Have to とWant to
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で116人、26県で新規感染者ゼロとなっています。オミクロン株はすでに全世界で50を超える国と地域で見つかっていますが、まだ未知数で良く分からないようなので、今日はコロナウイルス関連には触れません。
さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「優秀なリーダーは『メンバーの貢献意欲』を当てにしない」という記事を取り上げます。
部下を厳しく「管理」することなく、それでも「圧倒的な成果」を上げ続けるために、リーダーにはどのような発想の転換が求められているのかについて書かれています。
1.「憧れ」や「貢献欲」の内側にもHave toは入り込む
チームの成果を上げるためには、メンバーのモチベーションを高めることが重要ですが、外的要因のみでモチベーションを挙げるよりも内的要因でモチベーションを挙げることの方が大切です。
メンバーを外的刺激によってではなく、内因的な原理によって内側から動かすためには、個々人のWant to(やりたいこと)の解像度を高めていく必要があります。しかし、いきなり「やりたいことは何か」と問いかけても、応えられるものではありませんし、何をやりたいのか分かっていないケースが多いのです。
この記事では、「その人を縛り付けているHave to(やらねばならないこと)を一つひとつ明らかにして、それを捨てていくことで、個人の真のWant toが見えてくる」と言っています。
そうは言っても、Have to を見つけることも容易ではありません。それはHave toがWhat toであるかのように装っているからです。
例えば、「この人の役に立ちたい」という貢献欲や「この人のようになりたい」という憧れも、実はHave to と結びつきやすいのです。会社の上司に尊敬できる人がいて、「この人の役に立ちたい」「この人のようになりたい」というのは「認められたい」と言う承認欲求が潜んでいて、その人が転勤したり他の部署に異動した途端、「自分のやりたいこと」がわからなくなってしまいます。結局は目の前に残されているのは、「上司に認められたいからやるべきだと思い込んでいた仕事」だけということになるのです。
また、「憧れ」も現実のゴールを設定する際の邪魔になってしまいます。「憧れ」宝と言ってその人になれるわけではありません。むしろ、「あの人のようになりたい」というWant toが「あの人のようにならなければ」というHave toになり、自分を縛り付けてしまうことにもなるのです。
2.Want to(やりたいこと)がなければ前に進めない
以前書いた「SF思考」も「自分がやりたいこと」を他人に伝わるように形式化する手段です。今の時代に正解と言えるものはありません。誰も先が見通せず、何が正解かわからないのです。だからこそ「何をやりたいか」という意思がなければ前に進めないのです。
「自分は何のために働くのか」という意思が明確でないまま、上から降りてくる仕事だけをこなすというのでは、どんなに優秀な人でもリスクは取れませんし変化もできません。成長できないのです。
先日書きました「パーパス経営」も、企業としての意志=存在意義を明確にして、従業員に腹落ちさせようというものです。従業員にパーパスを浸透させ、従業員がそれに共感できなければ、パーパス経営などできません。
今の日本においては「何をやりたいのか」という意思が必要なのです。
それでは、どのようにして、真のWant toを見つければいいのでしょうか。われわれの周りに存在する膨大なHave to を捨てて、自分の真のWant to に目覚めるには具体的にどうすればいいのでしょうか?
これには2つのステップがあると言います。
ステップ1 Have to を洗い出し、真のWant toに気づく
ステップ2 Have to を捨てることを決断し、その捨て方を考える
Have to は自分の行為を決める際の「無意識の枠組み」になっています。したがって、自分がどんな「やらなければならない」ことに縛られているかをまず顕在化したうえで、自分の価値観を探索するのが望ましいのです。
もう1つ重要なことが「決断が先、プロセスは後」ということです。Have toに気づいたら、それを手放していく必要があります。その時「どのように捨てるのか」と言うプロセスに拘っていれば、いつまで経っても捨てることはできません。まずは捨てるという決断をして手放すことです。