中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

デキる社員の共通点

f:id:business-doctor-28:20210601080629j:plain

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で9万2078人で、重症者は1141人、死者は159人となっています。新型コロナウイルスで入院中や療養中の人は80万3176人です。全国民の約150人に1人が入院・療養中ということになります。政府は、まん延防止等重点措置を延長する方針でいますが、飲食店の時短営業や酒類提供制限しか念頭にない「まん防」ではほとんど効果はないでしょう。これまでも書いていますが、新型コロナウイルス(オミクロン株)は空気感染で広がります。接触感染や飛沫感染を重点に置いた対策では意味がありませんし、感染の中心は飲食店ではなく、学校・保育所・施設・職場・家庭です。まん延防止等重点措置を延長するとしてもその内容を見直した上で行なうべきです。ずるずる従前の措置を延長しても感染拡大は止まりません。尾身会長が言うように、仮にピークアウトしても高止まりのままです。

さて、今日は、プレジデントオンラインの「『学歴では分からない』カリスマ経営者・永守重信が考える"デキる社員の3つの共通点”」という記事を取り上げます。

企業経営に必要な経営資源は「ヒト、カネ、モノ、情報」で、とりわけ「ヒト」(人材)が重要です。しかし、優秀な人材を採用しようとしても、学歴があり面接や入社試験で優秀な成績を上げた人が必ずしも将来優秀な人材になるかというとそうでもありません。中途採用で、他社で優秀な成果を上げた人を採用する場合でも同じです。

会社や経営者が求める成果が明確にあって、その成果を達成する人が優秀な人材と言えるのです。結果として、会社や経営者が求める成果を出せた人が優秀ということになるのです。従って、入社前から優秀かどうかは分かりません。優秀かどうかは仕事をさせてみないと分からないのです。

以前書いた「優秀な人材を採用するために」で、採用面談時に見るべき3つのポイントを挙げていますので参考にしてください。

今日は、これまで何度も名前を挙げている日本電産会長の永守重信氏が考えるユニークな「デキる社員の3つの共通点」について紹介します。

1.型破りな入社試験

 永守氏は、1973年に自宅6畳間でわずか3人の従業員で現日本電産を創業し、その後半世紀で世界に300のグループ会社を擁し、11万人もの従業員を抱える世界一の総合モーターメーカーを築き上げました。その創業当時、もっとも苦労したのが人材採用でした。当然無名ですから新卒採用を計画しても人は集まりません。

 永守氏は、「一流大学で高等教育を受けた人が来てくれないなら、集まってくる人の中から見所のある人材を発掘して、一から育てるしかない」と考えます。磨けば宝石のように光る原石を探そうというわけです。永守氏は、これまでの会社員生活を振り返り、『この人は仕事ができる』と感じた上司や同僚の顔を思い浮かべながら、「デキる人」に共通する点を見いだしたのです。

 その3つが、①声が大きい ②出社時間が早い ③食事が早い(早飯食い)です。

 Ⅰ:声が大きい・・・リーダーシップを発揮し、人を引っ張っていく人は概して声が大きい。相手の目を見て、自信に満ちた声ではっきりと話す。これに対し、声が小さい人は覇気がなく、頼りない。

 Ⅱ:出社時間が早い・・・出社時間が早いと、心にゆとりが産まれ、この心のゆとりが仕事との成否に大きく影響する。先ずれば人を制す。一方、出勤時間が遅い人は、何事につけてもルーズでミスが多い。

 Ⅲ:早飯食い・・・早飯食いの人は何事につけても早い傾向にある。競争社会を生き抜くためには物事を早く処理できるということが重要なポイントである。早飯食いの人は、胃腸も丈夫で健康である。

 こうした分析の結果、永守氏は、「大声試験」と「早飯試験」を実施するのです。

 「早飯試験」ではスルメなどよくかまないと飲み込めないようなおかずばかりを入れた弁当を用意し、10分以内に食べた学生は全員合格、試験会場に早く来た順番に採用する、マラソンを実施して最後まで走りきった人から順番に採用するなど、型破りの採用試験で世間のひんしゅくを買ったこともあります。

 しかし、現在、日本電産グループの屋台骨を支えている人たちの多くが、この型破りの採用試験を通過してきた人たちなのです。

 中でも、成果があったのは「早飯試験」で、入社してからの仕事の成績と「早飯試験」の順位はリンクしていたというのですから、面白いと言えます。

 流石に、現在ではこのような採用試験を行なえば、批判の的になり、ネットで大きく叩かれることでしょう。しかし、この3つの共通点は間違っていないように思います。この3つを何らかの形で採用試験の中に組み込むことができれば、優秀な人材(将来優秀な人材に育つ原石)を見つけることができそうです。

2.成功の条件は「頭の良さ」以外にある

 私が知っている経営者や士業の人たちで優秀な人に共通しているのは、働くことを苦にしない、どちらかというと個性が強い、人と会うのが好き、そして一番は「食べるのが早く好き嫌いがなくすべて平らげる」人だとうことです。まさに永守氏の挙げる共通点に合致しています。実社会で成果を上げている人というのは、世間で言われるように高学歴で頭がいいというわけではないのです。

 ここで、再び、永守氏の採用試験の話に戻りますが、永守氏は「パチンコなら誰にも負けない。学生時代パチンコに明け暮れていた」男子大学生を採用しています。

 この男子大学生に「パチンコについて作文を書いてこい」との課題を与えますが、パチンコのどの台を選ぶべきか、釘の角度はどれくらいがいいか、どんなコンディションでどう臨むべきかなど、事細かな分析がなされており、永守氏は舌を巻きます。大学の成績は惨憺たるものでしたが、永守氏はその大学生を採用します。採用したのは、その鋭い観察分析力と学費をパチンコで稼いでいたという気概、作文の巧みさです。その大学生は今や幹部として成長し、レポートを書かせると群を抜いていると言います。

3.これからはEQの高さが求められる

 EQ(心の知能指数については以前にも書いています。これまでの日本社会では、IQ(知能指数)が重視され、学歴重視の社会でしたが、グローバル化が進む中でIQよりもEQの高さが求められるようになってきています。

 EQの高さというのは、人間としての総合的な知性と感情の豊かさです。どんなに苦しくても己を励まし、情熱・熱意・執念で困難に立ち向かう能力、他人の苦しみや思いを深く読み取り、人の心に寄り添える能力、いかなる風雪にも耐えることができるる強い心です。

 EQは一朝一夕に身につくものではありませんが、鍛えれば鍛えるほど伸ばすことができます。努力次第で差がつきます。最も重要なのは相手の苦しみや感情を読み取りそれに寄り添える能力ではないかと思います。

高度に複雑化した社会では、他社への共感や理解、説得や交渉といった複雑で臨機応変な対応が求められる場面が増えてきます。まさにEQが本領を発揮する場面です。RQはいつも言うようにコミュニケーションで相手に共感しよりよい人間関係・信頼関係を築き上げることで伸ばすことができるように思います。