仮説思考
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で1万3244人で、東京2198人、神奈川548人、埼玉547人、千葉465人、愛知723人、大阪1711人、兵庫512人、京都412人、広島652人、山口182人、福岡408人、沖縄1644人などとなっています。先週の同じ曜日と比べると5倍に増えています。このまま行くと今週中には第5波の時の最多2万5156人を越え、来週には5万人にも達する勢いです。オミクロン株は重症化リスクが低いとはいえ、38度の熱が10日間続いたとか、頭痛やだるさが継続しているとの発表もあり、侮ることはできません。更にアメリカでは子供の発症が増えているとのことなので、日本でも12歳未満へのワクチン接種を加速させる必要がありそうです。
さて、今日は、リクナビNEXTジャーナルの「『仮説思考』とは?今ビジネスで必要とされる理由と磨き方を解説」という記事を取り上げます。
1.仮説思考とは?
「仮説思考」は、今見えている事実と自身の知識を元に先を読み、「おそらくこうなりそうだ」という有力な仮説を立て、それをピンポイントに検証していく思考法です。仮説を先に立てるので検証すべき項目が絞り込めることができ、効率よく問題を解説したり、結論にたどり着いたりすることができるのです。
かつては問題や課題が明確で、その解決方法さえ考えれば良かったのですが、今のように変化が激しく先が見通せない混迷の時代では、問題や課題が明確ではありません。まずは問題や課題を発見することから始めなければならないのです。その際、問題点を素早く見極め、大局を読みながら仮説・検証に臨む姿勢が必要不可欠となり、仮説思考に基づいた問題解決法は時代にマッチしています。
「仮説思考」と真逆の思考法が「探索的思考」です。これは仮説を立てず、考えられる可能性をしらみつぶしに調べ結論を導き出す思考法で、慎重な思考法といえますが、変化が激しく先行きが見通せない今の時代では迅速性が求められるので時代に合わないと思います。
2.仮説思考はスピーディーな問題解決に向いている
仕事には、「問題解決型」と「理想実現型」があります。
「問題解決型」は、例えば、「売上減少に歯止めをかけるのにどうすればいいか」「増え続ける退職者を食い止めるには」といった今ある問題を解決するための仕事で、これには仮説思考が適しています。
一方で、「理想実現型」の仕事は、『もっと会社を大きくしたい』『会社の認知度を高めたい』などと言った目標を実現するための仕事で、これには「探索的思考」が適しています。
仮説思考は、今ある問題をスピーディーに解決するすることに向いているのです。早急に解決したい問題や課題であれば、悠長にすべての可能性をしらみつぶしに当たっている暇はありません。たとえそれが次善の策であろうとも、まずは仮説を立ててそれに搾って検証し、解決を急がなければならないのです。
3.仮説思考のメリット・デメリット
仮説思考のメリットは、これまで延べているように「スピーディーに結論を導くことができる」という点です。企業は多くの問題や課題を抱えています。その問題や課題のすべてに時間や労力をかけていたのでは、事業自体が停滞してしまいます。抱えている問題や課題をスピーディーに捌いていかなければならないのです。仮説思考は企業が抱える問題や課題を効率的に解決してくれます。最も問題解決に効果がありそうな仮説を立てて、どんどん検証に回していけば、数ある問題をにスピーディーに対応することができるのです。
例えば、先ほど挙げた「退職者が増えているのを食い止めたい」という課題の場合には、退職しようとする社員を呼んでヒアリングしたり、既存社員にアンケートを採ってデータを集め、それを分析するという手法もありますが、それでは時間や労力がかかりすぎます。一刻も早く原因を究明して食い止めたいのであれば、データ収集よりは、まずはある程度確からしいという仮説を立てて、先に進めるという仮説思考の方が迅速に解決に導いてくれます。
一方で、仮説思考のデメリットとしては「他の可能性を見落とす」ことや「イノベーションが生まれにくい」という点が挙げられます。
仮説思考の場合、「仮説以外の可能性」をいったんは切り捨てることになります。仮説思考は仮説を立てた一の情報収集力と元から持ち合わせていた知識に依存することが大で、仮説の精度が低ければ、「別にあったベストな結論」を見逃してしまう恐れがあるのです。更に酷い場合には「間違った仮説」を立てることにもありますが、この場合には、間違いに気づいた場合に仮説を立て直し検証するということを繰り返すことで精度を高めることができます。
また、仮説思考はイノベーションを生みにくいというデメリットがあります。イノベーションは、色々なものを試す中で偶然新しいものを発見したり、新しい発想やアイデアを思いついたりすることで生まれます。最初からある程度確からしいという仮説を立てて、それに絞り込んで検証していたのでは、クリエイティブなアイデアは生まれにくいのです。
4.仮説思考を磨くには
仮説思考は、現時点で見えている「事実」と元々持ち合わせていた知識を元に仮説を立てる思考法です。そして、立てた仮説の精度が低ければ、間違った結論を導き出したり、運良く間違いに気づいても仮説の立て直し、検証を繰り返していたのではスピーディーさという仮説思考のメリットを活かせません。
仮説思考に必要なのは、仮説を立てるに当たって現時点で見えている「事実」と持ち合わせている「知識」の豊富さです。
「事実」を増やすには、徹底的に情報収集して「事実」を集めるしかありません。
また、「知識」を増やすには、「色んなことに興味を持ち、幅広くインプットすること」です。アンテナを高く広く張り、あらゆる情報を収集すること、自分の業務領域以外の知識や仕事を離れた雑学などにも目を向けるべきです。多くの引き出しがあれば、偏りのないバランスのとれた良質な仮説を立てることができます。