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5Sとは?

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1万8859人で、東京3124人、神奈川842人、埼玉886人、千葉633人、愛知1036人、大阪2452人、兵庫904人、京都566人、広島805人、山口218人、福岡699人、沖縄1817人、北海道328人となり、全国31都道府県で100人を超えています。この異常ともいえる感染拡大がオミクロン株の感染力の強さですが、まだ始まったばかりでどこまで感染拡大するのか心配です。欧米のように1日のp感染者が数十万人規模にならないことを祈ります。

さて、今日は、幻冬舎ゴールドオンラインの「どのような職場においても仕事の基本となる『5S』とは?」という記事を取り上げます。

5Sは仕事の基本中の基本ですが、あまりに当たり前すぎて、おろそかにしていないまでも、あまり意識してこなかったかも知れません。

5Sは、整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つの言葉の略ですが、JISによれば、「職場の管理の前提となる整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(躾)について、日本語のローマ字表記で頭文字をとったもの」と定義されています。

5S活動を職場の管理の前提となるもので、整理整頓によって職場環境を綺麗にする美化活動ではありません。つまり、5Sを通じて職場が抱える課題を解決する改善活動です。5S活動で職場環境が整うだけでなく、無駄がなくなります。そしてその結果、作業の効率性や生産性の向上が実現できるのです。

1.5Sとは?

 古くから日本の製造業を中心に行われている、職場の環境整備活動が5Sです。

  1. 整理・・・必要なものと不必要なものを区別して、不必要なものを片付けることです。ポイントは、①不要なものを思い切って「捨てる」ことと②短期間で一斉に行うことです。
  2. 整頓・・・必要なものを必要なときにすぐに使用できるように、決められた場所に準備しておくことです。ポイントは、①作業性、安全性、美観などを考慮して置き場所や置き方を決めることと②表示を徹底して行うことで「所定の場所に必ず戻す」ことを徹底することです。
  3. 清掃・・・必要なものについて異物を除去することです。ポイントは、①短期間にこまめに行うこと ②全員で個人別に平等に分担して行うこと ③汚れの発生源対策を行うことです。
  4. 清潔・・・整理・整頓・清掃が繰り返され、汚れのない状態を維持していることです。ポイントは、①機械設備だけでなく床などもピカピカに磨くこと ②色彩管理を取り入れて清潔感を出すようにすること ③身だしなみも清潔にすることで、更にこれらを「維持すること」です。
  5. ・・・決めたことを必ず守ることです。ポイントは、①経営者、管理者の率先垂範と部下に対する監督、教育指導、訓練の継続的実施と②決めたことを守る運動を展開することで、決められたルールは「必ず守る」ことです。

2.5Sの目的

 5Sの目的は、PQCDSを達成することです。PQCDSというのは、

  1. P(Productivity)量的生産性・・・1人当たり、1台当たりの生産数量あるいは量的生産性の維持・向上
  2. Q(Quality)品質・・・品質そのものあるいは品質の維持・向上・不良品の低減
  3. C(Cost)原価・・・原価そのものあるいは原価の低減
  4. D(Delivery)納期・・・納期そのものあるいは納期達成、短納期化の実現
  5. S(Safety)安全性・・・向上の安全、環境あるいはそれへの配慮

です。さらに、

  1. 3ム(ムリ・ムダ・ムラ)の撲滅
  2. 材料・機械・エネルギー等の資源の節約
  3. 従業員のモラルの向上、自主管理能力の向上、リーダーシップの高揚

なども目的として挙げられ、「目で見る管理」(作業者又は管理者が、進捗状況又は正常か異常かどうかと言った生産の状況を一目で見て分かり、管理しやすくする工夫:JISの定義)の大前提となるものです。

 「目で見る管理」は5Sの上位に位置し、5Sの確立が大前提となっているのです。

3.5Sの効果

 5Sの直接的な一次効果としては次のようなものが挙げられます。

  1. 在庫の削減・・・不要な在庫や資材が処分されることで、スペースが確保できる
  2. 段取時間の短縮・・・標準時間設定により、段取時間が削減され、作業が効率化する
  3. 機械の汚れ防止・・・清掃により機械の汚れが防止され、不良品の発生が抑えられる
  4. 機械の故障防止・・・機械の点検整備により、故障を防止できる
  5. コストの削減・・・チョコ停(設備がちょこちょこ停止すること)防止、不良品の減少などで製造原価が削減される
  6. 納期の厳守・・・時間管理が徹底され、納期が守れる
  7. コミュニケーション不足の解消・・・ルールの徹底により連絡ミスがなくなる
  8. 安全の確保・・・不良品・道具の放置や機械故障による労働災害が防止される

 2次効果としては次のようなものが挙げられます。

  1. 社員の責任感の向上・・・5Sを実施する中で、それぞれの役割を担うので、責任感が養われる
  2. 組織推進力の向上・・・5Sは全員活動なので、全員参加の気運が高まり、組織的に推進する力がつく。
  3. 改善力の向上・・・5Sの推進により、3ム(ムリ・ムダ・ムラ)が減少する

 3次効果としては、次のようなもの挙げられます。

  1. 整理によって、在庫が適正在庫に近づき、在庫効率が向上する
  2. 整頓により、道具を探す手間が省けて生産性が向上し、製造コストが削減される
  3. 清掃により、機械の故障を減らし生産速度を上げ、製造コストを削減する
  4. 清潔により、作業の標準化が進み、時間管理が徹底され、人件費の削減に繋がる
  5. 躾により、ルールの徹底で連絡ミス・再作業がなくなり、材料費・人件費の削減に繋がる

4.5Sを継続させる仕組みを作る

 5Sを継続させるためには、仕組みを作ることが重要です。

 まずは5Sマニュアルを作成することです。ここで重要なのは、整理・整頓・清掃・清潔・躾それぞれの手順書です。さらに、5S委員会の設置やその公正、推進ブロックの区分なども決めることです。5Sの目的や定義を見失わないように明記することも重要です。5S委員が各ブロックを回って5Sが行われているかを点検する5Sパトロールも有効です。5Sの効果が分かるように定点撮影を行うことも有用です。

 5Sのメリットを継続、維持させるためにはさまざまな取組みがありますが、委員会を作り、書類を作り、格ブロックを細分化し、目的達成を促すことが重要です。

 まずは経営者、管理者が率先して行い、社員全員に全社全員活動であることを徹底的に意識させることです。