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全員を戦力にする人財育成術

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で8万4220人で先週よりは減ってきています。一方で重症者数は1403人、死者は236人と初めて200人を超えました。致死率は0.1%と低いものの感染者数が桁違いに多いために死者が増えるのも当然です。重症者の約9割が70歳以上の高齢者で、感染者が増えれば高齢者の感染者が増え、重症者・死者ともに増えていきます。大阪府の吉村知事は、重症病床使用率が緊急事態宣言発出要請の基準である40%を超えましたが、緊急事態宣言は発出しない意向です。緊急事態宣言にせよまん延防止等重点措置にせよ、今のままではそれほど意味がありません。オミクロン株の特性に応じた対策をしっかりとってもらいたいものです。

さて、今日はサライの「人財育成の『人が辞めない理由』を作ること【全員を戦力にする人財育成術】」を取り上げます。

空前の人手不足が続く中、優秀な人材を採用することが難しくなっています。何を持って優秀と判断するかは企業それぞれですが、優秀かどうかは入社するまでは分かりません。結局は、企業が求める「優秀」に合った人材を育成するしかありません。

各企業が求める「優秀」が異なっている以上、優秀な人材を育成する方法も、各企業によって違ってきます。突き離した言い方をすれば、各企業が自社が求める「優秀」な人財を育成する方法を自ら見つけなければならないのです。そうはいっても、根底にすべての企業に共通した基本的なものがあります。この記事では、そうした根底の基本的な部分が説明されています。

1.企業がやるべき3つの整備

 企業がやるべきことの基本は「教育」「評価」「労働環境」の3つです。きちんと教えて、評価し、働く環境を整備することが、人財育成の根本中の根本です。

 この「教育」「評価」「労働環境」を整備し、きちんと実施すると、辞めない理由ができます。

 辞めない理由の代表的なものを挙げれば

  • キャリア・ステップが見える
  • 短・中・長期の目標を持つ
  • 成長意欲が満たされる
  • 自己重要感が持てる
  • やりがいを感じられる
  • 人間関係が良い

などがあります。

2.キャリア・ステップを示す

 「キャリア・ステップを見せる」ということは、「仕事で頑張ればこうなる」ということを仕組みとしてみせることです。仕事を続けていれば、近い将来、どのようなポジションに就け、どれくらいの収入になるのかを明示することです。

 今は不透明な時代です。今の仕事にやりがいを感じていても、将来の自分に不安を抱いている人は多いのです。例えば、10年後にどのようなポジションについてどれくらいの収入になるかが明示されれば、不安は払拭され、やる気が続きます。先が見通せない時代だからこそ、先々のステップを明示してやる気を喚起する必要があるのです。

3.短・中・長期の目標を持つ

 先日「GRIT やり抜く力」でも書きましたが、長期的な目標設定は重要です。しかし、長期的な目標だけでは達成までに時間がかかりすぎ、モチベーションが持続しません。ここで重要になるのが、長期的な目標までの道筋を細分化した短期的な目標、中期的な目標です。短期的な目標を積み重ね、中期的な目標を達成し、更に次のステップへと積み上げていくのです。

 ここで大切になるのは。頑張った見返りを与えることです。「今、この仕事を頑張れば、次の評価がこのように上がる」というように、見返りを示すことです。見返りが見えると、やり抜く力が湧いてきます。目の前の仕事をしっかりとやれば、将来に繋がっていく、それが実感できるような目標を持たせることで、働く人のモチベーションは上がり、持続していきます。

4.成長意欲が満たされる・自己重要感が持てる

 多くに企業では働く人の欲求(Want to)は必ずしも満たされていません。しかし、そのほとんどは、当人に働く意欲がないのではなく、会社や上司がそれを引き出せていないのです。成長意欲を刺激するアクションが必要なのです。

 自己重要感は、これまでも書いていますが、①人は皆自分が重要な人間だと思いたい ②周囲の人に重要な人間だと思われたい という気持ちのことです。この自己重要感は、教育と評価を仕組みかすることで可能になります。

 人財育成を人(上司)任せにしていては駄目です。人任せでは任された人の力量が大きく影響します。誰がやっても同じように効果が出る仕組み化が重要になるのです。仕組み化というのは個人の能力によらない、みんなが共有できる手法のことです。

5.やりがいを持たせる仕組み

 「仕事にやりがいを感じられる」というのは、辞めない最大の理由です。しかし、昨今は事情が変わりつつあります。「やりがい」が多様化しているのです。

 「出世したくない」という若手社員も増えています。価値観の多様化でやむを得ないのですが、「やる気を持たせる」ことが難しくなっています。頑張ればポジションが与えられるというのをインセンティブにして人事制度を設計してきた企業にとっては、頭を抱えることになります。

 しかし、ワークライフバランスを考える人もいれば、これまで通り出世を求める人もいます。それぞれの多様化した価値観に応じた人事制度でインセンティブを与えていけばいいのです。そのような仕組みをつくればいいのです。出世を求める人にはポジションをインセンティブにし、ワークライフバランスを考える人にはその人にあった働き方を用意する、と仕組み化するのです。

6.人間関係も労働環境の要素

 「人間関係がよい」というのは風通しの良い職場で、企業が整備すべき労働環境で重要なものです。業種を問わず、辞める一番の理由は人間関係にあります。「良い人間関係を築くこと」ができれば、辞める人は極端に減るはずです。

 特に重要なのは上司のコキュにケーション能力です。コミュニケーション能力はリーダーにとって最も重要なスキルですが、磨くことは可能です。しかし重要なのは相手の心や気持ちにより添うことができるかということにつきます。

 何度も言いますが、「ロジックよりは感情」、部下の気持ちや心に寄り添い、親身になって聞くことで、よりよい人間関係や信頼関係が構築できます。よりよい人間関係が構築できれば、仕事に対するやる気・モチベーションも高まりますし、成長意欲や自己重要感にも繋がります。すべての根本は人間関係にあるように思います。