能性があります。マニュアルに従っていれば問題ないという安直な考えで、時代・社会の流れや変化についていけなくなっています。一度作ったマニュアルでも、見直し改善していかなければなりません。

2.総務の業務改善

 どのような企業でも、上述の「総務の三大課題」を有しています。デジタル化やDXに取り組む以前に、これらの課題を解決しなければ、デジタル化やDXを行ったところで、不十分な効果の少ないものになってしまいます。

 それでは総務の三大課題を解決するにはどうすればいいのでしょうか。

 前提となるのは、自社の総務の業務を見定めることです。案外、総務が何をしているのか、どんな業務をしていたのか、経営者自身もわかっていないのです。

 まずは自社の総務の業務を把握し、そのなかに不要な業務はないか、付け加えるべき業務はないかを検討することです。その際、行う価値があるのか、何のために行っているのかを確認することが重要です。

 次に、無駄な確認業務はないか、ボトルネックはないか、時間や人手などを総合的に考慮して、最も効率的にできる方法を考えます。

 そして、仕事の量と質が把握できれば、その中でテクノロジーツールに置き換えることができるものがあればデジタル化すればいいですし、場合によっては外部委託という選択肢もあり得ます。

3.紙の存在から見直してみる

 ぺーバーレスと言われながら、いまだに多くの企業では、紙中心になっています。

 「紙」から業務改革するというのがスタートとしてもっとも行いやすいものです。

 紙の上に記載されている情報をデジタルに置き換えるだけなので、取り組みやすいと言えます。ただ、ここで重要なのは、これまで紙に記載されていたすべての情報をデジタルですべて記載するのかということを考えなければなりません。本当にその情報は必要なのか、その情報は何の役に立つのか、その情報を最終的にどこに集積させ、何をしたいのかといったことが重要なのです。

 これまでやっていたことをそのままデジタルに切り替えるだけでは何の意味もありません。デジタル化、DXは全社戦略なのです。

4.総務の効率化がDXのスタート

 上述のように、総務には三大課題があります。その改善なくしてデジタル化、DXは不可能だと言っても過言ではありません。総務が徹底的に効率化を図り、その成功のイメージを全社に横展開していくことが、最も適切なデジタル化、DXのあり方ではないかと思います。

総務だけでなく、各部署にはその部署なりの課題があります。まずは上述の総務と同じような方法で課題を洗い出し、その改善を図り、デジタル化・DXにつなげていくことです。